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8話 姫様日記

〇月4日


今日、新しい家庭教師がやって来るらしい。


私より年下らしい。


家庭教師が来るという時点でかなり憂鬱なのに、そのうえ私より年下とは。


自慢じゃないが私は勉強ができる方だ。


いかに巷で神童と騒がれていようが、所詮は子供。たかが知れている。


教師らや魔法使いらの間で私の評判が悪いことは重々承知したが、まさか子供を雇わねばならなくなるほどとは思わなかった。


どうせ今までの奴らと同じように自信を無くして、勝手に嫉妬して、勝手に嫌うのだろう。


・・・だったら先に嫌われてやろうじゃないの。


いつも通りに。



〇月5日


今度やって来たやつはいつもとは少し毛色が違うようだった。


今までの奴らは私に暴言を吐かれようが、何をされようが笑って機嫌を伺ってきた。


こんど来た、クロ・スルーズは違う。


何かしたらちゃんと怒るし叱る。


私のことを姫様ではなくちゃんとした1人の人間として見てくれる。


対等に扱ってくれる。


決して愛想笑いを浮かべて機嫌を取ろうとしたりはしない奴だ。


今までの家庭教師とも、お父様とも、お母さまとも、お兄様とも全く異なる奴だ。



〇月6日


今日は彼のベッドの中に、オモチャの虫を沢山ばら撒いておいた。


案の定、彼の部屋から大きな悲鳴が聞こえた。


次の日目を覚ますと、私の枕元に大きな蜘蛛のオモチャが置いてあって思わず叫んでしまった。


悔しい、次こそ勝つ。


〇月7日


授業をサボって馬小屋にいたらすぐに発見された。


彼は私のことをよく観察している。隠れ家をちゃんと発見していたのだ。


今までの家庭教師は私が授業をサボると、仕事をしないで給料を貰えると喜んでいたのに。


彼は結構、真面目なようだ。


〇月8日


扉を開けた瞬間に木刀を叩き付けたら防御された。


彼は日々進化しているようだ・・・。


もっと良い手を考えないと。


〇月9日


庭に仕掛けて置いた水風船が自動的に発射される罠は成功したようだ。


髪から雫を滴らせた彼が部屋に殴りこんできたことから鑑みるに間違いない。


新しい作戦が成功したようで今日は満足だ。


やはり、彼への悪戯について考えるのは楽しい。


ちゃんと怒るし、私のことを見てくれる。


他の人みたいに笑って誤魔化したり、無視したりしない。


〇月10日


廊下に彼の服が落ちていた。


家政婦が運んでいる最中に落としてしまったのだろうか。


私には特に変な、奇妙な、独特な、異常な、趣味はない


いや本当に。本当よ!


・・・まあ何となくそれを拾って、何となく私の部屋に持ち込んで・・・何となく匂いを嗅いでみた。




何がとは言わないが・・・凄かったです。


これは取り敢えず部屋に保管しておくとしましょうか。



〇月11日


今日は危なかった。


一瞬、彼に負けそうになってしまった。


彼は剣術の先生に色々と教わっているように日に日に強くなっている。


剣術、という面のみで言えば彼の方が強いのではないだろうか。


だが駄目だ。私に敗北は許されない。


彼が今、私に執着しているのは私が問題児であり自分より強いと感じているからだ。


もし。一度でも彼が勝利しようものなら、彼はたちまち私への興味を失ってしまうだろう。


魔法で攻撃してしまったのは、正直言って申し訳ないと思っているけど、どうか許してほしい。




・・・・それと可愛いって言ってくれたのはとっても嬉しかったです。



だから・・・明日は少しだけ授業を素直に受けてみよう。








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