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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
37/42

第37話 キャロスの正体 

駄作に駄文とか最悪のダブルパンチ。直していきます…。もし、この前書きがなくなったら、直せたと言うことですね(^∇^)

20XY年 9月11日 地球連邦国 大統領官邸



ワシントンD.C.の襲来で官邸は忙しかったが、官邸内の執務室ではキャロスが現れた為、一時作業を中断していた。


「で、アンタはこの襲来をフィフスス同盟圏によるものだと…言うのですか?」


『…ん?…嗚呼、間違い無い。』


キャロスは言い切った。


「何か考えていたのか?」


『え…あ…言っても驚くなよ?』


キャロスは不安そうな顔をして言う。


「嗚呼、大丈夫だ。」


キャロスはすぅっと深呼吸をすると驚愕の一言を言った。





『フィフスス同盟圏を建国し、現に王についている者は私の弟なのだよ。』






「「ふぇぇぇぇぇッ!!!????」」


2人はそう言うと椅子から転げ落ちた。


キャロスはそういうと何処かへ消えていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



9月12日 ワシントンD.C. 第1核サイロ


ここは、宇宙攻撃兵器の開発に伴い、廃棄される予定であったが、もしもの際に宇宙攻撃兵器の代わりとして使用すると上層部が決定した為、廃棄はされずその代わりに規模の縮小が余儀なくされた。


「まさか、ワシントンD.C.の破棄をこの際に行うとは…。」


「そうだな。政府も考えたものだ。」


核サイロ職員達は緑色に点滅する核サイロ内を上目に見ながら言った。


ビービービービー


警報と赤い赤色ライトが第1核サイロを包む。


「発射まで、3、2、1。」


「発射。」


ガコン


発射口のゲートが開き、核ミサイルが放たれる。


その核ミサイルの名はBXー36K。2024年後半に開発された非常に取り回しがしやすい核兵器で、放射能の放出は極限まで抑えられ、爆発は最大限まで引き上げられた小型核のBXー12Uを搭載している。


ゴォォォーーーーッ


飛翔していく核ミサイルはまるで、流星のようだった。


「コース、オールグリーン。ワシントンD.C.へ冥福を祈る。」


形だけでも職員達は手を合わせた。


ワシントンD.C.から1km地点



黒いローブの男は悠々と上空を飛行していた。


自分の命がもうすぐ刈り取られる事を知らずに…。


男だけが残された雲ひとつない晴天の空で男は呟いた。


「クククク、流石人類種だな。我々が見なかった間に少しは知恵をつけたようだな…。」


男は笑う。


「これから、帰るとすr…。」


ゴォォォーーーーッ


死を伝える音が男の鼓膜をつんざいた。


ドォォォォォォォォォォォォォン


巨大なキノコ雲が形成され、爆風により、辛うじて残っていたワシントンD.C.の高層ビル群も倒壊し始める。


地球連邦国戦略ロケット軍ワシントンD.C.基地に配備されていた地下核サイロによる小型核を弾頭とした核ミサイルにより、男とワシントンD.C.は消滅した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 地球連邦国 大統領官邸



「ワシントンD.C.とフィフススの送り人は無事、消せたようだな。」


「嗚呼、ワシントンD.C.はもはや、国際貿易センタービルしか残っていない。しかも、その役割も他都市に建設された新型国際貿易センタービルにより、役目を終える。旧アメリカの首都とは思えないな。」




彼等が言ったようにワシントンD.C.は近年、人口流出や経済衰退が激しく、国からも見切りをつけられていたのだ。


ワシントンD.C.を代表する国際貿易センタービルですら、上記に記した他都市に建設された新型国際貿易センタービルにより、役目を終えるのだった。


そして、ワシントンD.C.襲撃の死傷者は合計1万人。1万人程度であれば問題はないのだ。


「ワシントンD.C.の処分は最終的に核ミサイルでの殲滅。これで終わった。」


クリーンは安堵していた。


「クシロ、例の兵器の開発は順調か?」


クリーンは話を変えて、釧路に話しかける。


「嗚呼、『BW計画』は順調だ。」


「『Big Weapon plan』…直球過ぎる名前だがな。」


クリーンは苦笑しながら言う。


「『超兵器』を我々は開発しなければフィフスス同盟圏に負ける。キャロスも言っていただろう。我々と技術はどっこいどっこいだと…。」


釧路は目を細めながら言った。


「重々承知しているさ。しかし…それにk。」


ピコンピコンピコン


軽快な通知音が木霊する。


「何の用だ?カットーソン司令。」


ホログラムで現れたのは宇宙軍最高司令官であるマイケル・カットーソン大将だった。


『緊急の用でして。たった今、12万光年先に時空間を侵食していることがわかりました。』


「時空間を侵食?」


『ええ、時空を侵食させ、他の時空へのワームホールを作ることでワープのような事が可能と理論上では立てられています。』


「ほぅ…それと何の関係があるのだ?」


『そこなのですが、その時空侵食位置がバッチリとこの惑星に繋がる予測がスパコンで立てられました。』


「スパコンか…一応頭に入れておこう。警戒態勢は?」


クリーンは顎をさする。


『完璧です。』


カットーソンは自慢げに答えた。


「分かった。他に判明したことなど随時報告せよ。」


『ハッ!』


カットーソンは素早く敬礼をした。


カットーソンとの通信が切れた後に2人は言った。





「「キャロスの続きの話が聞きたいなぁ…。」」




2人はそう言いながらテゥイータァイムに興じていた。


『す、済まない…昨日は…。』


キャロスはすすっと現れた。


「別にええて。俺らも待っとった。」


釧路が突如、関西弁を喋る。


「え、クシロ…なにその口調…?」


「あ、すまん。故郷の言葉が出ちまったわ。」


釧路はテヘッと舌を出す。


『キモッ…。』


「うぉぉぉぉぉいッ!!何、言っとんじゃい!貴様、舐めとんか!?ああ!?何か言えやぁぁ!」


釧路の突然の気迫にキャロスとクリーンは凍りつく。


「す…すまんわ…。」


釧路は土下座して謝る。


「この通りですッ!」


しかし、釧路の謝罪も虚しく、クリーンは会話を昨日の話に戻す。


「そう言えばだが、何故キャロスは昨日、去ったのだ?」


『それは申し訳ない。情けなくなってしまってな…。』


キャロスは悲しそうな顔をする。


「そこに関してはもうどうでも良い。キャロスがフィフスス同盟圏のトップの家族だということに関して聞きたいのだ。」


『わかった。では話そう。まず、我々コール人は元々コールという惑星に住んでいた。貴国が転移した地球から約98万光年先にあったと思う。』


「約98万光年…!?ちょっと待って!」


釧路は何かに気がついたように床から飛び起き、パソコンを開く。


タッタッタッタッタッタッ


電子キーボードのタップ音が鳴り響く。


「私は天文学を学んでいてな。6年前は学者だったんだぞ。教授もやっていたし、ガッポガッポだったなぁ…。」


釧路は無駄口も叩きながら、狂ったように指を動かす。


『そ、そうなのか!?知らなかった…。』


キャロスは驚いたような顔をする。


「よし、あった!『KNS4564』…多分これがキャロスが居た故郷の惑星でしょう?」


釧路はパソコンの画面を空中に投影する。


『こ、これだ!な、何故知っているのだ?』


「これには訳がありまして…。」


何故、地球連邦国が惑星コールのことを知っていたのか。それは13年前に遡る。


13年前、地球連邦国はまだ建国されておらず、旧地球国家群が地球を支配していた。


その中でもトップに君臨する国家であるアメリカ合衆国は宇宙開発に力を入れていたのだ。


その計画であるSLN計画には驚きのプランが盛り込まれていた。


『地球外生命体の拿捕』


アメリカ合衆国は宇宙人と接触していたが、その宇宙人に何かしらの事件が起こり、接触が絶たれていたのだ。


宇宙人とは地球人の調査と引き換えにそのテクノロジーを得ており、大事な取引相手であったのだ。


そこでアメリカ合衆国は必死で探した。


我々より、技術が上の生命体が住む星を。宇宙船を。


その際、約98万光年先に存在した惑星コールを発見した。


しかし、もう惑星コールはもぬけの殻であり、文明が存在していたことは判明していたが、高度生命体の存在は探知出来なかったのだ。


そこで、アメリカ合衆国はそのもぬけの殻である惑星コールに無人探査船を送ることに決定。


その際には新しく開発された超高出力イオンジェットエンジンを13基搭載した細長い探査船が送られたのだった。


これには64年かかるとされていた。


だが、未だ人類が開発不可能なオーバーテクノロジーも存在していることが確認されている為、損はなかった。


アメリカ合衆国はその吉報を待っていたのだ。


そして、無人探査船が宇宙空間を飛行してから63年。あと一年で到着し、新技術を回収できるということで政権交代していたが、後の大統領も期待していたのだ。


ところが、突然…無人探査船からの通信が途絶したのだ。


途絶前に探査をする為、積んでいた小型無人偵察船からの情報で何者かに撃墜されたことが判明した。


アメリカ合衆国はリアルタイムでどれ程の距離からも電波を中継できる超高出力電波を実用化しており、使用するのは10年に一回もとてつもない電力を使用する欠点がある。


アメリカ合衆国は驚愕した。ステルス化された船体と万が一の攻撃を回避する防衛レーザー砲と点火から0.1秒で加速可能なアフターバーナー、超高性能なレーダー。


これらを用いずに撃墜された事はアメリカにとっては驚愕の何物でもなかった。


そこで無人偵察船との通信も途絶し、望遠鏡での確認しか出来なくなってしまったのだ。


キャロスはこの事を聞いて驚愕した。


『ま、まさか…。まだ、非精神テクノロジー手術者が居たなんて…。』


「非精神テクノロジー手術者…?何ですかそれは?」


釧路は聞いたことのない言葉に首を傾げる。


『非精神テクノロジー手術とは、私のように元々は肉体であったが、手術により精神だけの生命体となる手術です。1万年前にその技術を確定していて…非精神テクノロジー手術者はもう既に絶滅していると思っていたが…まさか…居たとは…。』


「そうなのですか…。」


『まぁ…いい。それよりも私の弟について聞きたかったのだな?』


「嗚呼、勿論だ。」


『私の弟の名はコンパス・コールと言う。精神テクノロジー手術者にはコールと言う名字が与えられるのだ。彼は私と同じように9000年前に精神テクノロジー手術を受けた。』


「「9000年前に!?」」


クリーンと釧路は驚愕した。


『嗚呼、そうだ。それにより、私達は精神体となり様々なところを旅した。しかし、コンパスは突然…旅の途中で消えた。私はその時、焦った。精神体と言えど長距離テレパシーは成り立ての精神テクノロジー者では出来ず、20m内でしかテレパシーが出来ないのだ。私はもう、1万光年程ならばギリギリ可能だがな。』


「そ、それは…素晴らしい…。」


釧路はテレパシーという機器の要らない通信方法に目を輝かせる。


『そして、私がコンパスを探してから6690年。時は訪れた。私は遂に弟を探し出し、弟が惑星に居ることを知った。私が惑星に行くとそこには精神テクノロジー手術を受ける前の肉体の姿となったコンパスとその前で平伏す生命体の数々であったのだ。私は問うた。「何をしているのか?早く帰ろう。」と。すると、コンパスは言った。「帰るって?僕はもう、帰る場所などない。ここが僕の帰る場所だ。」私は辛かった。ようやく探し出したのに突き放されるとは思っても見なかった。』


クリーンと釧路は驚きを隠せない。


まさか、6000以上も探し続けていた肉親から突き放されるとは…。


それ程、苦しいことはないだろう。


『私はコンパスにはコンパスの生き方があるのだろうと。去った。それから1000年経ち、もう一度コンパスに会いに行った。すると、彼は高層建築物群に囲まれ、一際高い高層建築物に居た。「あれから2000年、どうなった?」私が聞くとコンパスは言った。「帰れ。」その一言で私は酷く驚いた。「もう、来るな。ここは、僕の世界だ。」コンパスの追い討ちに私は傷ついた。そして、私はコンパスから離れて、この世界を統治するコンパスの影響を見たく、色々なところを周った。』


『すると、都市と思われる場所には人々が機械のように冷徹で目は何処か虚な表情で日々を暮らし、荒れた大地に住む人は肉体的に精神的にボロボロになりながら、日々の仕事を全うしていた。こんなのがあり得るはずがない!私は思い、コンパスに伝えようと思った。』


「しかし、聞き入れられなかったと…?」


釧路はパソコン片手に言う。


『そうだ…。私に帰れと言ったコンパスの目は私を見ておらず、何か遠くのものを見ていた。私の事など眼中になかったのだ。私は去った。精神体となったコール人は何処かこの大宇宙に旅立ち、友人などいない。私はこの大宇宙の中で警察をやることにした。』


キャロスの言った『警察』とは彼女は精神体である為、人々の感情は流れるように毎日流れ込む。それを察知し、その感情を発信した者へ向かい、諭すのだ。


『その後、1000年が経ち、再びコンパスの元へ訪れた。コンパスは惑星コールの技術を用いて、不老の技術で体を改造していた為、体は全く変わっていなかった。私がコンパスが統治するその世界を見た。その世界に住む人々は都市に住む人々から迫害され、感情が私に流れ込んだ。私は思った。この腐り切った世界を立て直そうと。私は必死で探し出した高度生命体の力を借りて、惑星コールに存在していた兵器を輸送し、投下した。コンパスには隠して。その使用方法も私が軍にいた頃に耳にタコが出来るほど教えられていたのでいとも簡単に教えられた。それで軍事クーデターを起こし、コンパスの創り出した国家であるフィフスス同盟圏は都市を時空転移装置で転移させ、何処か遠くの惑星へ転移した。これが、フィフスス同盟圏の実情だ。わかってくれたかな?』


その長話に2人は聞き入っていた。


「嗚呼、これで我々も対策が立てやすくなる。この話をした後で申し訳ないが、軍にいた頃の兵器について教えてもらえないか?」


『嗚呼、覚えている範囲であれば幾らでも教えられるぞ。』


「ちなみに高度生命体の力は借りれないのか?」


『もう、1000年前のことだ。もう、わからない…。』


彼等3人はフィフスス同盟圏に向けて奮闘するのであった。



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