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転生聖女の逃亡放浪記〈総合評価520&110000PV感謝!〉  作者: 宮本高嶺
第二章 アンスリンテス魔道国珍道中
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59 組織対抗戦・準備期間

会議の翌日から各組織は対抗戦に向けた準備に入った。

今日を含めて4日間、慌ただしい日々が続くだろう。

それは勿論私もであるし、特に今回は例年とはやり方が変わる為に国民達も大いに期待しているらしい。

町は先日以上に熱気に包まれており、お祭りのように盛り上がっている。

私が買い出しやらに繰り出せば、既に通達が出ているのか応援の声を掛けられたり、買おうとしていた品物の値段を融通してくれたりと、何とまぁ不思議な状況だった。


対抗戦期間中は基本的には買い出しが禁止される為、食料は勿論、必要になるであろう物は一通り買い揃えておく必要がある。

予期せぬ事態が起きたら当然例外も認められるけど、どちらにしろ居場所がバレる事に繋がるから極力慎重にならねばいけない。

そして当然、私よりも彼らの方が地の利を得ているし、そこを突かれればあっという間に敗北する。

その差を補うのが、今回認めさせた各組織からの援助だ。


一番に動いたのは意外にも魔導教導院、即ちダゲッドだった。

いつかにも話した通り、魔導教導院は魔法の研究を主としているけど、同時にアンスリンテスの攻防を担う組織でもある。

それには当然、この町の警備も含まれていて、それはつまりこの町の隅々を知る尽くしているという事でもある。

という訳で私が彼らに要求したのはまさしく地図だ。

ある程度簡略してはいるけど、道という道は全て記してもらい、目印となる建物なども記載してもらった。

これで地の利のある彼らと対等に渡り合えるだろう。


次に動いたのは魔導学院、グウェイブ院長だった。

しかし学院がどういった援助を行うのか彼は最後まで明かさなかったけど、届いた分厚い手紙を見て正直驚きよりも困惑の方が勝ってしまった。

何と、学院は数年分の卒業生の中で、各組織に努めているだろう元生徒の魔力特性を一覧にして齎したのだ。

流石に名前やら容姿やらの情報は無いし、あったとしても私がその場で判断できないだろうと考えたのか、とにかくどういった特性を持ち、得意とするかを寄せてくれたのだ。

これがあれば対策も練れるし、実際に攻められた時にはどこの組織なのか判断するくらいは出来る。

これは開始までに読み込んでおこう。


魔導開発局第二、リーフェからは期間中に役立つであろう魔導具を幾つか贈られた。

不干渉時間があるとはいえ、基本的には宿での寝泊まりは禁止とされるから、特に食事や身の清潔を保つ為の道具は必須で、まさしくそこを補う魔導具を揃えてくれた。

お陰で荷物の量も少しは減らせるし、ある程度は快適に過ごせるだろう。


魔導開発局第一、リーフェからも魔導具が提供された。

相変わらず抜け目がない彼女は、幾つかの試作品を送って寄越した。

使い方等の説明書きもしっかり添えられていたからいいけど、正直全部使う事になるかは分からない。

ていうか、自律稼働で飛び回るだけの魔導具って一体何なのよ、、、


最後に中央議会のアドネアから幾つかの手紙が届いた。

1枚目には、過去の対抗戦での各組織の行動報告書が添えられていた。

今回とは状況が違うからどこまで役立つかは分からないけれど、ある程度の参考にはなるだろう。

2枚目には、こちらこそがアドネアの本命であろう内容、ダゲッドを失脚させるための対抗戦中に私にして欲しい事が書かれていた。

とは言え、特別難しい事をする必要も無く、要は可能な限り教導院を焚き付けて手の内を明かさせて欲しいようだ。

前に彼女と話した時にも聞かされたけど、教導院の予算に対する軍備の増強が釣り合わない。

それ自体はまだ許容できるそうだけど、問題はそれだけ兵力を強化して何をしようとしているのか。

そして、そもそも開示している情報だけの強化だけなのか、極秘裏に何かしらを準備している可能性も含めて、可能な限り引っ張り出して欲しいとの事だ。

まぁ、そういうのは得意だし、ダゲッドのお陰でこんなお祭り騒ぎに巻き込まれたのだ。

多少は派手に意趣返ししても文句は言われないだろう。


そうして着々と準備は進んでいき、対抗戦開幕の前日が迫った。

今日は最終確認が行われる予定だ。

各組織と最終確認がされるけど、直接顔を合わせる事は無く、連絡係が行き来してそれぞれの状況を報告するという形になる。

特に私に対しては入念なまでに確認が行われ、準備に問題が無いかの確認も何度もされた。

命の危険は無いとは言え、この国の今後が左右される事になるし、その一端を担う事にもなるからそれなりに気を引き締める。

私の準備は既に整っているから、今日は1日ゆっくりと過ごし明日に備えている。

宿の食堂で夕食を摂り、自室で紅茶を飲みながら最終確認をする。

荷物は纏めてあるし、提供された資料やらにももう一度目を通しておく。

同時に、抑えていた聖痕を3つ励起させておく。

彼等には悪いけど、私は自分でも呆れるほどの反則的な存在なのだ。

そう簡単に捕まえられるとは思わないで欲しい。

明日の朝、一番にする事を頭の中で思い描きつつ、ベッドに入る。

さぁ、いよいよ組織対抗戦の開幕だ!

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