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第一章☆お兄ちゃんのお古
「ただいまー」
「おけーり」
あれなんだお兄ちゃん珍しくいる。
「恵子さんはー?」
仏頂面。また喧嘩したな。同棲してるアパートから実家に戻ってる。
「お兄ちゃん、学生の頃の制服もらっていい?」
「なんに使うんだ?メルカリでも売れないと思うぞ」
「おいで藤P」
こっそりとついてきた藤Pがドキドキしながらお兄ちゃんと対面した。
「なんだこれ?」
「藤P」
「なんかの小動物みたいだ」
「鳥だよ」
「はあ?」
「着てみてご覧」
藤Pはお兄ちゃんのお古の制服を着た。
思ったより背が高くて手足が長い。イメージ的にふわふわのもこもこな感じがしたのになんでだろう?
「いいんじゃないの?」
お兄ちゃんがアホづらで言った。
「これで学校潜入しよう」
「もう制服モデルチェンジしとるぞ」
「じゃあ、転校生ってことで」
「ほんとに学校?行けるんですか?」
「連れてってあげる」
私はにんまり笑った。