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〈第二部開幕〉転生聖女の逃亡放浪記  作者: 宮本高嶺
転生聖女の逃亡放浪記・第二部

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396/405

396 嗜虐と被虐

フェオール王国第一王女 ミーリス・フェオール

鞭が空を切る音がする。

まるで焦らすようなそれが何度か聞こえ、次の瞬間、

「あああああぁぁぁぁぁっ!」

必死に歯を食い縛ったけど、背中に打ち据えられた鞭の激痛は私の意思を容易く打ち砕き、絶叫が響き渡ります。

激痛で涙は止まらず、ままならない呼吸のせいで閉じられない口からは涎も垂れ流れていき、

「あぁ、良い声ですねぇ・・・もっと聴かせてくださいな」

そんなグチャグチャな顔を、フェアレーターが悍ましい程の笑みで歪ませた顔で覗いていました。


ここが何処なのか、何日経ったのか、時間はいつなのか、何一つ分かりません。

あの街で意識を失い、次に気が付いた時には衣服を剥ぎ取られ、天井から垂れる鎖に両手を吊るされた状態でした。

それからずっと休む間も無く、フェアレーターの手で弄ばれ続けています。

それも、快楽だけを与えられる日と苦痛だけを与えられる日を交互に繰り返され、どちらがどちらなのか分からなくなり始めています。

薄暗い室内は恐らく牢獄なのでしょうが、陽の光が一切入り込まず、空気も澱んでいて息苦しささえ感じるのですが、そこに何かしらの香まで炊かれていてそれを吸うと体の感覚が鋭くなり、痛みも快感も跳ね上がって体を貫き、頭を蕩かせてしまいます。

そして、悶え苦しむ私を舐め回すように見つめる・・・いえ、事実何度となく本当に舐め回されたりもしてはいますが・・・フェアレーターはそんな私の反応に笑みを浮かべているのです。

勿論、私が何かしらの反応を示すと彼女を悦ばせてしまうのは分かっているのですが、まともな睡眠すら取れず、与えられる食事は全てフェアレーターの口移し、当然水分も同様で、そこにも何かしらの薬物が混ぜられていて、それらのせいで私の体は私の思い通りになど全くなってくれないのです。

「どうですかぁ?もう苦痛も快楽も、どっちがどっちか分からないでしょう?」

汗に塗れた私の体に、フェアレーターが抱き付きながら耳元で囁きます。

間近で見る彼女の艶かしい唇、そこから覗く蛇のような長い舌が私の頬を舐め、鼻を舐め、唇をなぞり、最後に耳の中へと滑り込んできます。

「ぁっ、ぃや、やめ、て・・・」

「カワイイ反応ですねぇ。まだ大事な部分には何もしてないのに、発情した雌の臭いと体液を撒き散らしてて・・・そんな状態で私が触れたら、一体どうなっちゃうと思いますぅ?」

直接頭の中に届く彼女の言葉にイヤでもその事を想像させられ、我慢する暇すら無く絶頂に至ってしまいます。

「アラアラ、私の足がびしょ濡れですよ?一国のお姫様がよろしいのですか?こんなに淫らで?」

小馬鹿にするような彼女の声に、だけど私はまたしても絶頂し、その隙を突くように彼女の指が私の不浄の穴に差し込まれます。

「だ、めぇ・・・そこ、はぁっ」

「分かりますかぁ?私の指が3本も、こーんな簡単に咥えちゃいましたよ?ここに来てからずぅっとこちらしか触ってあげてませんからねぇ・・・もう少ししたら、私の腕まで捻じ込んであげますからねぇ!」

その言葉と共に差し込まれた指がそれぞれ蠢き、私の内臓をくすぐってきます。

本来なら排泄するだけの場所、それがフェアレーターによって淫らな穴へと変えられてしまったのです。

その証拠に、私は嬌声を我慢する事無く上げ続け、とめどない絶頂に身も心も委ねていました。


そうして、何度目か分からない快楽の波による失神から目を覚まします。

近くには誰も居らず、しかし徹底的に嬲られた体だけは狂ったように快楽を求めていました。

その証拠に、

「また・・・()()()()()・・・」

私の下腹部に刻まれた聖痕、それが怪しい紅色を放っています。

最初にここで目を覚ました時、フェアレーターから与えられた魔力でこれが浮かび上がった時は我が目を疑いました。

前に見た夢、そこで見た私の姿と同じ場所に、同じ紋様のそれが浮かび上がったのです。

そして、それを指してフェアレーターが語ったのです。

「それは擬似聖痕、私がメルダエグニティス様から授かった力の一つなんです。あの御方が持つ聖痕の鏡写しなんですけどね、そこに私好みの趣向を加えたんです。分かります?そう!快楽!私はですねぇ、貴女のような強い女性がダラシなく快楽に堕ちる姿が大好きなんです!」

それからの事は思い出したくもありませんが、既に手遅れな程に体に刻まれたのでもうどうしようもありません。

そして何よりも、この擬似聖痕とやらは私に与えられるあらゆる刺激を快楽に変換し、私を壊していくのです。

それを繰り返されるうちに、擬似聖痕はより深く私に馴染み、やがて紅い輝きを放つようになったのです。

「おやおや、かなり馴染みましたねぇ」

真っ暗な廊下を歩いてきたフェアレーターがそんな私の姿にいつもの笑みを浮かべます。

そして、ゆっくりと私の目の前へと歩み寄ると右手の指をその擬似聖痕へと触れさせます。

「ひっ・・・ぁぁあ、ぃいっぐうううううっ!」

それだけで私の体は跳ね上がり、はしたない汁を撒き散らしてしまいました。

「うん、良さそうですね。そろそろ私も仕事をしないといけまけんからね」

フェアレーターが何かを言っていますが、私の耳にはまるで届いていませんでした。

ですが次の言葉に、私の思考はいよいよ停止してしまいました。


「教えてくださいな?リターニア様は、何処に居るんですかぁ?」

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