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山崎零次&住友刻哉

「いやぁああああ!」

 夜の商店街を全力疾走中の俺の隣を全力で走っている俺の幼馴染みである住友刻哉 (すみともときや) が皮肉気に言う。

「お前と一緒に居ると面白い事が起きるな?」

「うるせぇよォォォッ!」

 刻哉は因みに万能型で、カッコいい。

 髪は黒く艶があり、目元がキリッとしている。

 更に言うとモテる。

 女の子が顔を真っ赤にしながら告白が来るのは日常茶飯事だ。

 刻哉には男のロマンが詰まっている、とも言われる。

 対して、

 俺――山崎零次 (やまさきれいじ) は不幸を擬人化したような人間である。

 入学式に不良に目を付けられるなんて日常茶飯事だ。

 後輩にタメ口で喋られたり (ただナメられてるだけか?) 、学年で一番可愛い女の子を押し倒してしまって (完全なる事故) 学校中の生徒から袋叩きに遭ったり。

 旅行に行ったら何か良く分からない言葉で「このバッグ持っといて下さ~い」的な台詞を言われて持っていたら中から小麦粉だと信じたい何か白い粉が出て来たりねぇ。

 まあ、流石にそれは稀だけど。

 流石にそこまで不幸慣れはしてないけど。

 俺は、不幸が八十パーセントは詰まってると言われる。

 慣れた所為か涙も出てこねぇ。

「待てやゴラァ!」

 不良達の叫び声。

 腹の底から声を上げる。

「ふっざけんなぁあ! テメェら二十人がかりでちょっとは「あ、僕達酷い事してるな」ぐらい感じねぇのか!」

「感じねぇな! テメェを八つ裂きにする!」

「平穏を下さい! 日本で一番のデンジャラスポイントになるなんて嫌ですよ!?」

 レストランで女の子が絡まれて涙目でこっち見てくるから、助けてやるかなぁと「ドキドキ恋人が助けてくれた作戦」を実行した訳だが……。

 瞬間、ケータイで仲間を呼ばれました。

 まさか、レストランの近くで仲間が居るとは思いませんでした。はい。

「まさかここまで嫉妬深いとは思わなかったですの事よォォォ!」

「ホンッと馬鹿だなテメェは! だから俺は「ドキドキ? 警察来ちゃった大作戦」を提示したろうが!」

 耳元で絶叫する

「うるせぇよ! それじゃ間に合わなかったろうが! それにテメェは不良の二、三人ブッ倒してたろうが!」

 それに「ドキドキ? 警察来ちゃった大作戦」はレストランのオーナーが言ったんだろうが!

「なら、二人別々に逃げようぜ!」

「ふざけんな! 完全に俺だけ狙われるだろうが!」

 証拠は今までの不幸体験からである。

「分かんない分かんない。もしかしたら俺の所に来るかも?」

「それはねぇ! 山崎の定理から、証明出来るんだよ!」

「そんな三平方の定理みたく使われても!! ある意味その定理は使えるけどさ!」

 言い争いながら細い裏路地に入る。

 ポリボケツを蹴り飛ばし、黒猫を追い払い、走る。

 瞬間。

 目の前の空間が歪んだ。

「――――なッ!?」

 周りの空間が歪んだ空間に取り込まれていく。

 不可解な音が裏路地に響く。

 ギィイイイン! 取り込まれた空間の中心点が深淵の闇のように黒くなっていく。

 さしずめブラックホールと言った所だ。

 俺の本能が逃げろ、と叫ぶ。

「やべぇ! 逃げるぞ刻哉! 不良共!!」

 後ろに居た刻哉と不良共に言う。

 居たのは、肩を上下に運動させてた刻哉のみ。

 どうやら不良共は逃げたらしい。

 正確には刻哉が不良共を逃がしたか。

「逃げるぞ!」

 刻哉と俺は走り出した。

 しかし、

 直後。

 空間のうねりを感じた。

 乗り物酔いの数倍の気持ち悪さに吐き気が一気に俺を襲う。

「う……あ……ッ!?」

 視界が闇に覆われた。

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