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地球連邦国転移物語  作者: ZERO 零
序章
22/42

第22話 討伐への道


同時刻 地球連邦国 ジュネーブ 大統領官邸 危機管理センター



「今回集合して貰ったのは、他でもなく、我々が転移したということよりも重要だ。」


クリーンの言葉に閣僚達はザワザワとする。


「こちらをご覧ください。」


すると、釧路がホログラムを投影する。


「龍……?」


閣僚の1人が呟く。


そこに映っていたのは、偵察人工衛星から確認された紅に染った巨大な龍だった。


「ええ、これはハンディー帝国で撮影されました。」


「ハンディー帝国?第3文明圏最強の列強国の一角てはないか。」


「ええ、EFID(地球連邦国情報部)によると、ハンディー帝国では焔龍と呼ばれる龍が神話から登場するらしいのですが、それは事実で何千年前から焔龍は休息に入り、その姿は見られなくなったそうです。ですが、今回伝説的で超絶怒涛の力を持つ焔龍の出現で大分混乱しているらしいです。」


「そうか……では、焔龍が与えるハンディー帝国への影響は?」


「現在、帝都を攻められ、ハンディー帝国は帝都を放棄したそうです。」


釧路は淡々と答える。


「「「「「「「は?」」」」」」」


閣僚達から鳩が豆鉄砲を食らったような顔が次々と現れる。


「事実ですよ。こちらを見れば分かりますからね。」


釧路はそういうと新たな写真を投影した。


「おお……。」


閣僚達から悲鳴のような声が聞こえる。


そこには、灰蓋と化した帝都の姿だった。


「このように、焔龍は炎の光線を放ちます。その威力は小型核並だとの事です。」


「小型核並……!?」


「ええ、これは第3文明圏にとって脅威と言えるでしょう。現在焔龍は以前とハンディー帝国を荒らしています。それが、いつ我々に届くかは分かりません。そして、第3文明圏以外の文明圏の列強国はこれがチャンスであります。第3文明圏の崩壊をも防ぐために現在は様子を見ますが、最悪他国と連合軍を結成しなければいけない可能性もあります。」


「連合軍か……。」


「いずれにせよ、我々は焔龍を倒さなくてはいけない。まだ、準列強国としてしか扱われていない。ここで、我々の力を見せるのだ。」


クリーンは力強く言った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻 ハンディー帝国 帝都


灰蓋と化した帝都は、今まで培ってきたハンディー帝国の大半を失うこととなった。


第3文明圏トップに君臨するハンディー帝国は建築技術は地球連邦国には及ばないが、第3文明圏や他文明圏にも負けない程だった。


その為、プライドも高かったのだ。


だが、それは脆くも焔龍により崩れてしまった。


「あ……あ……我々の……帝都がぁ…………ッ!!!!」


ハンディー帝国の大統領であるビルは、壊滅した帝都を見て絶望していた。


総勢107台の輸送トラックで帝都から疎開していた民はビルが搭乗していた23台以外は焔龍の炎の光線に巻き込まれ、爆発し、大破した。


もう、彼等は助からないと踏んだ残りの23台の輸送トラックを指揮する司令官は、役人や大統領、重要な役職つく者や、上流階級の議員、一部の帝都民をスピーディーに疎開させた。


その後、焔龍はどこかへと飛び立ち、ビルを含む、23台の輸送トラックは帝都へと戻ってきたのだった。


「う……うう……ッ!」


ビルはなんとも言えない嗚咽を吐き出す。


それは、帝都民や役人、議員も同じであった。


総勢107台に乗れなかった帝都民や運良く、輸送トラックに乗れた者達も殆どが焔龍により、死亡してしまったのだから。


「く……このままじゃいかん!何としてでも第3文明圏の栄華のハンディー帝国を復活させなければ!」


彼の言葉で生存した人々は彼の力強い意思について行く事を誓った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カルフォスト連邦国 首都 ブラッディー 大統領官邸



「それは本当なのか!?」


ハンディー帝国に次ぐ、カルフォスト連邦国大統領であるマーク・スカイズは目を見開く。


「ええ、焔龍により、ハンディー帝国の帝都は灰蓋に化したとの事です。」


補佐官であるガード・スプラウトは書類を見ながら言った。


「現在、軍がハンディー帝国方面に集結しています。ですが、ハンディー帝国は我が国より、技術力が高い為、相手にならないと予測されます。その為、各国と連合軍をつくり、対応しなければいけない可能性が大ですね。」


「本当か…?列強国以外は全て我が国よりも技術力が低い。連合軍をつくったら逆に足でまといになる。」


マークはコーヒーを口にする。


「チキュウ連邦国はどうでしょうか?」


「チキュウ連邦国?駄目だ駄目。準列強国に格上げされたばかりだ。相手にならんよ。」


マークは首を横に振る。


「それが少し違うんですよ。」


「何が違うのかね?」


「チキュウ連邦国は現在、第3文明圏全ての国家と国交を締結しています。ただし、友好関係にあるのはコース亜人連合国とピューレサイロ王国だけです。その為、間諜を派遣し、ピューレサイロ王国人に成りすまし、観光した結果がこれです。」


ガードは一枚の写真を見せる。


「こ……これは!?」


そこに映っていたのは、現時点で他国人を受け入れているアジア州の東京であった。


「ここは、トーキョーと呼ばれるチキュウ連邦国の首都と同等の規模である都市です。」


「なんなんだこれは……。」


マークは驚きを隠せない。


「大地を埋め尽くす高層建築物、首都よりも張り巡らされた交通網、これ程の発展を尽くしているのにも関わらず、空気は澄み切っており、環境汚染の一欠片もありません。これが、幾つもチキュウ連邦国には存在しているのですよ。それ程の技術を保有している国家が軍事面では技術力が遅れているなんてことはありませんよね?」


「た、確かにな……。」


「科学文明国家であるチキュウ連邦国は噂によると、高度に発展した科学文明と魔法文明を掛け合わせた魔導科学文明をつくりだそうとしているのです。間諜は驚きを隠せなかったようです。スパイ活動をするにも常に誰かに見張られているような気分で、上空にはドローンと呼ばれる無人航空機が音を立てずに飛行している。その後の調査で去年の犯罪率は0.4%だったらしいです。チキュウ連邦国は、鉄壁の国だと報告されました。そして、チキュウ連邦国には重労働や警備にはロボットと呼ばれる機械人形を用いているそうです。機械人形が軍事転用されていない訳がありませんよね?それ程、強力な国が焔龍の存在に気づいていない筈がありません。だからこそ、チキュウ連邦国と共闘しなければならないのです。」


ガードの熱弁と突拍子もない間諜の報告にマークは驚いたものの、地球連邦国にその後、応援要請と連合軍創設の要請をした。



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