表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
兎になった男のよくある話  作者: 羽海 シュウ
7/31

兎のお勉強

俺はアレナを連れてきたが、穴の底でイノ獅子が暴れまわっている。


『...どうしようこれ。』


『リュートって強いんだね。』


『今回は運が良かっただけだよ。それよりどうやって仕留めたらいいかな?』


『魔術で何かできないの?』


『ちょっと試してみるか。』


俺は魔力のブロックを上から落としてみた。


魔力はイノ獅子の頭に当たってコテンと倒れた。ダメージは微塵も入っていないようだ。

魔力には重さが無いようだ。


『駄目だな。全然ダメージになっていない。』


今度は極限まで薄くしてみる。

イノ獅子に当たるとさっきと同じようにダメージは無い。


『駄目だ。どうしよ?』


『イノ獅子をどうやって落とし穴に入れたの?』


『えっと、魔力の板を埋めて、そこから上に伸ばしてかべをつくった...あ、そうか。』


俺は魔力に地面を掘って乗せて、その下に尖らせた魔力を付ける。土の入った箱の下に棘が付いているような形だ。魔力はイノ獅子に刺さり、絶命させた。


『よし、出来た。』


『すごいねリュート!私そんなこと思いつかないよ!』


まぁ元中二病だしな。無駄な知識は多い。


俺は魔力の板にイノ獅子を乗せてアレナと巣に戻る。





----------------------------------------------------------------------------------------




『おばぁちゃんただいまー!』


『お帰り、何だい二人でそんな大物仕留めてきたのかい。まるで番だね。』


『ははは...』


『ちょっと!おばあちゃん!』


アレナは焦っているが愛想笑いしておくしかない。申しはけないが兎はなぁ。本能が反応しても理性が止めに来る。


『リュートは今日この後どうするんだい?』


『これからちょっと魔術で色々試してみます。』


『そうかい、あまり無理しないようにね。』


俺は三匹で飯を食った後一人で巣を出ていった。



アレナもつれていけばいいじゃないかって?

連れていけないんだ。

さっき本能が反応してるって言ったろ?

そういう事だ。反応してんだよ。

どうしたらいいんだろう。俺の息子が凶悪な姿になっている。

兎の性欲が凄いって本当だったんだな。

これ、落ち着くんだろうか。

兎の手じゃナニもできない。


仕方ないので瞑想でもしてみる。

自分の中にある魔力を感じとって、体の中を巡らせる。

何だか変な気分だ。体の中を巡っている感覚がわかる。気持ち悪くは無い。

どちらかと言えば疲れが取れるようだ。


暫く瞑想しているとワルスが来た。

慌てて下を見ると俺の息子はもう落ち着いていた。


『そんなに慌てなくても若造のモノでどうこうしやしないよ。』


ばれてました...恥ずかしっ、兎に角話をそらすために話しかける。


『ど、どうかしましたか?』


『いえ、我流で魔術を進めているのに興味があってね、何か分からないことが有れば年よりの知識を貸してやろうと思ってね。』


『それはありがたいです。分からないことが多すぎて。』


『まぁ、ほとんど我流でイノ獅子を倒すのはなかなか凄いけどねぇ。』


『で、質問なんですが、魔力って何なんですか?ワルスさんに魔力を流してくれるまで、自分の中の魔力にも気づけませんでした。なのに一度気づくと、魔術を使うこともできた。何故なんでしょう?』


『それはね、私たちには魔力を感じる器官が有るからさ。個体差で大きさはそれぞれだけれど、すべての生物にある。それが覚醒したんだよ。』


『かくせい?何故すべての生物が持っているような器官が覚醒していない状態なんだ?』


『それは生まれてすぐに魔力が使えると暴走しやすい、というか暴走してしまう。だから、器官は機能せず、周りの手で覚醒させる必要が有るんです。』


『そうなんですか、でもその情報を知らない種族はどうするんですか?』


『知らないなんてことは無いと思うけどねぇ。みんな本能的に分かっているものですよ。』


『で、結局魔力って何なんですか?』


『魔力は生命の源、力の源、血の様に生物に欠かせないもの。色々な説はあるけど、私はこう思うわ。』


『そうですか、ありがとうございます。』


『魔術は自分で進めることにも意味が有りますからね。使い方などは自分で色々試しなさい。まだまだ若いんだから、失敗出来るんだしねぇ。』


『はい、ありがとうございます。』


『それじゃぁ私は戻ってひと眠りするよ。』



ワルスはそう言うと巣の方に戻っていった。

しかし色々知っているもんだな。今度またいろいろ聞いてみよう。



----------------------------------------------------------------------------------------



そのあと色々調べた結果色々分かった。


先ず、魔力の性質を変えたりはできない。

これは、粘性を持たせたり、温度を変えたりすることはできない。


次に魔力には重さは無い。これはイノ獅子を狩っているときに薄々分かっていたがやっぱりどうやっても出来ない。


そして出来ることは、大きさ、形、密度に関してはかなりの自由度が有る。

魔力の籠め次第で割れやすくなったり、馬鹿みたいに硬くなったりもする。


それと、魔力はかなり持っていかれるが、遠隔で動かすこともできる。

動かさに分にはあまり魔力はかからないが、手の届かないところで動かすと一気に持っていかれる。


しかし、考えて使えばかなり良さそうだ。


俺は魔術のお勉強を終えると巣に戻り、久しぶりのお肉にありついた。

生だけどね。明日腹を下さないか不安だ。

まぁ寝る分には大丈夫そうなので、今日は寝ることにしよう。


明日からは特に予定も無いしのんびり過ごそう。

もう直ぐ学校が始まってしまうんですよね。

来年からまた一年上がって忙しくなるんでしょう。

リュートはそんな事はつゆ知らず生きていきます。

そろそろ物語を回したい。けどまだ早い気もする。

ま、決まってないんですけどね!

良ければ次回もよろしくお願いします!

では|・∇・)ノシ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ