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病とともに生きる  作者: Takatan
くも膜下出血編
6/36

一時帰宅 そして退院へ

 不眠が始まって1ヶ月が経とうという頃、くも膜下出血の術後の経過は順調な一方、不眠症状のみが頑固に残り、C病院にはこれ以上の打つ手はないということで、精神科(睡眠の専門)のあるD病院に転院することになりました。入院が必要なのか、それとも通院で治療可能なのかは、初診で診てもらってからということになり、C病院を退院してD病院の初診まで一時帰宅できることになりました。


 家族は、眠れない私を家でどう受け入れたら良いのか、本当に不安だったと思います。また、ほぼ寝たきりの1ヶ月の入院生活で、足腰の筋力はかなり落ちており、外では車いすでの移動をしなければなりませんでした。立ってズボンをはくなんていうこともできず、着替えにも介助がいる状態。階段は腰掛けて上り下り、部屋の移動も何かにつかまりながらでした。それがくも膜下出血の後遺症なのか、単なる筋力の低下なのか、それがわからないくらい脳の損傷は大きく、先の見えない不安は私にも家族にも大きくのしかかっていました。

 けれど家族は「病院にいても眠れないんだったら、家に帰っておいで」とあたたかく迎え入れてくれました。

 1ヶ月ぶりの我が家。家族の話し声や台所でご飯の用意をする音、全ての生活音がとてもあたたかく幸せで、いつの間にか実家よりここが自分の家になっていたことを実感していました。

 そして夜、用意された自分の布団に腰を下ろしたとき、、、


 奇跡は起こりました!


 すっかり忘れていた「眠れそうな感じ」を取り戻せたのです。もちろん睡眠薬はまだ飲んでいませんでした。でも、眠れそうな感じが確かに身体に広がってきたのです。


 そしてその夜、私は本当に久しぶりに眠りにつけました。心配してのぞきに来ていた家族にも気付かないまま。

 その後精神科では

「睡眠薬を飲まなくても眠れたなら、こちらにもすることはないから、もしまた眠れなくなったら、その時受診してください。」

といわれ、入院もしなくていいことになりました。

こうして、本当に念願の退院をすることができたのです。

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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは 親をくも膜下出血で亡くしました。 本当に生還されて良かったと思います。 不眠辛かったですね。 どうぞお大事になさってください。
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