酒井組=酒を飲もう
「今日、行ける?」
酒井が勤務時間が過ぎると声をかける。
「行きますよ~。」
一番に前園が手を挙げる。
「ねえさんの誘いは断れませんよ~。」
嬉しそうに応える黒岩。
「あたしもこれ終わったら行きますー!!」
書類の束を振りながら赤西が振り返って声を出す。
「あんな遠くからありがとー!」
部屋の反対側で返事をし合う酒井と赤西。
「村山ちゃんはどうする~?」
酒井が村山に声をかけると、村山が嬉しそうに笑う。
「行きます!誘ってもらえて嬉しいです!」
「で、沢木君は行かんの~?」
「あー、行きますよー。ただまだこれが終わるのがだいぶ先になりそうなんで、先に始めててくださいー。」
酒井が沢木に声をかけるが、書類の山に埋もれている沢木は顔だけ酒井に向けて応えると、すぐに書類の山へと消える。
「んー、わかった。がんばれー。」
「で、姉さん、どこに行くんですか?」
前園が酒井に携帯を持って尋ねる。行き先までのルートを調べたいようだ。
「どこ行こうかな~?何食べたい?」
酒井が問いかけると、すごい勢いで赤西が手をあげて寄ってくる。
「らーめん!ラーメンがいいです!」
「じゃあ、来来軒行く?」
「あそこ、おいしいっすよね~?」
酒井の提案に、前園が答える。
「いいですね~。」
「どこでもいいですよ~。」
黒岩が賛同し、村山がにこにこ答える。
「じゃあ、一番近い来来軒に・・・7時半、集合な~。」
「「「「は~い!」」」」
酒井の声に声をそろえて返事をする若者たちを、元気がいいねぇと見守る上司たちの姿があった。