第9話 新たな接触
短めです(´;ω;`)でも分かるよねぇ(ㅍ_ㅍ)
20XX年 4月16日 太平洋
ブロロロロロロロロロロロロ
コース亜人連合国の主力戦闘機であるティルムアトルスで編成されている第23飛行隊に張り付くように2機のSー97が飛行していた。
「いやー、まだ信じられないな……。」
そういうのは第23飛行隊長であるサルムルックだ。
二十反転ローターに後方には推進用プロペラが取り付けられているSー97 レイダーは偵察ヘリであるが数名の兵を収容、輸送可能である為しばしば小型高速ヘリとして運用される場合もあるのだ。
だが、それを初めて見たものにとっては奇妙であるに違いない。
しかし、それはティルムアトルスを初めて見た者よりも驚きは少ないだろう。
2機のSー97の乗員は困惑していた。
「おいおい、なんだあの形状は……?」
「シラスみたいだな……ハハハッ。」
驚愕する者も居れば、その滑稽な形状に笑う者も居る。
様にカオスであった。
バババババババババ
サルムルックはSー97を見ながら、第23飛行隊が飛び立った王都第3飛行場に着陸する為、着陸体制に入る。
第23飛行隊が着陸体制に入ったことを悟った2機のSー97は第23飛行隊が着陸するのを待ち、着陸に入る。
バババババババババ
第23飛行隊は既に第3飛行場に連絡を入れていた為、2機のSー97の着陸地点のすぐ横に3名の護衛兵と1名の外交官らしき人物が待機していた。
ガコン
扉が開き、4名の地球連邦国の護衛兵と外交官であるジョンソン・アドミラルは降りる。
「どうも、地球連邦国外務省のジョンソン・アドミラルです。」
ジョンソンはお辞儀をし、自己紹介をする。
「こちらこそ。コース亜人連合国外務局のファイレール・ノオトです。」
コース亜人連合国外務局のファイレールはジョンソンに応えるようにお辞儀をする。
「では、中に入ってからお話をしましょう。」
ファイレールに連れられ、ジョンソンらは第3飛行場に隣接された会議室に行く。
ガチャ
「ここでお話をしましょう。」
ジョンソンらは用意された椅子に座る。
(木の椅子か……少し尻が痛いな……。)
ジョンソンは木の椅子に座り、痛みを感じた。
「で、貴方々の目的はなんでしょうか?」
ファイレールはジョンソンらに本題を聞く。
だが、ジョンソンはポカーンと口を開けたままだ。
「あ…あの……耳みたいなモノはなんでしょうか……?」
ジョンソンがファイレールをジロリと見ながら言う。
「へ?嗚呼、犬人族の耳ですけど……どうかしましたか?」
「いや……初めて拝見したもので……。」
そう、ファイレールは犬人族だ。
コース亜人連合国の人族の割合は1割程度。いや1割も無いかもしれない。
対して、亜人の割合は9割を超える。
国の名前からしてそうであるが、ジョンソンはイマイチ分からず人族しかいない国家だと思っていたのだ。
「ゴホン……では、我々が訪ねた目的は貴方々の国と国交を締結する為です。」
「ほぅ、そういうことでしたら別に構いませんが少し、貴国の事を教えていただいても宜しいですかね?」
「ええ、結構ですよ。我が国の名は地球連邦国です。面積は1億4700万平方メートルで、総人口は75億人です。そしてn。」
「ちょっと待ってください!」
ファイレールはジョンソンの話を止める。
「どうしたのですか?」
「どうしたもこうしたも総人口75億ってどういうことですか!?」
ファイレールは驚愕した。
この惑星の総人口は16億人程度。そこに4倍を超える人口を持つ国などファイレールにとっては突拍子もないことであった。
「信じられないのであれば我が国へ視察へお越しになられたらどうでしょうか?」
ジョンソンはファイレールに信じられないのであれば自分の目で確かめろと言わんばかりに言う。
「そ、それは上にも相談しなければ行けないので……。」
「まぁ、それくらいで話は終わりにしましょう。正式に国交を結びましょうか。」
その後、地球時代では考えられない程緩い会談で地球連邦国とコース亜人連合国は国交を締結したのだった。
コース亜人連合国はまだ地球連邦国の絶大な国力に気付いていなかった。
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同時刻 地球連邦国 ジュネーブ 大統領官邸
「新国家との国交締結か……。しかも、亜人国家とはな。」
クリーンは残業で眠い目をこじ開けて、釧路に話しかける。
「ええ、亜人……あの可愛いケモ耳少女が居ると考えると……。」
釧路は普段のクールな表情を崩してニヤニヤしている。
「えぇ……キモッ。」
クリーンは引き気味だ。
「おぉい!キモいとはなんだぁッ!」
釧路はニヤニヤしていた顔をキリッと引きしめ、激怒する。
「え……すまん……。」
「すいませんね。取り乱してしまいました。」
(取り乱し過ぎだろ……。)
クリーンは心の中でツッコミを入れる。
「国交を締結したし、1年くらいしたら会えるんじゃない?」
「ほ、ほ、ほ、本当ですか!?」
「嗚呼、犯罪を犯す訳では無いしな。」
「ヤッタァァァァァァァァァァァッ!!!」
釧路は目を見開き、狂気乱舞した。
その奇声に護衛兵が襲撃されたと勘違いし、6人の完全武装部隊が突入して来るのはまだ知らなかった。
おしまい…。