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姉御の婚活バックアップ

「で、姉さんはどうなんです?」


前園の問いかけに、よくぞ聞いてくれた、と言いたげなほど目を輝かせて酒井が口を開いた。


「赤西が紹介してくれたんだけど、めっちゃ優しかったんよ~。車を回してくれて、ドアも開けてくれて。紳士にだった~。」


「いや、姉さん。今までどんなやつとつきあってたんスか!!」


「やさしいって、やさしいって・・・?!」


嬉しそうに言う酒井に、あまりのことに前園と黒岩が驚いてつっこんだ。


「だって、今までのやつ、自分のことばっかりなやつが多くて、私に親切にドア開けてくれたり、丁寧なメールくれたりしたの、初めてだったんだもの~。」


ぷうと頬を膨らませてみせる酒井に、沢木が頷く。


「ようやく、姉御にふさわしい人がやってきたわけですね。赤西、えらい!!」


「ですよね~!ほめて、ほめて~!!」


沢木からほめられて、赤西が調子に乗る。


「赤西、えらい!」


「赤西、すごい!」


「赤西、自分も早く見つけろよ!」


「うっさいです、黒岩さん!!」


前園と村山にほめられ、天狗になっていた赤西に、ぐさりと黒岩が突き刺した。


「で、赤西とどういう関係の人なの?だって姉さんより年上でしょう?」


村山に問われ、赤西は真面目な顔で答える。


「他社との打ち合わせの中で会った人なんです。仕事が丁寧で、話しかけやすい人だなぁって思って、仕事の後でみんなで飲みに行って、連絡先交換したんです。今もたまにみんなで飲みに行きますよ。」


「赤西さん、アクティブだねぇ。」


「村山さんも、今度飲みに行きましょう!」


「カクテルか果実酒のおいしいところでよろしく。」


「了解です!」


赤西が元気いっぱいで答えた。


「そろそろ連休ですけど、姉さんは旅行とかその人と行くんですか?」


「それがね、ドライブに行こうかって話になってる。」


沢木が酒井に尋ねると、酒井は嬉しそうに微笑んだ。


「めっちゃいいですね、それ!!」


「やった、これで結婚に一歩近づきますよ!!」


沢木、前園が盛り上げると、黒岩が楽しそうに付け加える。


「よし、これで夏祭りにはプロポーズっすね!」


「それは早すぎるでしょう。」


「えー、じゃあ、夏に宿泊して、クリスマスにプロポーズだ!」


村山につっこまれ、黒岩はさらに盛り上げる。


「お!それいいねえ。」


「そうなるように、姉さん。男を落とすテクニックを伝授しましょう!!」


前園と沢木が悪のりし始める。


「え~!それ、何ですか!私も聞きたい!」


「それは聞きたいですね!」


「俺も聞きたい!」


沢木の言葉に、赤西、村山、黒岩がのる。


「最終的に、姉さんがたぶん移動になる来年の春には結婚式の予定を立てられるように、俺たちがプロデュースしますよ!!」


「頼むわ、沢木!うちらの中で唯一の既婚者、あてにしてるよ!」


沢木がものすごくやる気を見せると、酒井が楽しそうにのり、


「あてにしてください!姉さんを全力でバックアップします!」


「俺も愚痴聞きます!」


「俺は酒を用意します!」


前園ものり、黒岩がのり、


「私が一番の貢献者ですよ、何せ私が紹介したんですからね!」


「うん、そうだね。赤西は功労者だよ。で、私たちは未婚だし、役に立てるように一緒に話を聞いておこうね~。


赤西が張り合うと、村山が赤西をなだめにかかった。


「次、夏に宿泊できるように、いろいろ仕込んでおきましょう!」


沢木たちによる、姉御のバックアップ作戦の話は夜中まで続き、閉店のため、店から追い出されるまで、延々と話し続けたのだった。

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