無能な前世をトラックで轢かれ逃げ! 異世界で手に入れた最強の力は、面倒な努力を全カットしてハーレムを作るためだけに使います。
「努力は裏切るが、設定は裏切らない。これ、新世界の常識ね」
「あー、最高。指一本動かさずに『愛してる』が聞ける。前世の俺が見たら、あまりの理不尽さにショックでもう一度トラックに飛び込むだろうな」
俺は、傾国級の美女三人に膝枕をさせながら、虚空に浮かぶ設定画面を操作していた。
俺が手に入れた最強の権能、それは『努力・プロセスの完全スキップ』
恋愛における「出会い、会話、デート、告白」という面倒な手続きをすべてカットし、いきなり「心中してもいいレベルの好感度」からスタートさせる魅了の極致。
勇者様、あちらの国の姫君が、あなたに全財産を捧げたいと門の前で切腹しそうな勢いです」
執事の報告に、俺は欠伸を噛み殺す。
「いいよ、適当に『魅了』の出力を上げといて。あ、あと隣国の聖女も追加で。
俺は『ステータス閲覧』で、自分にひれ伏す女たちの内面をチェックする。そこには「依存」「狂信」「執着」といった物騒な文字が並んでいるが、俺は満足げに頷く。
「いいんだよ、これで。心なんて通わせなくていい。中身が空っぽなのは、俺の履歴書と同じだ。……あ、そうだ。魔力が無限なんだから、この国の食料問題も解決しとくか」
彼は面倒そうに指をパチンと鳴らす。本来なら数十年かかる大規模な灌漑工事と土壌改良が、一瞬で完了した。
「よし、これでまた数万人分の『感謝(奴隷志願)』が手に入る。




