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異世界最弱伝説〜最弱の英雄〜  作者: みりんタイプR調味料
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再会


「なんで…」



なんで…  なんで…




理解ができない…意味がわからない






私は彼を殺していた






ルークが重ならなければ、躊躇いなく命を断った。



死は…そのへんに転がっていた


何も珍しいことじゃない、虫を潰した事を気に病む人間は居ない



消えて無くなる



死とは……ただそれだけのこと



多くの屍を…何度も見てきた…


何度も何度も何度も何度も



ただ過ぎていく日々に積み上がる屍…



死に怯える者、達観する者、泣き叫ぶ者、ひれ伏す者



色々見てきた


ただ沢山積み上がる…亡骸………



あの男の達観は間違いなく死を悟った者の顔だった………




なのに!!!!!なんで!!!!




殺した相手にヘラヘラ屈託なく寄ってくるのか!!!!理解できない!!!!!!



今まで殺してきた屍が蠢くような気がした…

それは私に纏わり付き笑っている

……






正気を保つ


「なんで…来たの…」


静かに…ゆっくりと…それが精一杯の声だった。


「そ…それは…オマエの胸を!いや お前を真人間にする為だよ!」



「アンタにだけは!言われたくない!」



調子が狂う…心が和む…


心?心なんてものが、まだ私にあったのか…



彼はまた、私に笑顔を向ける。


どれだけ酷い目にあっても、国に帰ることができなくとも


死と向き合っても、また死を選ぶような真似をしても




最初に逢った時と変わらぬ笑顔を私に…


この男は狂っている




私には理解できるはずもなかった…







…………………




アリスの様子がおかしい…



まさか!!!キースの野郎に、越えてはいけない最終防衛ラインを突破された後だったのか!



いつもの呆けたような無表情なのだが、どこか哀愁を漂わせたアリス



「もう関わらないで…」




はーーーん!やはり行くとこまで行って自暴自棄に!



「嫌だ!!俺はお前を真人間にすると決めたんだ!」



「なんなの…それ…私に付き合わず国に帰ればいいじゃない…」



「あ〜…もとの世界か…あれはどうでもいい…」


「どうでもって…」



「俺は自分に正直に生きようと決めたんだよ!お前を真人間にする!それがMy way!!」



沈黙を続けるアリス



あっ…やっちゃったか…

何か痛いこと抜かしてるわ 

なにこいつ…ストーカー きもっ…


とか思われてるに違いない。



背を向け海に向かうアリス

昼下がりの太陽がキラキラと海に反射する。


エメラルドグリーンに輝く夏の大海を向きアリスが言う。


「保証は…できない…」


は?


「なんだって?」


「これから…人を殺さないのは保証できない…」




振り返るアリス





「でも!頑張ってみる!」




風が吹き抜けアリスの銀髪がキラキラと太陽の光を受けて輝く



なんだよ…こいつ…ちゃんと笑えるんじゃねーか。



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