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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
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第3話 会見

20XX年 4月10日 ジュネーブ 大統領官邸 第1会見室


ザワザワザワ


この広大な会見室に5社のテレビ局の記者とネットニュース社が4社集合していた。


プシュー


ドアの外からSPに連れられ、クリーンが現れた。


「どうも皆さん、おはようございます。」


クリーンは静かに挨拶を述べる。


「これより、国民の皆様にお伝えしたいことが幾つかあります。」


いよいよ来たかと記者達は構える。


「それは、我が国は異なる世界へと転移してしまいました。」


ザワザワザワ


記者達はポカーンと口を開けている。


「驚く事も無理はないでしょう。昨日、GPSが圏外になったことはご存知でしょうか。」


当たり前だと言わんばかりに記者達はクリーンに目を向ける。


「その時点で突如、月面基地と人工衛星との接続が途切れたのです。その為、地球連邦国軍は簡易人工衛星を打ち上げたということです。現在も月面基地と人工衛星との通信は復旧しておらず、簡易人工衛星の調査で太陽系では無い世界が広がっていました。我が国が転移した場所は地球の5倍の大きさの惑星で、我々はこの惑星を『ルクア』と呼称しております。そして、酸素濃度は少し高いですが、重力や様々な環境に関してはほぼ全て地球と同じです。」


記者達は困惑した表情を浮かべている。


「しかも、この惑星に転移してから言語の壁が無くなりました。例えば……アジア日報の方々は母国語を喋って隣の記者に話しかけてみてください。」


「は、はい。アジア日報の橋崎なんですけど、通じて…いる!?」


アジア日報の記者である橋崎は日本語を喋ったのに自然と英語を喋っているような奇妙な感覚に陥る。


「これで本日の会見は終了です。明日の7:00から第2回の記者会見を行います。」


クリーンはそういうと早々と去っていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 シュメール王国 カビロン辺境



ここは、シュメール王国の辺境であるカビロン辺境だ。


海に面しており、海軍の一大軍港となっていた。


ゴォォーーーーーーーーーーーッ


その海域を13機のMig-41Fが爆音を奏でて飛行していた。


Mig-41Fは統一前にロシアが開発していた第6世代ジェット戦闘機で平べったく、鋭い胴体に下半角の付いた後退翼、垂直尾翼は廃止されており、有るのは15度上向きになっている鋭く、長く、広面積の水平尾翼であった。


この機はMigシリーズの最高峰に位置する戦闘機だ。


「こちら、第688飛行隊。フィフリート1、これよりブラックメートル作戦を開始する。」


こう言うのは第688飛行隊長であるモルガン・アデレード少佐だ。


〈MQー58Hの投下地点です。〉


搭載AIが指示を出す。


「MQー58Hを投下せよ。」


隊員は了解の了も言わないが隊員は素早く無人小型攻撃機であるMQー58Hを投下する。


MQー58Hとは無人自律攻撃型機であるMQー58シリーズの最新型である。


搭載している高性能AIにより、飛行と攻撃を統制することが可能だが、最終的な攻撃や飛行は搭載有人機に任せられる。


バシューーーーンッ


MQー58Hが次々と投下されていく。


ゴォォーーーーーーーーーーーッ


26機のMQー58Hが爆音を奏でて、空対地攻撃を仕掛ける。


「うわぁぁ!!」


ガガガガガガガッ


シュメール王国兵は配備されている対空砲を操作し、MQー58Hを迎え撃つ。


バシューーーーンッバシューーーーンッ


MQー58Hは無慈悲にも対地ミサイルのAGMー98 シューベルを発射する。


ドォォーーーーーーンッドォォーーーーーーンッ


AGMー98の洗礼を受け、対空砲は沈黙する。


「こいつの役目は凄いねぇ。」


モルガンはMQー58Hの能力に感嘆する。


バシューーーーンッバシューーーーンッ


MQー58Hの搭載ミサイルは早々と消費してしまった為、Migー41Fに搭載しているAGMー98を発射する。


ドォォーーーーーーンッドォォーーーーーーンッ


「だが、戦場は人が活躍しないと面白くないよ…。」


モルガンはニヤリと笑った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



アジア州 太平洋




ゴォォーーーーーーーーーーーッ


大西洋に加えて、太平洋にも爆音を奏でている鋼鉄の鳥がいた。


14機のFー3Fが飛行していた。


この機は統一前に旧日本で配備されていた第6世代ジェット戦闘機だ。


統一前は日本国特有の国防及び防衛費の少なさで開発が遅延していたが、統一後に地球連邦国統合アジア軍が目をつけたのだ。


統一後に創設されたアジア防衛の要である統合アジア軍最強の戦闘機で地球連邦国軍でも最強との呼び声の高い機体だ。


そもそもであるが、地球連邦国軍を分けると主に3つに分けることができる。


地球連邦国軍、地球連邦国統合軍、地球連邦国戦略軍、地球連邦国隠密機動軍の4つだ。


地球連邦国軍は正規軍で、地球連邦国統合軍とは各州(アジア州やヨーロッパ州等)に置かれる防衛軍のような役割を果たす軍隊だ。

規模こそ少ないが精鋭揃いだ。地球連邦国戦略軍は地球連邦国軍の中に数えられる場合が殆どであるが、地球連邦軍よりも迅速に活動可能な海兵隊のような役割を果たしている。


これが、地球連邦国軍の内訳である。


統合アジア軍とはその名の通り、地球連邦国統合軍のアジア州に置かれた防衛軍の事だ。


統合アジア軍は統合軍屈指の航空屋で航空機の配備数は地上兵器を余裕で超える。


ゴォォーーーーーーーーーーーッ


その航空屋の名の通りで統合アジア軍最新の第5.5世代ジェット戦闘機であるFー3Fは正規軍のMigー41Fと互角に戦闘が可能と言われている。


演習ではFー3Fのキルコールが席巻するが、実際はどうなのかは分からないが。


そんなFー3Fを率いる第223飛行隊長である上江 勝1等空佐は太平洋警備の為、飛行していた。


と言うよりも実はそれは表向きであった。


「よし、偵察を開始する。」


上江は静かに言う。


彼等の目的は新たな新国家との接触だった。


シュメール王国に関しては今のところは全く危惧していない。


そして、地球連邦国単体でも国家を存続させることは容易であるが、この世界は謎だらけだ。


その為、諜報のみの情報ではなく、他国と国交を結ぶことで更なる情報の会得を獲得しようとしていた。


だが、度重なる諜報活動で太平洋側にある国家の内訳はほぼ判明していた。


その中でも1番、内訳が判明していたのが統合アジア軍が配備されていた地域だったのだ。


その為、付近に居る精鋭である統合アジア軍が選ばれたのだ。


ゴォォーーーーーーーーーーーッ


ピッピッピッピッ


レーダーが反応を示す。


「各機、自由行動を許可する。」


すると、Fー3Fは各機別々に飛行し始めた。


ゴォォォーーーーッ


バラバラになると思いきや、陣形は崩れていない。


「さぁ、これが統合アジア軍の異世界国家との初接触か!」


上江は舌なめずりをする。


その顔は喜びに満ちていた。


ゴォォォーーーーッ


機のけたたましいジェットエンジン音は上江の意気込みを表しているかのようであった。





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