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「奇妙な夢」第二話

琉斗「おはよう……はぁ……昨日は散々だったなぁ……先生の話は長引くし、親には怒られたし……ってか、先生の話長過ぎだろ……」


そう朝っぱらから呟いて学校の支度をするのだった。


琉斗「行ってきます。」


母親「気おつけて行ってらっしゃい。」


いつもそんなことを言わない

母親が珍しく返事をしてくれたので


琉斗「はいよ。」


そう言い、ニコリと笑って返事を返して家を出た。


黄葉「おっはぁ~」


琉斗「…………」


黄葉「ん?どうしたの?そんなにボケーってして……」


琉斗「どうしたの?じゃねぇよ!?」


黄葉「うん?」


琉斗「何で私の家知ってるの!?怖っ!?

貴様はまさかストーカーか!?」


黄葉「なわけないっしょ」


琉斗「じゃぁ、一体なんだよ……」


黄葉「いやー、昨晩は気になって後をつけてみたんだよ、

そしたらこの通り、琉斗の家が分かったってことだよ。」


琉斗「いやお前ついてきてる時点でストーカーだから…」


黄葉「そんなことないぞ!?危なくないか心配だから

付いてきたんだからな!?寧ろ感謝して欲しいくらいだ!」


琉斗「いや危ないのは女である黄葉な…

私はそれなりに力あるから…

まっ、ストーカーなのには変わりないけどなぁ?」


黄葉「僕だって力はあるぞ!?

それに別にいいだろ!減るもんじゃないし!」


琉斗「私の精神が減りまする。」


黄葉「ふっ、琉斗の精神なんか知ったこっちゃないね。」


琉斗「うわっ、酷っ!」


黄葉「それを言うなら僕をストーカー呼ばわりした琉斗の方が酷いのでは?」


琉斗「嫌だってストーカーだもん」


黄葉「ま、まぁ、兎に角…が、学校行かなきゃ遅刻するよ?」


琉斗「……いやこれ完全に遅刻だ……」


黄葉「なんで?チャイムなるまであと十分はあるんだよ?

琉斗の家から学校までどれくらいかかるの?」


琉斗「……全力疾走で走っても……15分だ……歩いて30分…走って20分だ……」


黄葉「なにやってんの……」


琉斗「くっ!黄葉のせいで遅刻してしまう!」


黄葉「はぁ!?僕のせいかよ!」


琉斗「当たり前だろ!お前と喋ってたら結構時間経ってるんだよ!」


黄葉「でも、時間見てなかった琉斗も悪いからね!?」


琉斗「くっ、それ言われたら何も否定出来ん…」


黄葉「そうだろ?ふっふふ~ん♪」


琉斗「なんだよ、その笑い方は……まぁ、兎に角行くぞ」


黄葉「へいへい」


そして私達は見事に遅刻して廊下で説教を食らったのである。


琉斗「はぁ……黄葉のせいですげぇ、説教食らったし……」


黄葉「いいじゃーん、怒られたことによってお相子だよー」


琉斗「お相子じゃないから、大体お前はまだ、

会って間もないのになんで、

そんなに、遠慮と言うものがないんだよ。」


黄葉「え?うーん……なんでだろ……琉斗…だからかな?」


琉斗「なんだそれ…」


黄葉「よく分かんないけど…普段の僕は人見知りだけど、

なんか琉斗だけには遠慮がないんだよね。」


琉斗「は?」


なんかよくわからないことを喋り出した黄葉であるが、

ほんとにこいつは……アイツと似てる……

いや、性格も容姿もアイツそのままだ。

気のせいかもな…


黄葉「おーい?琉斗ー?どうしたー?」


琉斗「あ?……あ、ちょっとボーッとしてたよ」


黄葉「そっか」


琉斗「……また変な事聞くけどさ、

ホントに昔会ったような気がするんだけど…」


黄葉「“気がする”でしょ?」


琉斗「まぁな…」


黄葉「夢でも見てたんじゃないかな?」


琉斗「夢か……そうかもな」


黄葉「そうだよ。

偶に現と夢を間違える奴が居るからね。

気おつけてね。」


琉斗「そうだな……さて、席に着くか」


黄葉「そだね」



夢…か…夢だったのかもな…

だって、その昔の記憶は薄らとしか覚えてないし、夢だったのかもしれない。


今迄、私の頭に薄らと残ってる少女は一体誰なんだろうか


夢だから気にすることはないと私はそう思っていたのだ。


そして、授業中に目が重くなり、いつの間にか寝てしまっていた。



琉斗「あれ?ここはどこだ?」


気が付くとそこは、私が覚えている、思い出の場所と、とある少女。


琉斗「あ……その……誰?」


私がそう気まづそうに声をかけたら何故か少女はニッコリと微笑し、どこかへ去っていってしまった。


琉斗「え?え?ま、待って?」


そう言い、追いかけようとしたけれど、何故か足が動かず、そのまま先生の声が聞こえたので夢から覚める。


慧音「こら、起きろ」


琉斗「んー……え?…あ……おはようございます……」


寝たらいつも頭突きをしてくる慧音先生がそこに居たことに私は怯えたのだった。


琉斗「はっ!?こ、これは違うんです!!」


慧音「何が違うって?今回は頭突きなしにしてやるが反省文を書け、いいな?」


琉斗「え?あ、ハイ……」


そして、私は反省文を書くことになったのだ。


それから、私はいつも通り授業を受け、放課後になり、反省文を書くために黄葉に先に帰ってもらう事にした。


琉斗「はぁ……最近運ついてないなぁ……入学早々、遠慮がない黄葉と出会って、先生の話が長引き、夜遅く帰って親に叱られて、突然、奇妙な夢みて、起きたら先生に怒られるし、反省文を書かされるし…ってか、反省文って言われても……何を書けば……

まぁ、今日寝た事を反省するんだよな……つらっ……」


そんな文句をブツブツと言いながら反省文を書いて先生に提出して校門に向かった。


琉斗「って、あれ?」


黄葉「遅かったね。」


琉斗「え?は?」


黄葉「なに?」


琉斗「何じゃなくてお前先帰ったんじゃないの?」


黄葉「見ての通り、ずっと此処で待ってたよ?」


琉斗「なんで?」


黄葉「なんでって……気分ってかこんな性格?」


琉斗「なぜに疑問形……」


黄葉「なに?もしかして、僕がここに居ることに驚いてドキッってしてる?

好きになっちゃった?」


琉斗「おい、からかうのはよせ。」


黄葉「つれないなぁ」


琉斗「誰がつれるか!」


黄葉「まぁ、帰ろうよー、あ、待ってたんだからなんか奢ってよ。」


琉斗「ヤダ」


黄葉「えー!なんでー!?待ってたんだよ!?お礼ぐらい、いいじゃん!」


琉斗「ありがとう、これでいいだろ?」


黄葉「ヤダ」


琉斗「じゃぁ、知らんがな」


黄葉「お礼はアイス!」


琉斗「んなもん、この貧乏人頼むな。

しかも、勝手に待ってたのはお前で私は待ってろなんてこと言った覚えもないね。」


黄葉「琉斗の心がそう言った。」


琉斗「人の心を勝手に決めつけるんではない。

ちっさい頃教えられなかったか?」


黄葉「皆無だね!」


ダメだこいつ早く何とかしないと……


切実にそう思った私である。

そうして、そんな感じに会話を交わしながら私達は自宅へと帰ったのだった。

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