第15話 続ッ!視察団ッ!
第10話の続きですw
国際会議の疲れでテキトーかもしれません(´;ω;`)
時は少し遡り……。
20XX年 4月18日 地球連邦国 チューリッヒ州 ヴィンター・トゥール軍事演習場
『続いて、地球連邦国の主力戦車のレオパルト3が参ります。』
ドゥルルルルルルルルルルン
その独特なエンジン音で現れたのは6両のレオパルト3だ。
その近未来的なフォルムと不安を感じさせない重厚な見た目でミニタリーファンからも支持が熱い。
レオパルト3はその戦車とは思えない変態的な高速性と機動性で演習場を駆け回る。
『視察団の皆様より左手に見えます山々に標的である戦車のM1A3型エイブラムスです。』
すると、7両のGEー55により操作されているM1A3型エイブラムスが現れる。
ドォォォォォォォォーーン
戦いの火蓋を切ったのはレオパルト3だった。
レオパルト3は的確、正確にM1A3の薄い装甲へ当てる。
対して、M1A3もレオパルト3の薄い装甲へ当てていく。
ドォォォォォォォォォォーン
戦車同士の砲撃戦は通常の砲撃戦とは違ったが、目を見張るものであった。
ガァンッドォーーーン
長い砲撃戦の末、M1A3とレオパルト3の戦力は圧倒的に違う為、M13A全両撃破、レオパルト3は装甲に傷を負ったが、それ以外は何も無かった。
『レオパルト3は後退しましたが、M1A3の増援が来たようです。』
この言葉と同時に8両のM1A3が現れる。
『これを撃破する為に3機のAHー64E5が上空から現れました。』
バババババババババババババ
上空から、3機のAHー64E5が現れる。
この機体はAHー64Eアパッチガーディアンを改修し、推進用プロペラを取り付ける事で高速性とAHー64シリーズが持つ、高い能力を発揮出来る様に改修された機だ。
バシューンバシューン
AHー64E5から発射された8発のロケット弾であるハイドラ70DがM1A3に向かう。
ドォォォォォォォォォォーン
見事に徹甲ロケット弾であるハイドラ70の改修型のハイドラ70DはM1A3の装甲を貫く。
『AHー64E5から発射されたロケット弾であるハイドラ70DによりM1A3は撃破されました。』
ドゥドゥドゥルルルルルン
『いえ、M1A3はまだ戦闘可能なようです。』
まだM1A3は中破しているがまだ戦闘可能なようだ。
すると、AHー64D5は撤退する。
ゴォォーーーーーーーーッ
AHー64D5と入れ違いのような形で新たな機が現れる。
近接攻撃支援機であるAー11V サクリファイスだ。
近接攻撃支援機であるAー10 サンダーボルトIIの後継機でAー10よりも装甲や攻撃力、機動性も向上している。
バシュバシュバシューン
2機のAー11Vがハイドラ70Dを発射する。
ガガガガガガガガァン
Aー11Vに装備されている30mm機関砲であるGAUー8が唸る。
ドォォォォォォォォォォォォォォーン
この一撃がM1A3のトドメを刺した。
『M1A3は完全に沈黙、撃破しました。以上、コース亜人連合国の視察団の皆様お疲れ様でした。』
アナウンスは演習の終了を告げる。
本当ならば3時間程たっぷりやるのだが、コース亜人連合国向けということで大部分の戦力は公開しなかったのだ。
コース亜人連合国の視察団は全員口をポカーンと開けていた。
「視察団の皆様、大丈夫ですか?」
佐藤は視察団の顔を見て首を傾げる。
「だ、大丈夫です。」
サルコは全く大丈夫ではない顔で言う。
「では、演習の他に海軍による1年に1度の式典である艦観式というものが明日に有りましてね。丁度良いのでお越しになってもよろしいですか?」
佐藤は更なる地球連邦国の国力を見せつける為に艦観式に招待する。
「ええ!是非ともお願いしたい!」
カールは先程の絶望から立ち直り、地球連邦国の国力をこの身で痛感しようとする。
「分かりました。では、また明日に行きましょう。」
視察団と佐藤はホテルへと帰って行くのだった。
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20XX年 4月19日 アイルランド基地
ここは、アイルランド全体が地球連邦国の基地となっている。
莫大な数の兵器を保有しており、それはもちろん海上艦も同じであるイージス艦80隻、ミサイル駆逐艦90隻、原潜21隻、原子力空母12隻等有り得ない数の兵器を保有している。
バババババババババババババ
要人輸送用に改修されているSBー1に乗り、アイルランド基地に足を踏み入れたのはコース亜人連合国の視察団だ。
「ここが……アイルランド基地か……どうなってんだ?」
カールは360度広がる兵器や兵士を見て、驚愕する。
「では、軍港へ行きましょう。」
佐藤に連れられ、視察団一行は軍港へ行くのだった。
トゥルリール軍港
ここは、アイルランド基地の南にある軍港だ。
そこには、既に何十隻もの艦艇が居た。
「す、素晴らしい……これ程の大きな艦艇なのに一切魔力反応が無いなんて……。」
護送車から降りたシャベルは全く魔力反応が無いことに驚く。
それもそうだろう。この世界では魔法を使わなければ何も出来ない世界なのだから。
機械と同じだ。
魔法を使い、稼働させているのだ。
その為、魔力反応というものが必ず現れる。
だが、地球連邦国は科学文明な為、魔法は一切使わない。
これが、この異世界と地球世界での違いである。
「では、あのヘリに乗って行きましょう。」
佐藤はそういうと目の前で待機していた要人用大型輸送ヘリであるMiー26Pに指を差す。
そのヘリは当然の如く、推進用プロペラが取り付けられていた。