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【10/15 発売】肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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27:コカトリスの目玉焼き。

 



 食パンの上にベーコンを敷き、その上にコカトリスの目玉焼きを乗せています。

 一口目は白身だけ。ブリッブリとした弾力があるのに、口の中でとろけます。

 次にぷっくらと半球に盛り上がった黄身に、がぶりと噛み付きました。

 ドロリと濃厚でいて、なんとも言えないほのかな甘みのある黄身が、口の中を満たします。

 コカトリス卵は、大きいものの見た目は鶏の卵と一切変わりませんでした。そして、味は格段にコカトリス卵の方が美味しく感じます。


「んん、んんんっ!」

「フッ……美味しかったようだな」 


 濃厚で甘い黄身とカリカリの塩っぱいベーコン。それが同時に口の中で混ざり合い、幸せな朝食の味になっています。


「はいっ!」


 確信しました。

 コカトリスの卵は、スクランブルエッグなどにするよりも、シンプルに素材で勝負する目玉焼きの方が向いています。

 調味料など一切付けず、ベーコンの塩味のみで十分でした。




 玄関でレオン様をお見送りして、素早く厨房に移動します。

 コカトリス料理を相談するためです。

 

 個人的には、『カラアゲ』が気になっていますが――――。


「――――できますよ? 東国のチキンフリッターに近いものですよね?」

「っ! そう! え? 出来るの!?」

「はい。以前に他国の使節団をお迎えした際に、東国出身の方がいまして」

「教えて! 作り方、私にも教えてちょうだいっっっ」


 シェフの両手をがっしりと握り、ズイッと近付きながらお願いしましたら、「ひゃいっ、もちゅろんです」と真っ赤な顔で頷かれました。

 大丈夫? 風邪かしら?


「ち……がいます。とりあえず、エプロンを付けて手洗いをしましょうか」

「ええ、そうね」


 コカトリスは羽をむしり、内臓を取り出すところまでは処理し終えていました。


 先ずは各部位に分解するそうです。

 太腿の付け根から切り落とし、モモ身を。

 腕部分を落とし、手羽元と手羽先に。

 胸肉、ささみと分解していくのは、鶏とほぼ一緒でした。


「…………手際がいいですね」

「一番最初に、捌いたのは鶏でしたもの」

「ちなみに、おいくつの頃で?」

「ええっと……十、だったかしらねぇ?」


 たしかお父様が家にいない日を狙って、我が家の料理長を軽く脅しつつ教えてもらったのよね。

 んふふ、今日は懐かしいことを良く思い出す日ですわね。




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◇◆◇ 10/15発売! ◇◆◇


肉食令嬢は、肉のために結婚することにした。
書籍表紙


表紙&挿絵は『春名ソマリ』先生っ!
お肉お肉なクラウディアと、甘やかし上手なレオンがめちゃくちゃ幸せそうに描かれてるぅ!

そして、どえらくラブラブな挿絵に悶えてけろ!!!!

♣ カクコン10受賞作! ♣
KADOKAWA ビーズログ文庫様より、10/15 発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ KADOKAWA

▷▶▷ ビーズログ文庫

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▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
[良い点] よく考えたら肉じゃない!? 動物性だけど肉じゃない!? それはさておき、口内に唾がたまる美味しそうな食レポ回でした♪ [気になる点] ≻「ひゃいっ、もちゅろんです」 お肉大好きメイツ過激…
[気になる点] コカトリスの頭はどっちが先に殻から産まれてくるのか 競い合うように殻を破壊して勝った方がドヤ顔?! [一言] 目玉焼き食べたい! クラウディアにとって肉と旦那様が同等の価値になってき…
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