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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
30/42

第30話 新たなる襲来

20XY年 8月10日 地球連邦国 入間基地



「ふぅ、もう朝か…。」


松谷は簡易式ベッドから目覚める。


コンコン


誰かがドアをノックする。


「誰だ?」


「マーロンだ。」


ドアの向こうでマーロンだと言う人物が何やらガサゴソと何か作業をしながら言う。


「何をやっている?」


ガチャ


松谷がドアを開けるとマーロンがビニールに被された何かを持っていた。


「おはさん。ちょいとこれ。最先端技研からのプレゼントだってさ。部屋にあるBluetoothコードに繋げば出来る筈だ。」


マーロンはそういうと去っていった。


ガチャ


松谷はドアを閉め、部屋に戻る。


「なんだこれは…?」


松谷は被されていたビニールを外す。


「まさか…量子だと…!?」


マーロンが持ってきた物は量子パソコンだったのだ。


量子パソコンは、重ね合わせや量子もつれと言った量子力学的な現象を用いて従来のコンピュータでは現実的な時間や規模で解けなかった問題を解くことが期待されるコンピュータの事だ。


松谷はサイバー軍配属時は量子コンピュータの開発をサイバー軍や最先端技研にも頼んでいたのだった。


だが、当時は技術が追い付かないのもあり、開発ができていなかったのである。


「もう、量子の時代になるか…!」


松谷はそういうと眼球補正眼鏡を掛けながら、配属時からの夢である量子コンピュータを弄る事を叶えていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 コース亜人連合国 シャオル辺境 シャオル基地



ここは、地球連邦国による在外基地が置かれている地域でコース亜人連合国を守る重要な基地となっている。


戦車やロケット砲、自走榴弾砲や装甲車、戦闘機や輸送機も配備されているこの基地では重大な事件が起こっていた。


「ど、どうして死なないッ!」


1名の地球連邦国兵が周りに転がっている同僚の亡骸を横目で見ながら叫ぶ。


ダダダダダダダダダッ


XM8による射撃は相手には全く効いていない。


「うぉぉぉッ!ごふっ…!?」


地球連邦国兵が何か腹部が熱くなっていることに気づく。


「う、うわぁぁぁぁッ!」


なんと、腹部に大きな鋭い槍のような物が何本も刺さっていたのだ。


『終わりだ。死んでもらおうか。』


相手は不敵な笑みを浮かべる。


「く…ま、まだ死んじゃいねぇッ!!」


1名の地球連邦国兵はそういうと、最後の力を振り絞り、スタングレネードと手榴弾のダブルパンチをお見舞いする。


ドォォォォォォーーーーーーーーン


目を貫く閃光と爆音と爆発で相手は身を悶える。


『うぐ…ぐ……。』


既に、1名の地球連邦国兵は手榴弾により、息絶えていた。


『蛮族共にこんな小手先を使えるとは…侮れん。』


黒ずくめに包まれた人形の何かは6名の地球連邦国兵を串刺しにし、シャオル基地を壊滅させる為に進むのだった。



司令部



「な、なんだと…何が起きているんだッ!」


基地司令であるカッティル・ルーカスは目を見開いている。


「この黒ずくめの奴が敵対という事はわかっています。直ちに攻撃を行わなければいけません。」


副司令はコーヒーを口にしながら言う。


「嗚呼、直ちに攻撃を開始せよ!」


カッティルの言葉で基地は攻撃態勢へと移行した。



第4監視塔 制御室



無人で外部からの侵入や内部からの反乱や奇襲に対して運営されている第4監視塔の地下に存在する制御室では5名の軍人が勤務していた。


「黒ずくめの奴はどこにいるんだ…?」


奇襲を受け、攻撃態勢となったシャオル基地では各監視塔が情報を共有し、無人機を用いた監視体制で捜索していた。


ピコンピコンピコン


「発見!直ちに攻撃せよ!」


流石の黒ずくめの人型の何かでも高感度センサーや完璧な監視体制の中を潜る事は出来なかったようだ。


「撃てぇっ!」


ガガガガァァァァァーーーーン


ドォォォォォォォーーーン


ダダダダダダダダダッ


捜索していた歩兵部隊や上空を周回していた無人機部隊、各監視塔からの一斉攻撃が行われる。


シャルルルルルルルルゥン


ウィーーーン


サァァァァーーッ


各部隊は一斉に攻撃を停止する。


「やったか!?」


シュン


空気を切る音と共に無人機部隊が次々と撃墜されていく。


ドォォォォォォォーーーンドォォーーン


「な、何故やられない!?」


軍人達は衝撃の光景を見て、唖然とする。


「うぐっ!」


「ぎがっ!」


歩兵部隊も次々と謎の黒い槍により、刺殺されていく。


ドォォォォォォォーーーン


「うわっ!」


歩兵部隊や無人機部隊が壊滅すると監視塔を黒ずくめの人型の何かは爆破していく。


「なんなんだこいつは!?」


制御室では皆脱出し、シェルターに退避する。


『監視塔の倒壊の危険性を警告。繰り返す…k。』


警告音が制御室で鳴り響く。


バタン


全員がシェルターに避難した直後に制御室は崩壊した監視塔により、押し潰された。



司令部



「…くそ!…やりたくはなかったが…戦車部隊による攻撃を開始せよ!」


司令部では様々な被害報告で阿鼻叫喚であった。



第564戦車部隊 隊長車 



ドゥルルルルルルルルン


13輌のレオパルト3が黒ずくめの人型の何かを殲滅せんと全速力で向かう。


「戦車砲でやられなければ、この基地は放棄しなければいけない可能性も出てくるな…。」


第564戦車部隊長である鹿島 小平1等陸佐は顎に手を当てながら言う。


ピコンピコンピコン


「ここか!」


鹿島はレオパルト3を勢いよく操縦していく。


「全輌、攻撃開始ィ!」


鹿島の言葉で徹甲弾を装填したレオパルト3、13輌が一斉に攻撃を開始する。


ドォンドォンドォンドォンドォン


ドォンドォンドォンドォンドォン


「これで倒れてくれよッ!」


サァァァァーーッ


硝煙が晴れた後には息絶えた分裂した黒ずくめの人型の何かが散っていた。


「…よし!やったか!」


鹿島率いる第564戦車部隊は帰投するのだった。



司令部



「よし!流石戦車だな…!」


カルティルは笑う。


「こ…これは!!」


「どうしたんだ副司令よ。」


副司令は目を見開いている。


「奴の残骸を見て何かあったのか?」


カルティルは副司令が見ている黒ずくめの人型の何かが映っている映像を覗き見る。


「ま、まさか!副司令…!」


「ええ、これは…。」




「「フィフスス同盟圏国旗…!」」




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