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朝の言葉のキャッチボール 沢木と赤西①
ある日の始業前。
まだ早いため、いるのは沢木と赤西だけだった。
「沢木さ~ん、これ、うまくいかないんですけど~。」
赤西のパソコンを沢木が覗きこみ、いい笑顔を見せる。
「ん~?がんばれ~!」
「む~り~で~す~!」
赤西がデスクに倒れ込む。
「いやあ、それ、俺じゃあ許可できないしさあ。」
「なんとかしてくださいよ~。」
「梅倉さん(客)に突撃!!」
「無理です~!!」
「そういうときはなあ、あの手この手でどうにかするんだよ~。」
「沢木さん、無茶ばっか言う~。」
「おはようございま~す。」
そこへ、村山がやってくる。
「ちょっと村山さん~、聞いてくださいよ~。沢木さんが意地悪言うんです~。」
「いやいや、俺は意地悪なんて言ってねぇよ。社会の厳しさを教えてたんだって。」
「・・・いっつも朝、楽しそうですよね。沢木さんたちの話、聞いてておもしろいもの。赤西さん、かわいがられてるんだよ~。とはいえ、私は赤西さんの味方~。」
「村山さ~ん!」