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8話 「オリジナル技」

初めてディノスと戦い、敗れ、それから月日が経ち、俺は11歳になった。


あと3日後は俺の誕生日の2月5日で、3日後、俺はようやく12歳になる。


ちなみにセレナはもう12歳だ、セレナの銀髪は背中まで伸び、銀髪紫目の美少女へと成長した。

そして剣魔学園の入学試験はあと2ヶ月後の4月1日、俺とセレナの修行は最終段階になってきた。


まずは魔法の修行から。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さて、ふたりともだいぶ初級魔法を使えるようになってきたわね」


フローラが俺たちを見ながら言う、セレナはあれからほぼ毎日俺の家に来て修行をしている。

この5年間は、魔法の威力、スピード、正確さなど、ひたすら基礎を学んでいた。


そのおかげで俺たちは初級魔法に関しては知らない事はないくらい成長する事が出来た。


「だからそろそろ中級魔法を教えてもいいかなと思っているわ」


「え、でも剣魔学園の入学試験は2か月後だよ?」


「そんなに早く中級魔法を覚えられるんですか?」


「流石に全属性を覚えるのは無理よ、だから、あなた達が1番得意な属性の中級魔法を教えるわ。 数多く覚えれば良いって物でもしね」


なるほど、今までは複数の属性をバランスよくやってきた。

だがここからは1つに絞るのか。


得意な属性か……やっぱりこれだな


「じゃあ、俺は火属性にするよ」


「私は光属性をお願いします!」


「分かったわ、じゃあ広い場所に移動しましょう」


「移動? なんで? 今までこの庭でやってきたんだし、この庭じゃダメなの?」


「えぇ、中級魔法になると、それだけ範囲も広くなるし、威力も高くなるの、だから広い場所じゃなきゃダメなのよ」


なるほどな、流石に家が壊れたら洒落にならん。


「分かった、でも広い場所って、どこでやるの?」


「村の外の草原よ」


「俺も草原に行くからな」


「え、父さんも?」


「あぁ、午後になったらそのまま草原で剣術の修行をする。

流石にもう家の庭で戦うのは危険だからな」


まぁ、俺とセレナは遠慮なく魔法ぶっ放してるからな。


最近では魔法の威力も速度も上がってきたし。


「じゃあ準備が出来たら出発するわよ!」


その合図で俺たちはいろいろ準備をして、村の外の草原へ向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


草原へはそんなに時間はかからず、30分くらいで着いた。


さっそく俺達は中級の魔法を教わることにする。


「じゃあ俺は午後になるまで適当に散歩してるからな、先にお前らの中級魔法見ちゃうと午後の楽しみがなくなっちまうし」


と言ってディノスはどこかに歩いて行った。


「さてと…じゃあこれから中級魔法を教えるわよ」


「「お願いします!」」


「まず中級魔法というのは、当たり前だけど初級魔法よりも威力も範囲も全然違うの」


「ほうほう」


「そして、使う魔力もかなり増えるわ。

魔力が少なくなると、体力や筋力が急激に落ちて、うまく動けなくなるの。

だから本来は魔法の使用回数は少なくしなきゃいけないのよ。

まぁあなた達なら心配はいらないだろうけどね…」


前にフローラに言われたが、どうやら俺とセレナの魔力の量はとても多いらしい。

ハーフエルフであるセレナは魔力が多いのは納得だが、まさか俺も多いとは……


だからといって魔法を撃ちまくっていいわけではない、俺とセレナも魔力が多いとはいえ、無限ではないのだ。


その事はフローラにしつこく注意された。


俺のように剣に魔法を纏わせたり、魔法を移動手段にする戦い方は、普通ならすごく危険な事らしい。


「じゃあまずはセレナちゃんから教えるわね、ルージュ、的を作ってくれる?」


「はいよっ…と」


俺は土魔法を使い、土を丸太ほどの太さにして固める、これを魔法の的にするのだ。


「はい、ありがとう。 じゃあルージュは最初は見学してるか自主練しててね」


「分かった」


「じゃあセレナちゃん、セレナちゃんに教える魔法は光矢フォトン・アローの上位版、閃光矢ライトニング・アローよ」


「閃光矢?」


「えぇ、消費魔力は高いけど、光矢に比べて出せる矢の数が多いし、威力も速さも全然違うの。

閃光矢は普通は矢を10本出すわ、でもセレナちゃんなら…」


10本、セレナは光矢の時点で既に10本矢を出している。

それが最初から10本だす閃光矢なら…セレナはどうなるのだろう。


20本くらい出すのだろうか、避けられる気がしないな……


「さて…俺も自主練するかね」


俺は先ほど作った的と同じものを作る。


そして持ってきた木剣を持ち、その木剣に火を纏わせる。


最近では戦いの最中は常に木剣に何かの魔法を纏わせて戦うのがデフォルトになっている。


「もうすぐ完成しそうなんだけどなぁ…」


俺は今ある技を考えている。


それは、剣に纏った魔法をそのまま斬撃として飛ばせないか、というものだ。


これが出来れば戦いの幅が広がる、なんたって遠くにいても相手を切れるのだから。


そんな技はないかとディノスに聞いてみた事があるが、ディノスは「そんな事をしたらあっという間に魔力が無くなるし、そもそも使えるやつはいないと思うぞ」 と言われた。


という事は、俺がもし斬撃を飛ばす事に成功したらこれは俺のオリジナル技という事になる。


「ふぅ……」


俺は深呼吸をして、落ち着かせる。


そしてひたすらイメージをする、剣を振った瞬間に剣から纏った魔法を飛ばすイメージだ。


頭の中ではイメージ出来るのに、なかなか実現できないのだ。


「よし……おりゃっ!」


俺は思い切り剣を振った。


だが斬撃は飛ばなかった。


前から何回も何回も練習していたが、結果はいつも変わらないのだ。


「んー……どうすればいいんだ…? 矢とかみたいにビュンッ! って飛ばしたいのに…」


そんな事を考えていると、セレナとフローラの声が聞こえてきた。


「んー…フローラさん、なかなか閃光矢が出ません…」


「多分初級魔法を使うときみたいな感じでやってるからね、もうちょっと魔力を”溜めて”から撃ってみなさい?」


「はい!」


魔力を…溜める?


「そうか! 分かったぞ!」


ただ振るだけだったからダメだったんだ、いつもよりも長く溜めて、一気に振れば……


そうすると、ブォンッ! っという音と共に剣から炎の斬撃が的に向かって飛んで行った。


その斬撃が的に当たると、的には亀裂が入った。


「…や、やった…! 完成だ!」


それから俺はいろいろな魔法を纏わせて試した、風を纏わせたり、雷を纏わせたりとやったが、全て成功した。


「オリジナル技の完成だー!!」


俺は技が完成した事に安心し、地面に腰を下ろした。


そしてそのままセレナの方を見た、すると…


「な……なんだあれ…!?」


セレナの頭上には大量の光の矢があった、あんなの10本20本ってレベルじゃない。


下手したら50本を超えているかもしれない。


閃光矢ライトニングアロー!!」


大量の光の矢が的に向かって飛んでいく、光の矢1本1本が正確に的に当たり、全てが刺さると的が壊れた。


あんな大量の光の矢を、1本も外さずに的に当てたのだ。


「フローラさん、今のは成功ですか?」


俺とフローラは驚愕して何も喋れなかった。


だがフローラはハッ! とした感じで


「え、えぇ!成功よセレナちゃん! 凄いわねあの数……いったい何本出したの?」


「私にもよく分かりません…ただいつもよりちょっと魔力を貯めただけで…」


ちょっと溜めただけであんな威力になるのか…


「凄いわね…でもこれでセレナちゃんは光魔法の中級を習得できたわね!」


「はい!」


「じゃあ次はルージュね、ルージュ! こっちきてー」


俺は呼ばれたので立ち上がり、フローラの元へ行く。


「ようセレナ、さっきのすごかったな! あれが中級魔法か」


「えへへー、ルージュも頑張ってね!」


「おう!」


セレナは俺が先ほど使っていた的の所へ行き、さっそく閃光矢の特訓を始めた。


さて……次は俺の番だ、覚えてやるぜ中級魔法!!

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