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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
25/42

第25話 1年後

20XY年 6月5日 地球連邦国 ジュネーブ 大統領官邸



「あの災害からもう1年か……。」


クリーンは窓の外を見ながら言う。


「そうですね……フィフスス同盟圏の襲来もあと2年弱、どうしたものか……。」


現在、地球連邦国はハンディー帝国の後釜を継ぎ、その圧倒的な経済力を発揮し、空前の超好景気となっていた。


国民が浮かれる中、国の重役達は焦っていた。


フィフスス同盟圏の復活があと2年弱しかないからだ。


次世代レールガンや無人戦闘機や無人爆撃機など、高々度AIを搭載した兵器の開発は完了し、続々と配備が進められているが、艦艇等の強化が全くと言っていい程、遅延していたのだった。


敵はレーザー兵器を保有している。その為、必ずと言っていい程、ゲームや小説等に登場してきた『エネルギーシールド』の開発が鍵となってくる。


地球連邦国ではエネルギーシールドとして『電磁バリア』と言うエネルギーシールドを開発している。


だが、それは戦車やヘリ、兵士等の小型な兵器にしか効果が無い。


艦艇という大型な兵器では十分に守りきれない可能性がある。


しかし、ギリギリだがミサイル艇は非常に小型な為、電磁シールドの効果の恩恵を受けられるのだが。


その為、地球連邦国は艦艇や他大型兵器にも効果を発揮する電磁シールドやエネルギーシールドの開発を急務としているのだ。


固定式レールガンや高層ビル型迎撃システムや様々なフィフスス同盟圏に対する装備は充実してきた。


そして、これは全て国民には秘密としていることだ。


それは、いつ国民が不安に駆られて、暴走するか分からないからだ。


強制的に処罰する事も可能なのだが、彼等も人間だ。


ある程度の人道的意識はあるだろう。


しかも、今は超好景気。公開する意味は無いと重役達は決定したのだった。


「20XA年5月23日……Xデーだな。」


クリーンはそういうと机に突っ伏した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 モスクワ 第4航空兵器試験場



永久凍土に覆われているこの地域は、統一前のモスクワの栄華は、統一後の大規模テロにより、灰蓋と化していた。


そして、壊滅したモスクワの跡地に建設されたのは航空兵器試験場であった。


ここは、主に年間何百という新型航空兵器が開発される地球連邦国では航空兵器を試験する場所を建造したかった。


他地域にも航空兵器試験場は存在するが、いずれも小規模。


その為、壊滅し、広大な土地が余っているモスクワを選んだのだった。


現在、モスクワには航空兵器試験場が50個建設されており、地球連邦国にとって欠かせない航空兵器試験場となっている。


そんなこの航空兵器試験場の第4試験場に1機の新型航空機が姿を見せていた。


ゴォォォォォーーーーーーーッ


開発名はF/A-XX 。第6世代ジェット戦闘機であるMig-41の後継機として旧アメリカで開発されていた本機は途轍も無いステルス性と垂直尾翼、水平尾翼が装備されておらず、小さくカナードが取り付けられているのも特徴で非常にのっぺりとしている形状に広い後退翼を装備した機体だ。


空気取り込み口は機体下部に薄く、横に広がっている。


2基の高出力エンジンに、排気熱の探知を防ぐ為、排気ノズルに工夫を凝らし、余程の高性能ミサイルでなければロックオンすら出来ないという検証結果となっている。


そして、今日、このF/A-XXが初飛行をする。


ゴォォォォォーーーーーーーッ


淡い青色の熱を発しながら、F/A-XXは飛び立つ。


「こちら、試験パイロット4号。離陸に成功、これより、高速形態へと移る。」


試験パイロットは戦闘機に取り付けられている360度カメラと意識接続ヘッドセットを巧みに使いながら、言う。


ゴォォォォォーーーーーーーッ


「最大速度まで速度を上げる。」


試験パイロットは、意識接続ヘッドセットを使い、戦闘機へスロットルを最大まで引き上げるよう、脳波を電気信号に変化させ、伝える。


ゴゴォォォォォーーーーーーーーーーッ


突然、淡い青色の排気熱が伸張した。


既に、速度はM7.8を超え、M8.0まで到達する勢いだ。


「速度はM8.0を突破。M8.6で速度は停止。限界速度へ到達した。」


この日の最高速度はM8.6だった。


これだけで第6世代ジェット戦闘機として成立しているが、地球連邦国の目標は光速兵器である。


だが、その目標はまだ遠いようだ。


「機動性のテストを開始する。」


試験パイロットはそういうと機体を360度回転させ始める。


その姿は曲芸のようだ。


全身対Gスーツを活用しながら、強烈なGに耐えながら、機動性テストを行う。


「う…ぐ………………あと少しだ……。」


ビービービービービービービー


『19Gの負荷が掛かっています。これ以上、パイロットの安全が確保出来ません。繰り返します……。』


試験パイロットの安否を知らせる警報が鳴り響く。


「く…………戻す……か……。」


試験パイロットは機体を元に戻す。


ゴォォォォォーーーーーーーッ


ビービービービー…………


試験パイロットが機体を元に戻した事で警報も鳴り止む。


「ふぅ……機動性テストを終了。攻撃テストを行う。」


試験パイロットはそういうとウェポンベイを開く。


ガコン


「AAM-99CGを発射する。」


バシューン


すると、空対空ミサイルであるAAM-99CGが発射される。


このミサイルは排気煙が少なく、警報アラートが作動しないステルスミサイルである。


シューーーーーーーッ


AAM-99CGはF/A-XXに搭載する兵装な為、本機に搭載した状態での攻撃能力を確かめたかったのだ。


ドォォーーーン


AAM-99CGは事前に飛行していた無人機に命中する。


「命中、AGS-125GHのh。」


『空対地ミサイル、空対艦ミサイル、巡航ミサイルの試験は後日に行う。機関砲のテストを行え。』


試験パイロットの言葉を遮り、機関砲テストを知らせる。


「了解、機関砲のテストを行う。」


試験パイロットは30mm機関砲を操作する。


「通常弾、発射!」


ブシュッブシュブシュブシューッ


機関砲の発射音は静粛性を保つ為に、サプレッサーにより、独特な音が発生する。


「命中、徹甲弾に切り替え。」


試験パイロットはそういうと徹甲弾に切り替える。


「発射!」


ブシュッブシュブシュブシューッ


「命中、機関砲テストは終了。これより、帰投する。」


F/A-XXは光り輝く銀色の配色をより一層、輝かさせながら最大速度で帰投した。




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