連絡
次の日、土曜の朝。相坂さんから連絡が来た。
今思うと慧を通してくれればよかった気もするが、今言っても仕方が無い。
内容は明日の事だった。
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やっほー!姫乃だよ[笑顔]
明日は朝の10時に〇〇駅西口に集合でお願いします[星]
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彼女の活発さが分かる文面だ。
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了解です。
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言い訳をするつもりはないが、人とあまり連絡をとったり、ましてや可愛らしい絵文字を使うことに僕は慣れていない。
素っ気ないと思われるかもしれないが、これ以上の返信を思いつかなかった。相手もそれを分かってくれるだろう。多分。
相坂さんからの返信は速かった。
女子高生ってすごいな……。いつも携帯を触っているのか、と思ったが、今の人たちはそれが普通なのか。
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お昼はみんなで食べるから少しお金持ってきてくれると……[汗]
あっ、でもそんなに高いお店じゃないから安心してね[ピース]
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なるほど。今財布の中は七千円ある。お昼を食べて、母のプレゼントを買ってもお釣りは出るだろう。
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わかった。じゃあ明日、楽しみにしてるね。
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……少し馴れ馴れしすぎるかもしれないが、相坂さんは気にしないだろう。
送信ボタンを押して携帯を置く。
連絡が来るまで何をしていたかというと、部屋の掃除だ。
特にやることがないから始めただけで、最初から普通に片付いている。
今は学校で配られたプリントを仕分けしていた。
いらないプリントはまとめて縛り、古紙回収に出しに行く。
そんな作業をしていたら、また携帯から通知音が聞こえた。
一応確認する。
今度は慧からだった。
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おはよう。
姫乃から連絡来た?
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来たとも。同じように慧にも連絡がいっている……というか、慧は普通に知っているから確認のための連絡だろうか。
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うん、来たよ。
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いつもの慧からの連絡はすぐに返す必要がないものが多いからすぐに返すことは少ないが今回の件は明日のことだからすぐに返した。数分後、返信を知らせる通知音が鳴る。
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おっけ(^^)
じゃあ明日な。
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本当にただの確認だったのだろう。
返す必要はないと思って、携帯を離そうとして、慧に返信を打った。
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明日駅まで一緒に行こう。
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慧の家と僕の家は近い。駅に行くのだって同じ道を通るし、集合時間は同じだから自然にそうなると思うが、一応。
それにしても、相坂さんは何で僕を誘ったんだろう。男が慧一人だったからか、いや、それなら他の男子を誘えばよかったと思う。
いつも本ばかり読んでるから気にしてくれてた、というのなら、僕はよほど周りとの接点がなように見えるのか。
考えてるうちに、通知音が響いた。
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はいよー、じゃあ朝迎えに行くからd(^-')
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相坂さんは絵文字を使うが、慧は顔文字をよく使う。
まあ男で文面に活気を見せるには顔文字が一番合うんだろう。……僕は使わないけれど。
一通りの連絡を終え、今度こそ携帯を置いた。