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5:レオンは恋をした。


 


 ✾ ✾ ✾ ✾ ✾




 嫁入りしてきたクラウディア。

 リーツマン伯爵と契約し、結婚することになったのだが、伯爵から訳アリの娘だと言われた。

 それから、契約の内容はクラウディアにはバレないようにとも。

 まぁ、言われたというか、手紙でのやり取りのみだったのだが。


 クラウディアの詳細は、直接会って確認してほしいと言葉を濁されていたので、様々なことを想定したし、きちんと覚悟もしていた。

 正直、どんな問題がある娘でも構わないとも思っていた。

 何かしらの大きな怪我や病気があろうとも。頭がすこぶる弱かろうと、悪女だろうと。

 本当に、なんでも良かったんだ。


 辺境が力を持ちすぎないようにしたい王侯貴族からの圧力。

 王女殿下からの面倒なアプローチ。

 社交シーズンに王都に出れば『狩猟民族』と揶揄される。

 それなのに、我が家の資産に目をくらませて、娘を差し出そうとしてくる者ばかり。

 裏の思惑が透けて見える気持ち悪い笑顔をした貴族たち、断固拒否でゴミを見るような視線を送ってくる若い令嬢たち。


 どれもこれもが面倒になっていたころに転がってきた、契約結婚の話だった。

 俺は迷いなくそれに飛びついていた。

 



 クラウディアは、期待を裏切るほどに、美しかった。

 そして、とにかく予想と違う方向に変だった。


 ――――面白い。


 本気で『狩猟民族』に嫁入りしたいと思い、ここに来たそうだ。騙した父親はいつかシバキ倒してやる!とか息巻いていた。結構に野蛮な娘だった。

 この娘となら、楽しく過ごせそうだと思った。


 初夜は……思いのほか、昂ぶってしまった。

 どこまでも野性的で、肉肉言っているのに、そっち方面は初心。


「……しまったな」


 出逢って二日目で妙にハマっている。

 ベッドですうすうと柔らかな寝息を立てて眠るクラウディアは、妙に幼く見える。

 乱れた前髪を揃えてやると、擽ったそうにして寝返りを打った。


 ――――かわいい。


 愛は、これから育んでいこう。

 恋は、いましている気がする。




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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

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▷▶▷ BOOK☆WALKER

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