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第五話 追想
「冬吏お兄ちゃん!」
(ん?誰だ?)
「遊ぼう!」
(どういう状況なのだろう)
冬吏の体はやけに重たく感じ、
手も、足も、ましてや瞼さえも動かせない。
「ねぇ、遊ぼうってば。
なんで遊んでくれないの?ねぇなんで?
なんでなんでなんでなでんんんでんで!!」
!! 何事だろうか?!
「なんで、死んじゃったの?」
(は?今なんて言った?)
「ねぇ助けでよ、やだよ、ねぇ 助け!!!
(何が起こってるんだ?!)
状況を確認したいのだが、
依然、冬吏の体は地面にへばりついたまま
ピクリともうごかない。
何だ、熱い?寒い?何だこれは?
ただただ嫌な感じだ。
頭が痛い。
冬吏の息は次第に荒くなっていく。
はぁ、はぁ、嫌だ。
何だ?何が嫌なんだ?
つらい。
何だか何もかもがどうしようも
なくなったその時、冷たい感触が
冬吏の顔面を襲った。
ちょっと空くかもです。




