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渡環(外縁→第1環)

白一色の空間は、足を進めても広がるばかりだった。

しかし、やがて足元に淡い紋が浮かび、呼吸に合わせて波紋のように拡がっていく。

息を吸えば、かすかな震えが形を保とうとする。

どこからか、低い響きが届く——それはまだ言葉にならない「呼びかけ」だった。


視界の先、白のゆらぎの奥に、うっすらと輪郭を持つ影が見えた。

影は遠くで立ち止まり、ただこちらを見つめている。

何かを告げるでもなく、ただ「そこにいる」という事実だけが、背を押した。


足を一歩、前へ。

波紋は光にほどけ、光の粒は砂となり、乾いた匂いと共に風が頬を打つ。

視界の白は砂色に変わり、きらめきが眼前を満たす。

地は固まり、風は一定の調子で吹き抜けた。そこが、第1環だった。

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