表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最弱伝説〜最弱の英雄〜  作者: みりんタイプR調味料
24/49

アリスへの気持ち


噴水広場に駆けていく、やっとアリスと二人きりになれる…


なんか久しぶりな気がする。


出逢ってしばらくは二人だったんだが…悪霊を除けば!




『おい!悪霊!』


『……………』


返事がない、寝てんのか?





げっ!!




「うわ、あの人綺麗…」

「人狼族か、最近は珍しい」




ドレス姿のまま噴水の縁に腰掛けているアリス…ドレスのまま来たよ…この娘…


まあそれも見てくれ気にしないアリスらしいか




「タカヤ…」


「おう、待たせたな」




不安そうな顔をしていたアリスの顔が少し明るくなる…

最近は本当に表情が豊かになった。


「さっきも言ったけど別に避けてるわけじゃない…」


「アリス!呑みなおそうぜ!!」


「いいけど…」


ここじゃ目立ち過ぎる…場所変えたほうが無難だな。



…………………




三階建ての屋上にある呑み屋に来ていた、観葉植物が置かれ松明の灯りが微かに場を照らす…


人は少なく落ち着いた店だ。



なかなか良い雰囲気…高そうだけど…仕方ない。


聞きたいことは沢山あるが、大衆酒場で乾杯!って話でもないし



「なあアリス、なんかあったのか?その…あの時…のは…」



汗をかいたグラスに入ったカクテルらしきものを両手で持ちチビチビ呑むアリス。


酔ってるのか少し紅潮する頬にトロンとした眼…くっそ…可愛いな!



「わからない…」


は?


「自分の感情が理解できないし…どうしたらいいのか分からない…」



「ただ何かを伝えたかったら…そうなった…」



あ…そうかアリスは10歳の頃には戦争に巻き込まれて…恋愛感情なんか……



は!!!!いかん、いかん!



コレは罠だ!!


少し優しくされたり、気のある素振りを見せられたら自分の事が好きなんじゃないか!


と錯覚する…よくある童貞イマジネーションじゃないか!



危ない危ない…


俺はアリスより8歳も年上なのだ。


ここは余裕のある大人の対応を…



「アリス…それは…さ」



「気の迷いだと思うよ♪」



何を言っとるんだーーー!!!俺は!!!



「違う……」


俯き気味で溜めるように言うアリス


「迷ってなんか…ない…タカヤが死んでも…覚悟はできてる…」



なぜ俺は死ななきゃならんのだ!?



「タカヤは…私のこと、どう思ってるの…」



どう?どうと言われてもアリスはアリスなわけで??




しばらく沈黙が続く…


間に耐えられなくなり、グラスの酒を一気に飲み干す。


ブランデーを水で割ったみたいな味だな。



「俺はアリスに幸せになって欲しいと思ってる!!」



正直な気持ちだ!



「私に…」



「俺はアリスの過去のこと知らないし、何で心を閉ざしたかも知らない…でも理屈じゃねーんだよ」



「理由はわからん!!ただ最近のアリスは俺に冷たい以外は嫌いじゃないぞ!!!」



親指を立てて顔の筋肉引き千切れるんじゃないかとおもう程スマイルしてみる。


歯とか光らねーかな。





「ぷっ……はは!何よ、その顔不細工ね♪♪」





笑った!!アリスが笑った!


やっぱ笑った顔が一番可愛いよ!!ちきしょーーー



「アリス!今日はトコトン呑むぞ!!!俺に勝てるかな!」


「お酒も弱そうなのに、よく私に挑めるわね!」



ガン!!



空のグラスを叩きつけるようにテーブルに置く。


「おかわり!!」

「おかわり!!」




……………………………




半端じゃないぞ……この女は…



テーブルに起ききれない程の空のグラスに突っ伏す。



「もうお仕舞いかしら♪」



チョーさんに散々呑まされて、体質的にも自信あったのだが…



ジーザス!!せめて酒だけでも勝たせてくれ!!!



パタン……


スー…スー……




アリス……?


寝てしまった…


勝った……勝ったぞ!エイドリアーーーーン!!!




………………




アリスを背負いながら、王宮に向かう。



「やっぱ元の世界より星の光がすげーな」



時間は深夜になり、もう誰も出歩いていない。酔いは少し冷めてきたが、まだフラフラする。





『フザケて誤魔化して良かったのか…アリスはお前のことを…』



やっぱ見てやがったか悪霊、趣味わりーな…



『卵から孵ったヒナみたいなもんだろ…一時的なもんだよ』



エドワード王が言っていた【共感能】ってやつで、ソフィアがアリスの心を開いてくれたんだろう。



『だがお前は…』



『ああ…俺はアリスに惚れてる』



いつからだ……たぶん…最初から…



『大事にしたいんだよ…アリスの事を……傷つけたくない、それが恋愛感情かどうかも分からないのに手出せるか』



『自分が傷つきたくないだけじゃないのか?』



『それもあるかもな…』



スースーと眠るアリス寝息が耳に触る。



アリス……


卑怯かもしれないが、アリスを降ろし正面から抱きしめる……

アリスの髪の香り…華奢な肩…







「好きなんだよ……どうしようもないくらい……誰よりも………」






………………………………





朝…王宮の客室にマックスが横たわる。



やはり白目のまま反応が無い…


「マックス様の心を探ってきます」


いつものドレスじゃなく、なにやら神聖な衣を纏ったソフィア。



「あまり深くまで潜るのは、本人のプライバシーもあるので気が進みませんの…」



「悪いとは思うけど頼むよ」


「ソフィアなら大丈夫よ」



俺達は何もできないが、アリスの心を救ったソフィアなら、きっと


「行ってきますわ」



目を閉じるソフィア




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ