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ヘロシオン  作者: Okays
4/5

サラヒール(ブラッドワット)CP 4

丘へ向かう途中で:


木々の間から音が聞こえた瞬間、カリラはオーカイスの背後に隠れた。

あたりは風のささやきと、カリラの早まる鼓動の音だけが響く静けさに包まれていた。

オーカイスは木々の間を注意深く見渡したが、何も見えなかった。


オーカイス:(皮肉っぽく)

「案内役が怖がってどうする。」


カリラ:(恥ずかしそうに、でもプライドを保って)

「ふん、誰が怖がったって?あなたの背中を守ろうと思っただけよ。」


オーカイス:(笑いながら)

「まあ、いいさ。進もう。」


彼らは木々の間を抜けて、鳥がいるという丘の頂上へと向かって歩き続けた。

だが、その道中で再び静寂が訪れた――今度は何者かの足音が森の中から聞こえてきた。

そして突然、木々の間から小さな体に長い脚を持つ奇妙な獣たちが現れた。

彼らは「樹の獣」と呼ばれ、別名「サラヒール(Sarakhiiru)」とも呼ばれていた。

非常に素早く動き、小さな短剣で戦うのが特徴だ。


オーカイスはこれまでに見たことのないその姿に、緊張と恐怖で足が震えた。

サラヒールの数は非常に多く、カリラは膝をつき、「これで終わりだ」と思った。


それでも、オーカイスは恐れながらも勇敢に立ち上がり、自らの血から剣を作り出して彼らの前に立ちはだかった。


戦いが始まった。サラヒールたちは極めて素早く、オーカイスは一つのミスで傷を負ってしまう。

彼は全力で戦い、多くの敵を倒したが、次第に体力が尽き、倒れそうになった。

まだ敵は残っている。彼の中で「諦め」の言葉がよぎる。


そのとき、頭の中に声が響いた:


「今、諦めるのか?

これが終わりだと思うのか?

これが、お前のすべてだと思っているのか?

あれだけの修練のあとでも、まだ弱いままなのか?

力が欲しいか?

勝ちたいか?

――そう思うなら、私の名を叫べ!」


「ブラッドワット(Bludowatto)!」


オーカイスにはもう選択肢がなかった。

彼はその名を叫んだ――「ブラッドワット!」


すると突然、彼が倒したサラヒールたちの血が空中に集まり、巨大な球体となった。

その中から鋭い糸のようなものが現れ、動くたびに無数のサラヒールを切り裂いた。

糸は止まることなく敵を切り裂き、森の緑は真紅の谷へと変わった。

ついにすべてのサラヒールは倒れ、オーカイスは驚きながらも立っていた――

だが、直後に倒れ、数時間意識を失った。血を大量に使い、体は限界だった。


カリラは木の下で、そっと彼の看病をしていた。



---


日没の一時間前:


オーカイスは目を覚ました。頭は激しく痛み、腕には力が入らなかった。

それでも、最初に出た言葉は――


オーカイス:(苦しそうに)

「カリラ……大丈夫か?」


カリラ:(少しかすれた声で)

「自分の心配をしなさいよ。私は大丈夫。あなたがいなければ、私はもう……。

あなたに命を救われたわ、オーカイス。」


オーカイス:(痛みながらも笑みを浮かべて)

「自分を守るための戦いが必要だった。

でも、本当に……君が無事でよかった。

さあ、鳥のいる丘に行こう。」


カリラ:(怒り気味に)

「今のあなた、足もまともに動かせないのに丘に行くって?

今日はここで休みましょう。もうすぐ暗くなるし、夜に動くのは危険よ。」


オーカイス:(うなずいて)

「……そうだね。君の言うとおりだ。今夜はここで休もう。」


二人は静かに火を焚き、大きな葉をかぶって体を温め、その夜を森の中で過ごした。



---


翌朝、日の出とともに――


オーカイスは目を覚ました。

昨日よりはるかに元気で、鳥の巣があるという丘の頂上へ向かう気持ちでいっぱいだった。


つづく...

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