プロローグ
この感覚
かすかな記憶
きっと覚えてる。
絶対忘れない
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ガタガタ。
車の中で目を覚ました
「あら、未来ちゃん、起きたのね
あと少しで着くわよ。」
私の名前木下未来という。
隣にいるのは、叔母さんの、熊原葵。
私の両親は事故で亡くなったらしい。
らしい、というのは、私には今までの記憶がないのだ。
ただ1つあるのは、泣きじゃくる女性と慰めながらもなく男性を、私が泣きながら見てる、そんな風景だ。
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私が目を覚ましたのは、ある病院だった。
私は記憶を無くしていて、不安だった。
そこで私は聞かされた。
お父さんとお母さんは事故で亡くなったこと。
そしてうちの親は駆け落ちだったので、母の親戚に連絡は付かず、父は施設で育ったので、親戚は見つからないということを。
記憶を無くした。そして私の引き取り手はいない。不安で不安でたくさん泣いた。
なんでこんなことになったかもわからない。
お母さんお父さん。ひとりにしないでよ。私の記憶返してよ。
なんども取り乱した。
そんな中だった。
母方の親戚が見つかった。
そんな情報が入ってきた。
事故のニュースを見て、自ら引き取ると出てきてくれたそうだ。
その人が今そばにいる葵さん。
私を見た瞬間、藍那お姉ちゃんにそっくり、と笑い、そして泣いた。
ごめんね、ごめんね、そう言って泣いた。私も泣いた。
葵さんはこう言ってくれた。
うちの家庭は貧困ではない。比較的裕福だ。だからうちで暮らそう。
私は頷いた。そして今、車に乗って家に向かっている。
私の新しい家、そして家族の暮らす場所へ。