No.6 馬車に揺られて
帝国暦 1757年3月12日 ブラテン帝国 アレリア州 州都:アレリア
結局名前も聞かずに商人の馬車に乗った。
流石に名前ぐらいは聞いとくべきだと思ったので、
「名前はなんて言う?」と聞くと
「アレッポだ。行商人のアレッポ。実は店もアレリアに持っている。
確かに名前を聞いてなかった。少年は?」
少年と呼ばれたことに少し驚いたが
「ハク」とただそれだけを言った。
帝国暦 1757年3月12日 ブラテン帝国 アレリア州 州都:アレリア,中央商店街
とうとう外環商店街を超えて中央商店街まできてしまった。
流石に中央商店街に店があることにはハクは驚いた。ハクは学がないなりに中央商店街のことを知っていた。と言うより中央商店街のことを過大に想像していた。実際は活気という面では外環商店街と変わらなかった。
急に馬車が止まった。
「ここが俺の店だ。」
そう言われたところでは他の中央商店街のお店とほとんど客の入りが他の商店と変わらないきれいな商店があった。
「おい、さっさと馬車に乗るぞ」
今度はどこに行くのか少し不安になったが、なにせついていくことになってしまい、自分なりに人生を賭けたと考えているため逃げ出さなかった。というより、逃げ出しても行く場所はどこにもない。
小さな孤独感が覆った。