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兎になった男のよくある話  作者: 羽海 シュウ
10/31

兎の侵入

今回は少しグロ注意です。

『俺はリュートだ。お前は何という?』


「僕はヘレスって言います。」


『ヘレス、まずはどうにかして街の中に入らなければならない。何か方法は無いだろうか、』


俺がヘレスに聞くと暫く考えた後に申し訳なさそうに答えた。


「難しいと思います。人間は獣人の事をすっごい毛嫌いしていて、獣人の入国が凄い厳しいんですよ。それこそ高名な冒険者とかじゃないと入れないんですよ。」


『そうか、じゃぁテイマーとかは居るのか?』


「え?はい、魔力によって魔物と契約を結んで戦う人はいます。」


『分かった。なら俺はお前のテイムモンスターとなろう。』


「えっと、何でですか?」


『お前は冒険者になれ。冒険者になれば金銭面や情報、移動の面でも良いものだ。そうだろ?』


「ええ、そうですが、でもどうやって町に入るんですか?」


『良いか?俺はこの街をぐるっと回ってきたがお前の様な状態の人間を何人か見た。然しそいつらはやせ細っているわけではなかった。ある程度の食事は取っているいる体系だった。つまりそいつらはどこかのタイミングで街に入っていると思うんだそれに便乗して町に入る。』


「確かにいっぱいいますけど、門から入ってたりしてたらどうするんですか?」


不安そうに聞いてくる。そりゃそうだろう。確信が無いしな。



『大丈夫だろう。門から入れるならこんなところに居ないだろう。つまりお尋ね者って訳だ。』


「そうなんですか、いつ行きますか?」


『恐らくあいつ等も入るのは夜だろう。まだ時間はあるんだ。情報交換でもしようじゃないか。』






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『いいか、俺の声はお前にしか聞こえない。相当特殊な状況なんだ。本来は同じ種族にしか伝わらないんだが。俺が特殊なせいで偶然波長が合った様だ。だから街に入ったら出来るだけ喋るなよ。』


ヘレスは静かに頷いた。

現在はもう夜でお尋ね者たちの後を付けている。やはり俺の読みは当たっていた様だ。

暫く付けていると一周した時には見つけられなかった壁の穴にたどり着いた。


ビンゴだ。


『ヘレス、穴の向こうに相手が待ち伏せている。恐らく敵と勘違いされたんだろう。大丈夫だ俺が倒す。よく見ておけ。』


ヘレスが頷いたのを見て『いくぞ』と声をかける。


穴に入ると案の定二人が待ち構えていて、一人がナイフで切りかかって来た。

それを魔力の壁で弾く。


「おいおい、獣人のガキ相手に何弾かれてるんだよ。」


後ろに残った残りが野次を飛ばす。


こちらを舐めているようだ。...嫌いなタイプだ。こいつはちょっと使おう。


取り敢えず前にいる奴をやらないとな。ナイフを止めたのがヘレスの目の前だったのですごくビビっている。


まだ俺には気づいていないので隙をついて相手の頭を角で突き刺す。下顎と上顎を通り抜け、まだ少し進んだので確死だろう。


もう一人はまだ何が何か分かっていないようだ。

俺はそいつに近づき、魔術で拘束する。


『ヘレス、もう大丈夫だぞ。』


「は、はい!」


放心状態になってたな。


「くそ!おい!ガキ!何しやがっ


そいつはそこまで言うと急に黙り込んだ。


男は後悔する。自分の無知に。

男は懺悔する。自分の行いに。

男は恐怖する。今まで味わったことのない、本来なら味わう事のなかったはずの自分への悪意に。


『さぁ、では、いただきます』


俺は男の前で死体を食べ始める。

ブチブチと、バリバリと、ゴリゴリと。決して草食獣の歯とは似ても似つかない凶悪な歯で。


骨を少し残し、食べ終わると拘束していた男に振り向く。

男は脅えきって失禁してしまった。

流石にそこは食いたくないな。

俺は男にゆっくりと近づいていく。


「や、やめろ!ば、バケモンが!やめ


あまりの恐怖のあまりに声を出し、叫びだしたので魔力により口周りを固定する。

動いていない相手なら細かい拘束も出来る。


少しはましになったが、唸り声をあげている。


俺は男の足先から指単位でかじっていく。

男の唸り声が大きくなる。

俺は気にせず食べ続ける。

膝を超えた。ここからは汚そうなので、指から行くことにした。

男のうめき声は少し小さくなった。

男の四肢が無くなるころには意識は殆ど、いや、完全に無いようだ。


俺はへその辺りまで食べて口を止める。


『ご馳走様。』


栄養が足りてなかったのか肉も少ないし骨もスカスカだったな。

後ろを振り向くとヘレスは気絶して倒れていた。

まぁ子供には少し厳しかったか。



最期まで読んで下さりありがとうございます。

個人的には中々書いていて楽しいものでしたよ。

まだまだゆっくり書いていきますので宜しければ次回もよろしくお願いします。

では|・∇・)ノシ

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