表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
33/42

第33話 激化する襲来

20XY年 8月14日 地球連邦国 テキサス州 ガルベストン大型造船所



ここは、戦艦からミサイル艇まで様々な艦艇を超ハイスピードで建造可能な造船所だ。


今日もガルベストン大型造船所では合計600ドッグをフルで使い、工事音が木霊していた。


カァァァァンギィィィィィンシュルルルルルン



造船所制御室



「カメット級駆逐艦6隻、チャレンジャー級巡洋艦8隻の注水を開始。」


今日だけで14隻も完成したようだ。


では何故、これ程の造船能力を持てたのかというと98%の作業員は作業用ロボットという事だ。


大型から超小型までの作業用ロボットが配備されており、人間が行うよりも高速で効率良く作業を行うからだ。


20XY年現在では造船所の作業用ロボットの配備が進められており、ガルベストン大型造船所がこれに大きく賛同した為、試験的に作業用ロボットの大量運用をしていたのだった。


「同時注水を開始。」


制御室員により、12隻の同時注水を開始する。


ザバァァァァァァァーーン


「注水完了。進水開始。」


ザバァァァァァァァーーン


12隻の艦艇が大西洋に横滑りで投下される。


普通であれば進水式を行うのだが、フィフスス同盟圏の機密漏洩防止の為、進水式は行われなかったのだ。


「進水完了。乗員乗艦開始。」


進水した12隻の艦艇に1隻ずつ小型高速輸送艇が乗員を乗艦させる為、高速で向かう。


ザバァァーーン


乗員は次々と艦に乗り込み、エンジンを起動させる。


「乗員、乗艦を確認。」


制御室員はそういうとタッチパネルを操作する。


「第1地下ゲート開口。」


ゴゴゴゴゴゴッ


すると、ガルベストン大型造船所の正面に建設されていたガルベストン第1大型人工島に擬態していたカモフラージュゲートが開く。


ザァァァァァーーーン


12隻の艦艇は一斉に開口したゲートの中に入っていく。


今回を含み、ガルベストン第1大型人工島には総勢65隻もの艦艇が主要されており、主に巡洋艦や駆逐艦等の中型艦や小型艦を中心としている。


乗員の休養は完璧に整えられており、娯楽室や食堂、小売店、食料品店も建設されている。


ゴゴゴゴゴゴッ


ゲートが静かに閉まる。


「収容完了を確認。」


制御室員はマイクを外すと椅子に背を預け、目を閉じる。


「ふわぁ…少し寝るか。」


制御室員は深い眠りへと落ちていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 トロント 中央大通り



電気自動車が群を成して、道路を走行している。


そして、中央通りの側に乱立する高層ビル群の中で一際異彩を放っているのはトロント大型電波塔だ。


この電波塔は現在主流となっている5Gの高速通信を担う電波塔だ。


電波衛星と接続し、強力な電波を発することが可能なトロント市民には必要不可欠となっているトロント大型電波塔に魔の手が迫っていた。


市民達はいつも通り、大通りの歩行者専用レーンを歩いていた。


ドォォォォォォォーーーーン


電波塔が突如、爆発した。


市民達の悲鳴と爆炎が電波塔を包む。


ジュイイイイイイーーン


警備ドローンが何十機と飛び交う。


ファンファンファンファン


何十台ものパトカーがサイレンを鳴らし、AIによる走行アシスト装置により、高速かつ迅速に電波塔に到着する。


『(危うい…これ程の捜索規模であれば見つかる…ッ!)』


白いローブを着た男は焦りながら、その場を立ち去った。


ジュイイイイイイーーン


そんな彼も擬態魔法により、安心しきっていた最中、彼に悪魔の音が響く。


警備ドローンだった。


『貴様の姿は見えている。直ちに投降しろ!繰り返す…。』


スピーカーから響くその声は彼を驚愕させた。


『(何故バレている…?…くそ!爆裂魔法、エクスプロージョン!)』


ドォォォォォォォーーーン


彼は手から細かい火球を生み出し、警備ドローンを爆散させた。


これにより、サーモグラフィーによる彼の捜索には時間がかかる事となった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 大統領官邸



「なに!トロントが攻撃されただと!?」


クリーンは目を見開いている。


「嗚呼、まだ何処の奴らかはわかっていないが、おそらく…フィフスス同盟圏だろう。」


釧路は頭を抱えた。


「おそらくそうだな。今のところはトロントだけか?」


「嗚呼、トロントだけだ。だが、他の都市が攻撃される可能性は否定出来ない。」


釧路はそういうと窓の外を見た。


空は真っ赤に染まっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

同時刻 横浜 みなとみらい宇宙基地



ここは、関東三大都市でとして数えられる巨大都市で、発展は凄まじかった。


そして、かつてみなとみらい21が建設されていたが、その後の発展により、みなとみらい地区として変わり、様々な施設が置かれていた。


宇宙基地という形でありながら、観光施設としても利用されているみなとみらい宇宙基地は市民の拠り所となっていた。


その中でも目立つのは、宇宙センターと接続されている宇宙エレベーターだ。


スペースデブリを撃墜する専用防衛システムや万が一、スペースデブリが当たっても無傷な強固なチューブ、その中を真空で高速に上昇可能なハイパーチューブにより、みなとみらい宇宙エレベーターは安全に保たれていたのだった。


ドォォォォォォォーーーン


宇宙エレベーターチューブが爆発する。


観光していた市民から悲鳴が木霊する。


「こちら、第568警備隊ッ!宇宙エレベーターの攻撃を確認ッ!市民の退避を行う。」


『了解、直ちに行え。』


警備隊は次々と護送トラックに市民を乗せ、みなとみらい宇宙基地外へ輸送する。



みなとみらい宇宙基地司令部



「一体、何が起きているんだ…。」


みなとみらい宇宙基地司令官である狩野 彰人中将は次々と飛び交う被害報告に頭を抱える。


「ですが、無傷なのが救いですが。」


副司令であるジョン・ホール少将は、コーヒーを口にする。


宇宙エレベーターのチューブは極めて強固であり、核兵器を用いても断裂まで破壊する事は不可能な為、専用の分解システムを用いなければいけない程だ。


「直ちにドローンに警備ロボット、戦車、ヘリ部隊の派遣を開始。我々を攻撃した事を後悔させてやる!」


狩野は拳を突き上げた。



みなとみらい宇宙エレベーター前



宇宙エレベーター前には100名ものXM8を構えた地球連邦兵と警備ロボットが破壊させんと警備していた。


他にも宇宙基地から総動員され、戦車や装甲車、攻撃ヘリも動員されていた。


『(エクスプロージョンでも破壊されないとは…。転移魔法により、魔力は消費されているがこれ程とはな…。)』


紺のローブを着た男は擬態魔法で宇宙エレベーター前を見ていた。


『(ウィンディーインパクトッ!)』


彼の詠唱により、エレベーター前に待機していた地球連邦兵と警備ロボットが吹き飛ぶ。


だが、待機していたレオパルト3には効かなかったようだ。


ドォォーーンドォーーンドォォーーン


攻撃が行われた方向へ、レーダーを搭載したスポットレーダー弾が発射される。


パァァァンパァァァンパァァァン


スポットレーダー弾が散乱し、紺のローブの男の居場所が判明する。


ドォォーーンドォーーンドォォーーン


紺のローブの男が居た警備ビル上がクラスター弾により、砲撃される。


『痛ッ…くそ!』


紺のローブの男に子弾が命中し、緑色の液体が滴り落ちる。


『バリアを破るとは…何という貫通力…ッ!』


紺のローブの男は驚きを隠せなかった。


『このまま殺される訳にはいかない…スラッシュファイアッ!』


紺のローブの男が右腕を押さえながら詠唱する。


スパパパァァァァァーーーン


倒れた地球連邦兵と警備ロボットは起き上がり、XM8を構え、射撃していた。


赤い光が地球連邦兵と警備ロボットの体を突き抜ける。


ダダダダダダダダダッダダダダダ…


銃声が突如、止まる。


「うぐっ…。」


「ぎがっ…。」


地球連邦兵の胴体から鮮血が飛び出しながら倒れる。


バチバチチチィィッ


警備ロボットも胴体から漏電しながら、勢いよく倒れた。


『(こいつらは片付けた。ここを壊滅させるのはもう、短いかも知れんな。)』


紺のローブの男は跳躍し、みなとみらい宇宙基地を壊滅させる為、高速で向かった。


負傷した右腕は治癒魔法により、元通りになっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ