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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
8/42

第8話 第2試験艦隊の受難

20XX年 4月13日 太平洋


ザァーーーーーーーーーッ


試験艦「ミュール・ハウゼン」 CIC


「RRー67Sの発射まで3、2、1、0。発射ァ!」


シュシュシューーーーーーーン


主砲の200mm単装レールガンからM8.2で砲弾が発射される。


ドォォーーーーーーーーーーーン


巨大な水柱が標的艦を包む。


ザァーーーーーーーーーッ


水柱が収まった頃には標的艦は轟沈していた。


RRー67Sとは艦載型の新型レールガンなのだ。


飛距離や攻撃力等が向上されている。


プシューーーーーーーーッ


砲身を冷却する為、高速冷却システムが作動し、冷却スプレーが噴射される。


「砲身に異常なし。計画を続行。」


「ミュール・ハウゼン」は新たなレールガンを浮いている多数の標的艦に向ける。


ウィーーーン


「砲撃まで3、2、1、0。発射ァ!」


シュンシュンシュンシュンシュュューーン


160mmレールガンが連射される。


このレールガンの名はRRー44F。連射が可能なレールガンだ。


ただし、電力の消費が激しい為空母等の大型原子力搭載艦に搭載は限られる。


だが、「ミュール・ハウゼン」には無人充電艦による電力ケーブルが多数繋がれている為ものともしない。


ドォォーーーーーーーーーーーン


ドォォーーーーーーーーーーーン


ドォォーーーーーーーーーーーン


ドォォーーーーーーーーーーーン


一瞬にして多数の標的艦は轟沈する。


「よし、計画を終了。本艦を含める第2試験艦隊は帰投する。」


第2試験艦隊の艦隊司令のテュール・アブバロ中将はそういうとコーヒーを口にする。


ピッピッピッピッ


「レーダーに反応。大型の生物らしきものが向かってきます。」


レーダー士の言葉で艦内は緊張に包まれる。


ザザバババァァァーーーーーーーーーーーン


海中から突然現れたのは巨大な鯨だった。体長は1000mをゆうに超えているだろうか。そして、巨大な眼球、強固な鱗、強靭な歯。これはもはや鯨では無い。


「なんだありゃ……?」


テュールはコーヒーをテーブルに置き、立ち上がる。


ギャアアアアーーーーーーーーーーーーーーッ


巨大な鯨は咆哮を上げる。


その衝撃波は第2試験艦隊にも伝わる。


「くそ、艦が大きく揺れるとは……なんて力のやつだ!」


巨大な鯨は尚も咆哮を上げている。


「全艦攻撃、出し惜しみはするな!そして、軍の増援もだ!」


テュールはそういうと椅子に倒れ込むように座る。


そして、カッと目を見開く。


「攻撃まで3、2、1。全門射撃だぁ!」


シュシュシュシュシュシュシューーーーン


砲弾は真っ直ぐ巨大な鯨へ向かう。


ドドドドドドドドドドドドォォォォォーーーーン


砲弾は巨大な鯨の鱗に突き刺さる。


ギャアアアアーーーーーーーーーーーーーーッ


「効いているな、第2次攻撃!隙を与えるなぁ!」


シュシュシュシュシューーン


シュシュシュシューーーーーン


シュシュシューーーーーーン


レールガンの砲身は冷却スプレーにより冷却されているが度重なる連続射撃により、オーバーヒートしかけている。


「まもなく、充電艦の電力が切れます!」


機関士が叫ぶ。


「なんだと?だが、辞める訳には行かない。殺られる前に殺らなくては……。充電が切れるまで射撃しろ!」


シュシュシューーーーーーーン


レールガンは射撃を続ける。


ギャアアアアーーーーーーーーーーーーーーーッ


巨大な鯨はその巨大な体躯を仰け反らせ、海中に入る。


「逃げられたか!いや……。」


巨大な鯨は海中に入ったかと思うとプカプカと浮いていた。


「倒したのか……?」


兵の1人が呟く。


「「「「ウォーーーッ!」」」」


雄叫びが艦内を包む。


(危なかった。充電艦と補給艦の支援により成り立つ勝利だ。もし、我が艦単体であれば撃沈されていただろう。)


テュールは顎に手をやり、1人考えていた。


ピッピッピッピッ


「レーダーに反応。航空機を確認。ホログラムに投影します。」


ヴォン


ホログラムに映し出されていたのは奇妙な形の航空機だった。


複葉機に見えるが翼が様々な方向に曲がり、パッと見ただけではよく分からない。


航空力学を無視した設計が成されているのだった。


「なんだあの形は?一体何翼機なのだ?」


テュールは首を傾げた。


それは、他の兵も同じであった。



コース亜人連合国空軍 第23飛行隊



ブロロロロロロロロロロロロ


コース亜人連合国空軍のエースパイロットの集まりである第23飛行隊の隊長であるサルクック・メルバロ少佐は眼下に起こった出来事に目を見張っていた。


「サイドファイスを倒すとは……。一体何者なんだ……?」


サイドファイス……。それは、伝説の魔獣として扱われている魔獣だ。


サイドファイスが沿岸に現れば、津波が襲う。船の付近に現れば、即沈没してしまう。幾ら魔法攻撃をしても通じず、1度攻撃をされた相手を殺すまで追撃してくる。


そんな化け物を倒す船を見て、サルムルックは驚愕していた。


バババババババババ


「なんだ?」


突如第23飛行隊に接近してきたのは地球連邦国軍の無人ヘリである3機のMQー13 フォルトスカイだ。


ステルス性と高速性やミサイル等も搭載可能である無人ヘリだ。


大きさは3m程しかない。


だが、発揮する能力は有人機を超えるとまで言われている。


『ザ……ザザ……こちらは、地球連邦国海軍 第2試験艦隊である。貴機らに告ぐ、こちらは我が国の領空である。繰り返す……。』


突如現れた謎の羽虫はスピーカーを使い、警告を発してきた。


「ど、どういうことだ?」


MQー13は見事にサルクック機にピッタリと付いてくる。


(しょうがない……言ってみるか……?)


「こちらは!コース亜人連合国!空軍所属の!第23飛行隊である!」


サルムルックは相手に聞こえるように叫ぶ。


『……ザザ……了解した。』


羽虫は突如現れた後、さっさと帰っていった。


バババババババババ


だが、それで終わりではなかった。


バババババババババ


「こ、今度はなんだ?」


そこに現れたのは2機のSー97だった。


『こちら、地球連邦国海軍 第2試験艦隊である。貴隊に基地へ案内を願う。貴国との接触を求む。』


スピーカーにより伝えられた突然の事にサルムルックは戸惑う。


「り、了解!こっちについて来い!」


サルムルックは頭を押さえながら言う。


『了解した。』



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