新しい場所
私がたどり着いたのは、空気の綺麗な、でも色々な施設がある、そんな町だった。
とても素敵なところだな、と思った。
「着いたわよ。ここが家。荷物下ろしたら部屋に案内するから、少し待っててね。」
「あ、はい。」
それにしても立派な家だなぁ。
そんなことを思い、眺めていると・・・
「あ、お母さん!帰って来たーー」
可愛い女の子が家から飛び出して来た。
「愛菜、挨拶しなさい。未来ちゃんよ。」
「初めましてっ。熊原愛菜ですっ。小4ですっ。よろしくねっ。」
可愛いなぁ。そう思った。1つ下なだけなのに、こんなに可愛いなんて。語尾に「っ」がつくような喋り方。
「初めまして。木下未来です。小5です。これからお世話になります。」
「みな、ずーっとお姉ちゃんが欲しかったんだー!みくねぇって呼ぶね!」
「みなちゃん、よろしくね〜〜!」
どうやらみなちゃんとはうまくいきそうだ。
葵さんの話によれば、私の一個上に琢磨という名前のお兄さんがいるらしい。
「あら、仲良くやってるのね。じゃあさ、みなは、未来ちゃんをお部屋に案内してあげて。この前整頓した部屋、わかるわよね。」
「うん!みなの隣の部屋でしょっ。みくねぇ、いこっ!」
みなちゃんはもう走り出してる。
「あー待ってーー!」
私も追いかける。みなちゃんはもう玄関だ。
「みくねぇーーおそーい!」
笑いながら走っていく背中を私は追いけた。
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「うわーお」
私は思わず感嘆の声を漏らした。
案内された部屋はとても綺麗。
白いベットに白いレースカーテン。白い机。そこに白い壁。
白を基調とした清潔感のある部屋。
「ここね、今まで空き部屋だったんだっ。で、みくねぇが来るって話になって、改装したのっ」
「こんな部屋が余ってるなんてもったいないね。てか家広くない???!!!!」
「後でぜーんぶお母さんから説明があると思うよ。みなには難しすぎて、よくわかんないんだ。」
悲しそうな声でみなちゃんは呟いた。
「みなーー、みくちゃーん、荷物運ぶよーー」
2人で目を合わせて、くくっと笑ってから大きな声で返事した
「「はーーい」」