保険証の不正利用は多い?
「マイナ保険証を利用すれば、保険証の不正利用を防げる」
マイナ保険証のメリットの1つとして、このような理由が挙げられています。
保険証の不正利用はいけないことです。
減らせる方法があるのなら是非ともやっていくべきだと思います。
しかし、現行の保険証は本当に不正利用が多いのでしょうか?
最近、SNSの書き込みや政治家の発言で不正利用について発言されているニュースをいくつか見る機会がありました。
なんと年間600万件、その処理のための経費は1,000億円を越えると推定されているそうです。
こんなにあるのか!?ととても驚きました。
なぜなら、私が今まで仕事をしている中で出会ったことがないのですから(気付かなかった可能性は否定できませんが)
疑問に思い調べてみると、この数字は2003年のもので、しかも医療機関での保険証の入力ミスや、資格喪失をしているのに患者さんが誤って使用してしまった場合も含まれているそうです。
というかこの2つの理由がほとんどだと思います。
また、1000億円という数字の根拠もないそうです。
国保の場合に限りますが、2017年から2022年までの5年間での不正利用は50件です。
国保加入者約2,500万人に対して、1年に10件という数字は、かなり少ないのではないでしょうか?
それよりも、マイナ保険証の紐づけミスの方が多すぎる気がします。
いくら始まりの時期とはいえ2021年10月から昨年11月末までに7312件も起きているのは異常だと思います。
私の職場では、紐づけではありませんが、保険の入力ミスが今年1件ありました。判明した時点で保険元へ訂正依頼をしましたが、訂正されたのは2ヶ月後でした。
ちなみに、従来の保険証は合っていましたので、今後は保険証を使うと患者さんはおっしゃっていました。
間違えているものがすぐに直されずにマイナ保険証が使えない。
もし従来の保険証が廃止されていたら、この患者さんは保険の資格があるのに自費で払い続けなければならないところでした。
保険元も処理数が膨大すぎてきちんとできていないのは明らかです。
こんなに急ぐ必要があるのでしょうか?
健康という究極のプライバシーだからこそ、もっと時間をかけて慎重にすすめるべきだと強く思います。