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アンリミテッドフロンティア・オンライン ~ゴミステータス『筋力値極振り』で最弱ジョブ『生産職』の俺、スローライフを送りたかっただけなのに『ラスボス』に成り上がってました!~  作者: 【連載再開!】ブレイドスキル・オンライン ~ゴミ職業『サモナー』で最弱武器『弓使い』でクソステータス『幸運値極振り』の俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります!~連載中! 作者:馬路まんじ
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12:激闘、ジャイアント・センチピード!



「アーツ発動、『瞬連斬』!」


 深い森の中、ボスがいるという場所まで進む道中はまさにムラサメ無双だった。

 出てくるザコモンスターをバッサバッサと斬り倒し、経験値に変えていってしまう。あ、パーティー効果で経験値と素材アイテムの分け前が入ってくるの美味しいです!

 それに比べて俺はというと、


「悪いなテツ、運んでもらって」


「いいってことよ。協力を頼んだのはオレだしなぁ」


 悪友の大きな背中にゆっさゆっさと揺られていた。

 うん、敏捷値ゼロだからな俺。必死こいてトコトコ走っているのを見かねてコイツがおんぶしてくれたわけだ。ラクでいいな~これ。

 経験値やアイテムはちょいちょい入ってくるし移動も全自動。うむ、まさにスローライフだ。あとちょっと眠くなってきた。


 そんなことを考えながらグデ~っとテツに身を預けていると、覆面忍者のサスケが俺たちを何とも言えない視線で見てきた。


「な、仲いいでござるなぁお二人とも……! ちなみに、出会ってからどれくらいなので……?」


「「三か月くらいだな」」


「ってみじかっ!? えっ、出会ってそれくらいでもうそんなにベタベタしてるとかお付き合いコースじゃん……ッ!?」


 って誰がこんなのと付き合うか。あと微妙に忍者ロール崩れてるぞ?

 

 そんなこんなでゆっくりさせてもらっていた時だ。俺たちは裂け目の入った巨木の前に辿り着いた。

 話によるとこの裂け目の奥はボスエリアという場所になっているらしく、そこで巨大ムカデが待っているらしい。

 先行して巨木の前にいたムラサメが、俺に声をかけてくる。


「……テツのジョブは『ガードウォリアー』。ガードによるダメージ軽減率が高く、敵の注目を集めやすいジョブ特性を持っている。

 それがしらの主な戦術は、そんなテツが敵を引き付け、敏捷値の高いサスケが臨機応変に動き、そして自分ともう一人の魔法使いがダメージを稼ぐというものだ。

 おぬしには今回いない魔法使いの分、中距離からの攻撃を頼みたいのだが……本当に大丈夫なのか?」


「さぁな。まぁ道中でラクさせてもらった分、全力でやるだけだ。ここまでありがとうな、ムラサメ」


「っ、フン……礼などいらん、露払いが自分の役目だからな」


 プイッと顔を背けてさっさと進んでいってしまうムラサメ。

 相変わらず無愛想なヤツだ。俺もテツの背中から降りると、ボスの住処へと向かって行った。



 ◆ ◇ ◆



 裂け目の奥にあったのは、高い木々に囲まれた天然の広場だった。

 へ~、ここがボスエリアかぁ。なんかレアっぽい素材があるかもだから採取していこっと!


 マイペースに地面に生えていた草をブチブチ引っこ抜いていく俺をよそに、三人が慣れた様子で武器を構えていく。


「さぁ、あと何秒かすれば出てくるぞ。オレはいつも通り攻撃を受け止めるから、オメェらは攻めまくってくれ!」


 そう言って大剣を構えるテツの姿はまさにリーダーという感じだった。赤く勇ましい鎧姿も相まって、まるでゲームの勇者のようだ。

 そしてテツの言葉から数秒後。広場の中心部がバキバキと割れ始めたと思うと、けたたましい鳴き声を上げながら全長数十メートルもの巨大ムカデが姿を現した――!


『キシャァァアアアアアーーーーーーッ!』


 黒光りする何十節もの甲殻に、ウゾウゾとうごめく数えきれないほどの足。

 なるほど、これはたしかに女の子には刺激が強すぎるな。じっと見ていると、ムカデの頭の上に『巨大ボスモンスター:ジャイアント・センチピード』という文字が。


『キシャシャァッ!』


「くるぞ、三人ともッ!」


 かくして戦闘が始まった。

 巨大ムカデの頭突き攻撃を大剣の腹で受け止めるテツ。それと同時にムラサメとサスケが左右に分かれ、刀と短剣でザクザクと甲殻を突いていった。

 しかしジャイアント・センチピードはまったく怯まず、身体をしならせて何度も頭を悪友に叩きつけていく。


「くそっ、やっぱりキツいな……!」


 地面に足がめり込みそうになりながらも、それでも気合でふんばるテツ。ときおり巨大ムカデがムラサメやサスケのほうを向きそうになれば、咄嗟に大剣を叩きつけて注目を奪い返していった。


 ……なるほどな、しっかりリーダーやってるじゃないか。いつも寝不足で学校に来ては『宿題見せてくれ~』とすり寄ってきていたくせに、ここでは立派な仲間たちの盾だ。


「俺も負けてはいられないな。――スキル【暴走】発動ッ!」


 その瞬間、赤いオーラが放出されるのと同時に筋力値が二倍に膨れ上がった。

 俺は周囲に何十本もの剣を出現させると、巨大ムカデへと投擲していく!


 さっそく何本かがその甲殻に当たるや、


『ギシャァアアアアアアアアアアッ!?』


 ベゴォッッッ! という音を立てて、剣の突き刺さった場所に大きな亀裂が入った!

 それと同時にのたうち回るセンチピード。かなり効いているようで何よりだ。


 さぁ、今がチャンスなんだが……、


「「「え、えええええ……!?」」」


 っておい三人とも、なんで俺のほうを見てるんだよ?




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\デデドンッ⭐/
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「底辺領主の勘違い英雄譚」の表紙~!
「貧乏令嬢の勘違い聖女伝」のソフィアちゃんで~す!
― 新着の感想 ―
[一言] 筋肉ダルマ…それって蓮の憧れたスタイルなんじゃ…w
[一言] ↓不覚にも笑ってしまった…
[一言] ステータスが外見に反映されないゲームでよかったw 美少女が筋肉ダルマに変異したら、味方の精神に致命傷を与えるw
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