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1.壊れた時計

1.夕暮れの街


ここは、のんびりとした町、花咲町。

今はもう夕方。空は真っ赤だ。

カラスが鳴き、小学生が縦笛を吹きながら帰っていく。

「ピー、ピピー…どうだすげーだろ!」

「なに言ってんだよ、僕の方がすごいもんね。」なんて言いながら‥


さて、ここに花咲第一中学校という学校がある。この物語はここの3人の中学生が繰り広げる、とてもゆかいな物語−



ガッシャーン!窓が割れる音、そして先生の怒鳴り声。

「水嶋ー!またお前かー何度言ったらわかるんだ!校内でサッカーボールを蹴るなー!!」

この先生は森高知良(もりたか かずよし)

少し太っていて生徒からは、ぽっちゃり森高というあだ名で呼ばれている。

そして、そのぽっちゃり森高にこっぴどく叱られたのは、花咲第一中学2年A組(みずしま) 水嶋慶治(けいじ)

みんなからは、ケイジと呼ばれている。ケイジは昔からサッカーが大好きで暇さえあればボールを蹴っていた。

スポーツ万能だが勉強はまるで駄目。

性格は明るく、クラスのムードメーカー的存在。

「今度からは気をつけろよ!」

「はい、すいませんでした。」

ケイジがやっと森高から解放されて教室へ戻ろうとすると2人の男子生徒が笑いながらこっちを見ていた。「ケーイージー君、また森高に怒られてたね〜、ププッ」

そう言ってケイジのことをバカにしているのは同じクラスで親友の小早川弘毅(こばやかわ ひろき)

ケイジと同じサッカー部でエースだ。

成績も学年でトップクラス、何事にも冷静でクールなケイジとは正反対の性格だ。みんなからはコバと呼ばれている。


そして、その光景をにっこりしながら見ているのは2年C組の牧広太(まき こうた)

ケイジとコバとは幼稚園からの仲良しトリオ。

部活は柔道部で初段の持ち主。

だが、その体格とは反対に心優しく、いつでも笑っている。

広太は特にあだ名はない、本人はそれが一番の悩みらしい。


さて、こうして揃った3人を待ち受けついる壮大な物語はある些細な出来事によって始まるのである−

ある日のこと、学校も終わった放課後−


ケイジら3人は家が近いので毎日一緒に帰っている。

今日もくだらない話をしながら歩いていた。

そんな中、珍しくケイジ口数が少ないことにコバが気づいた。

「どうしたケイジ?なんか元気ねーけど」

「べ、別に‥な、なんでもねーよ」

広太が口をはさむ、

「悩み事でもあんの?」

「悩みっていうか〜、困り事っていうか」

「もう、いいから言えってば!」

「わかったよ!言うよ、と‥とけ‥い…」

「はっ!?なんて??」

「と…時計が壊れちゃったんだよ!」

ケイジが大きな声で困り事を発表すると2人は、

「え‥そんなことかよー心配して損したわ!」

「そ‥そんなことってなんだよ、俺があの時計をどんだけ大切にしていたか、お前らだって知ってるだろ」

ケイジの突然の怒鳴り声に2人はビクッとした。

「わっわかった!わかったから落ち着けって」


2人は暴れかけたケイジをなんとか抑えた。

「はぁ、はぁ…ごめん、なんか時計が壊れたことに焦っちゃって、それでお前らに八つ当たりしちゃって…ごめん」

ケイジがあやまる。

「いや、俺の方こそ笑っちゃったりして、ごめんな」

コバがあやまる。

「はぁ〜、でもどうしょう時計…」

ケイジが座り込む。

そこに広太がニコニコして来て、ケイジの肩をポンと叩く、

「時計は壊れちゃったけどさ、修理すればいいんじゃないの」

ケイジが目を丸くした。

「…あっその手があった」

「はぁ…遅ぇよバーカァ」

コバが呆れた顔で言う。それに対してケイジがキレる、

「あぁ?じゃあお前は最初から気づいてたんかい!それならもっと早くから言えやボケ!カス!アホンダラ!ボケ!カス!アホンダラ!ボ…」


広太が急いで止めに入る、

「もう!ケンカしてる場合じゃないって、早く修理に出さないと」

「そ、そうだな早く修理に出さねぇとな」

「あぁ、そうだな、で、広太?時計屋ってどこにあんの?」

コバが聞く、それに対して広太が答える。

「ここだよ。」

広太が指差したのは、なんと3人の真ん前にある古びた家だった。

さすがに真に受けないコバは、

「バッカじゃねぇの、違うに決まってんじゃん、怪しいから入んなよ、そんなとこ」

広太が言う、

「あの〜…もう入っちゃったんですけどケイジ」

「はぁ〜!っもうあのクソあほっ!…おい広太、俺たちも行くぞ!」

「もー待ってよ〜」


こうして、ケイジ、コバ、広太の3人は謎の時計屋の中へと入っていった−

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