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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
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第38話 フィフススを統べる者 

マーク歴 9850年 9月11日 フィフスス同盟圏 首都 タッカールイズ



ここは、フィフスス同盟圏の首都であるタッカールイズで魔導科学により、栄華を誇るフィフスス同盟圏の内、最も栄華を誇っている地域だ。


その中で細長い枝のような近未来的な超高層建築物が天まで届く勢いで伸びていた。


その建築物は魔室…魔導科学最高統括主任執務室と言おうか。


この国トップである魔導科学最高統括主任…通称、魔王と称されている者がこの超高層建築物に居た。


「後、2年か…。我々は旧コール人兵器により、飛ばされた恨みをここで晴らす時が来た。時空転移装置もまだ発展途上であるが、あの惑星にとっては未知の存在であろう。」


魔王であるコンパス・コールは前に敬礼する4人の部下に向けて、目を細めながら言う。


「ハッ!未開の蛮族共が偶然、古代兵器を起動したことには驚きでしたが、奴らはもう、その兵器の使い方を知っていません。」


魔王に使えるフィフスス同盟圏内でトップの成績を誇る4人衆の1人であるサッチェル・パールは、敬礼を崩さず言った。


「ハハハッ…そうであるな。だが、その未開の蛮族共の話なのだが、最近…例の転移現象による転移であの惑星に転移したチキュウ連邦国と言う国家なのだが、その国家が我々と同等な科学技術を持ち合わせているのだ。」


「…そ、それは…!」


サッチェルは驚愕の表情を浮かべた。


「サッチェルよ。情報収集が甘いぞ?」


4人衆の1人であるマット・メンガーはため息を吐きながら言う。


「閣下、チキュウ連邦国はエビデンス共和国と同じように銃を開発しています。それも、火薬を使用するチキュウ連邦国と魔法を使用するエビデンス共和国では大きな差がありますが、それ程警戒する必要はありません。しかし、チキュウ連邦国は我々を脅かす国家です。」


「どこが脅かされるのだ?」


「チキュウ連邦国は撃破された我が軍の偵察隊によると、歩兵は人間とは思えない機動性と銃による射撃には撃ちこぼしが無い正確性、統率され、様々な作戦で攻撃してくるそうです。」


コンパスは目を見開いた。


「我々ではなし得ない事だな…。」


「その他にも戦車や装甲車、翼を回転させ、飛行する飛行機械が存在し、どちらも取るに足りませんが、正確性や機動性には驚いたの事です。」


「チキュウ連邦国は練度が高いのか…。だが、それは科学分野のみであろう?」


コンパスは目を細める。


「ご名答でございます。魔導分野は遅れをとっており、そもそもチキュウ連邦国自体が科学で発展してきた国家である為、我々にとっては赤子の手をひねるかの如くでしょう。


「だが、偵察部隊は殲滅されたというのはどう説明を取るのか?」


コンパスの言葉にマッドは身を震わせる。


「…ええ、それに関しては科学的分野において我々には開発段階である兵器が多数存在していたことが挙げられます。」


「例えば?」


コンパスはドスの効いた声を出す。


「…た、例えば我々側呼称の『電力加速砲』です。」


「『電力加速砲』?」


「『電力加速砲』とは大砲なのですが、その砲身が電気を帯び、そこから放たれる砲弾で大打撃を与える高威力兵器です。」


マッドはホログラムでレールガン『のようなもの』を映し出す。


「これは、我が国で開発していましたが、技術的問題と金銭的問題で開発中止になった『魔電電力加速砲』です。」


「これか…。『魔電電力加速砲』は開発出来れば中途半端な魔光砲よりも威力が高いとして軍内部でも評価が高かったからな。」


コンパスは顎に手をやる。


「偵察部隊の壊滅はそこかと。しかし、魔導ビーム砲であれば取るに足りません。偵察部隊は魔導ビーム砲すら、ろくに保有していませんでした。歩兵用のビーム銃も装備しておらず、余りに舐めすぎたということが敗因でしょう。」


「そうか、そうであれば通常戦闘で良いな。」


「ええ、エビデンスもチキュウも古代兵器でも出さない限り、善勝で戦闘は終わるでしょう。」


「クククク、わかった。各々、戦闘準備を引き続けろ。」


「「「「ハッ!!!!」」」」


4人衆は敬礼をしたのち、素早く去っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 地球連邦国 ジュネーヴ 最先端技術研究所



「こ、これは…素晴らしいッ!」


白衣を着込んだ男は目を見開き、歓喜する。


『そ、それ程か…?』


キャロスは首を傾げながら言う。


「嗚呼、当たり前だ。これ程の技術を持っていたなんて…。」


ここではキャロスが精神テクノロジー手術前に軍に配属されていた時の記憶を生かし、キャロスが覚えている限りの兵器のイラストと使用法を伝えていた。


『(流石に本物を作ることは出来ないが分解図と諸元だけで中身のメカを思いつくとは…。チキュウ連邦国は恐ろしい…。)』


何もキャロスは技術者ではない。ただの歩兵だったのだ。情報も軍学校で学んだ知識を一握り出したに過ぎない。


少ない情報源で中身のメカを考えつく技術者に驚きを隠せなかったのだ。


キャロスが伝えた軍時代の兵器は以下の通りだ。



U24 指向性ビーム小銃



引き金は脳に埋め込まれた多用途マイクロチップにより、自由に発射可能。


コール兵器の1秒に15発発射可能の高レートパルスレーザー銃を参考にしている。


原案は素材は惑星コールに存在した鉱石のカルマンフィルスから作られる。


パルスレーザー弾は指向性レーザー兵器からインスピレーションを受けている為、地球連邦国でも開発可能。


弾の補給に関しては電力で補う。銃本体に取り付けられている各所小型自然エネルギー発電機で電力補給可能であるが、戦闘では電力マガジンを用いる場合が多い。



MGJ65指向性エネルギー放出散弾銃



脳内操作マイクロチップで操作可能である指向性ビーム兵器とは違い、指向性エネルギー放出型の兵器である。


強力なエネルギー放出を行い、その威力は105mmライフル砲に匹敵すると言われている。


コール兵器のNL56波動パルス散弾銃を参考にしている。





H35 電磁手榴弾



脳内操作マイクロチップで自由に爆破可能。


装備されているピンを抜くことでも可能。


爆破した際は強力な電磁波を発生させ、専用の電磁波防衛バリアを展開しなければ回避不可能。


機械であれば一瞬で廃棄物と化し、兵士であれば黒く焦げ、灰となる凶悪兵器。


この兵器は強力な電磁波を発生させる電磁波発生装置の小型が肝となる。


原案はパルス波動レーザー手榴弾を参考している。


これは、パルス波動レーザー手榴弾の名の通り、起爆した際にパルス波動レーザーを放出し、波動を起こす凶悪兵器だ。



HYV指向性ビーム拳銃



作動メカは指向性ビーム小銃と同じ。



MGP2連装戦車



その名の通り140mm2連装指向性ビーム砲を搭載している。


乗員は1名で脳内で指示を出す。


その他の武装はMPA指向性ビーム機関銃が2門搭載されている。


基本的にはパルスレーザー小銃を基に開発されている。



現在計画中の地球連邦国独自メカのコール人兵器模倣兵器は以上である。



現状、キャロスが思い出したのは以上の4つだ。


その後もキャロスは研究所に篭り、軍時代の記憶を蘇らせた。


彼女が思い出したコール人の兵器とは如何に…?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


フィフスス同盟圏 首都 タッカールイズ 魔室



4人衆が帰った後、コンパス・コールは朱色に染まった空を見ていた。


「我が国の発展は素晴らしい…。見渡す限りの高層建築物、眼下に広がる奴隷のように働く民…素晴らしい。これこそ、私の理想郷だ。体を変えた意味がある。」


コンパスが漏らした「体を変えた意味がある」と言う言葉。


これには、意味があるのだ。


コンパスは元々精神テクノロジー手術を受ける前は人間であった。


その後、精神テクノロジー手術を受けた後、肉体が恋しくなったのだ。


あの不自由な肉体を求めていた。意識体では感じることの出来ない感覚を取り戻したかったのだった。


その為、遠くの惑星に居た魔法を用いる魔族という種族に乗り移り、顔も醜悪な顔から自分自身の顔に創り変えたのだった。


「あと2年…待ち遠しい…。私が勝利したらまた、奴が来るか…キャロス…言うだけで反吐が出る…。」


コンパスはそう言って、吐き捨てた。



なんか最後、如何に…?みたいになってますけど、それはフィフスス同盟圏との戦いで出す予定なのですみません。この小説を見てるのは極小数ですが…w

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