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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
26/42

第26話 衝突

ダルケル歴 461年 8月6日 シーズライン海沖



太平洋の隣に位置するシーズライン海の沖で謎の黒い影が発生していた。


その為、漁師からの報告を受け、第3文明圏の低文明国家であるマーティス王国海軍第3艦隊が派遣されていた。


第3艦隊 旗艦 「カーマル」 艦橋


ザァーーーーーーッ


「ふぅ、影か……何が起こっているのか……。」


第3艦隊司令であるチュール・カート中将は心地よい潮風を浴びながら言う。


「司令!例の影を発見しました!」


伝令兵がチュールに報告する。


「分かった。全艦戦闘用意!」


チュールの言葉に従い、戦列艦は一斉に弩を向ける。


「さぁ……どう出るか!?」


ササァァァァァァーーーーッ


すると、今まで色濃く覆っていた影が晴れる。


「ふ、船……?」


そこに現れたのは黒く、赤いラインが入ってる艦隊であった。


「列強の艦艇……か……?」


その艦隊は、第3文明圏の蒸気船等とは違う。


だが、チュールは見たことがあるような気がした。


「チキュウ連邦国……?」


それは、国際会議で現れた異様の艦隊であった。


チュールを含む第3艦隊は国際会議に参加しており、地球連邦国艦隊を見ていたのだった。


艦は灰色の配色で統一されていたが、黒色の可能性も否定出来ない。


しかし、そう考えると何故、地球連邦国の艦艇がここにいるのかということとなる。


「何故……?」


シュウゥゥゥゥゥゥーーーーッ


突然、影の艦隊が紅く光る。


ドォォォォォォォォォォォォーーーン


「うわぁ!!?」


第3艦隊が航行していた海面が爆ぜる。


「戦列艦「シュール」、「メカート」、「サール」轟沈!」


「被害報告が間に合わん!どういうことだ!?」


「ああ!「へガード」、「コース」、「シャール」轟沈!」


艦橋は混沌としていた。


「く……なんなんだ!?」


チュールは目を見開いている。


ドォォォォォォォォォォォォーーーン


「司令ッ!!」


「カーマル」は大きく揺れる。


いや、空中でひっくり返った。


「うわぁぁぁぁ!?」


ドォォォォォォォォォォォォーーーン


「カーマル」は盛大に転覆した。


チュールは海中で瓦礫に藁にもすがる思いで捕まる。


「ぷはぁッ!」


チュールは勢い良く、海中から顔を出す。


「ハァハァ……な……!?」


チュールは周りを見渡すがあるのは浮いている瓦礫のみだった。


「私は……ここで死ぬのか……。」


チュールは瓦礫に捕まりながら、項垂れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 地球連邦国 ジュネーブ 大統領官邸



「闇の艦隊……こいつは、危険だな……。」


クリーンはリアルタイムで投影されている偵察衛星による、影の艦隊の航空映像を観ていた。


「昨夜より、突如出現。生命反応はあるものの微弱。闇で覆われていたが、闇が晴れたことにより、艦隊ということが発覚……しかも、レーザー攻撃と思われる攻撃でマーティス王国艦隊は壊滅。完璧に危険ですね……。」


同じく、映像を観ていた釧路も腕を組みながら言う。


「嗚呼、艦数は86。キツイぞこれは……。」


「第3文明圏の各国に勧告しなければいけませんね。」


釧路は目を細める。


「そうだな。直ちに行わなければな。」


クリーンは拳を強く握った。


その1時間後、地球連邦国は第3文明圏に影の艦隊に対する勧告をした。


そして、地球連邦国を中心とする影の艦隊討伐艦隊を各国と創設するのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


20XX年 8月7日 太平洋



ザザザザァァァァァーーーーーッ


太平洋にはシーズライン海を目指し、航行している巨大艦隊が居た。


総勢95隻。第3文明圏の連合艦隊であった。


地球連邦国側が5、カルフォスト連邦国が27、ピューレサイロ王国側が17、パルスティール大帝国側が16、マークカイズ帝国側が30となっている。



第3文明圏連合艦隊 旗艦 「大和」 CIC



旗艦である「大和」のCICには目を細めながら、コーヒーを啜っている40代の男が椅子に座っていた。


彼の名はポート・フィリル。第3文明圏連合艦隊艦隊司令だ。


「司令!まもなく、シーズライン海に入ります!」


副司令である王 龍少将がポートに伝える。


「うむ、各艦に伝えておけ。『まもなく、始まるピョンス♡』とな。」


「は……はいぃ!?」


王は目を見開く。


「それで伝えておけ。」


「わ……分かりました。」


ポートは見かけによらず、ヤバい人なのだった。



シーズライン海



ザァァァァァーーーーッ


闇の艦隊は悠々と海面を搔き分け、航行していた。


その中で一際大きい艦艇である「マーライン」のCICで1人の女性が居た。


「忌まわしいこの惑星の探査など私が何故、やらなくてはならないのでしょうか……。」


ピコンピコンピコン


レーダーにより、第3文明圏連合艦隊が映される。


「ほぅ……これが、この惑星の艦隊かしら……?我々の突貫工事で建造された艦隊より、弱そうね。」


すると、1人の女は、静かに拳を上げた。


「全艦ッ!攻撃せよッ!!!!」


彼女の言葉に従い、闇の艦隊は一斉に攻撃を開始した。



「大和」 CIC



「闇の艦隊に高エネルギー反応ッ!」


レーダー士が叫ぶ。


「全艦攻撃開始ッ!」


ポートはレーダー士の声に反応し、目を見開く。


ギュインギュインギュイイーーーン


「大和」に装備されている56cmレールガンが独特の起動音を放つ。


「撃てェ!!!」


砲術長であるカートン・サーミナル1等海尉は、コーヒーを手に持ち、叫ぶ。


シュシュシューーーーーーーーン


56cmレールガンから放たれた56cm弾は、M15.6というスピードで闇の艦隊へ向かう。


「どちらに勝利の女神は微笑むのか…?」


ポートは、叫ぶ。


ドォォォォォォォーーーーーン


第3文明圏連合艦隊が航行していた海面が爆ぜる。


「大和」の艦体が大きく持ち上がる。


ザバァァァァァァァーーン


「うぉぉッ!」


ポートは机に捕まり、ぐったりとしている。


三半規管がやられたようだった。





「なんだあれは……?」


1人の女は向かってくる56cm弾が放つ、不気味な音が女の不安を掻き立てる。


「バリア展開ッ!!!」


彼女の言葉に反応し、緑色の膜が影の艦隊を覆う。


ドォォォォォォォーーーーーン


影の艦隊を殲滅させる為に放たれた56cm砲弾がバリアに音速で激突する。


ギギギィィィーーーーーーッ


バリアの外で火花が散る。


「クク……我が艦艇のバリアを破れる訳が無いのに…。」


女は、ニヤリと笑った。


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