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なんだこりゃ?

客席の死体の山を避け店の入口に辿り着いた。


入口のドアに手を掛け引いてみたが、ドアはピクリとも動かなかった。


ドアはガラス張りになっている。

ドアのガラスの部分を触ってみたが、何も起こらなかった。


しょうがないので客席の割れている窓から出る事にした。



外に出て、俺は自分の目を疑った…。


そこかしこに戦車や装甲車や兵士のような人が居る。

建物は破壊され、現実世界とは思えない光景が広がっていた。


そもそも俺が透明人間のような物になっている時点で現実世界ではないか…


俺は本当に透明人間なのだろうか?


近くにいた女性兵のような人の前に立ち、手を振ってみたが女性兵は全く反応しなかった。


俺は女性兵を触ってみた。


女性兵の身体はガラスの様に硬かった…。

俺は女性兵の唇にキスをしてみた。


女性兵の唇は硬く、まるで鏡にキスをしているような感触だった。


(俺に出来る事は、視姦のみという事か…)



俺は自分の足元を見た。


そこには、本来あるはずの俺の影が無い事に気づく。


あー、こりゃ本当に透明人間だわ。


近くにあった石を持ち上げようとしてみたが、もちろん持ち上がらない。



ここで、少し考察を立ててみる。


俺は鏡のような物に映る俺に似た男と手が触れた瞬間に鏡の世界の俺と入れ替わってしまったのだろう。


元の世界から来た俺や俺が身に着けている物は透明でこちらの世界の住人には認識する事が出来ない。


そして、こちらの世界の物を動かしたり干渉したりする事は出来ず銃弾は身体を貫通しノーダメージである。


この世界の事とかもう少し知りたいが、考えても答えは見つからないので今は考えるのをやめた。


俺は職場にいつも125ccのスクーターで来て近くの駐輪場に停めているのだが、こちらの世界では職場の傍に倒れていた。


俺は、愛車の前まで移動した。


俺は鍵穴を見る。

ハンドルロックは掛かっていないようだが、鍵の位置が鏡に映ったように真逆になっていた。


俺はポケットから愛車の鍵を出し、愛車に挿入す…


…、入らない…


俺は鍵穴と鍵を良くみた。


鍵は鏡合わせの真逆になっていた…


愛車の鍵が真逆なら自宅の鍵も真逆って事だよね…


あー、どーすっぺ…


至る所、破壊された建物だらけだし自宅の窓が割れていて入れるかも知れしない。


とりあえず歩いて自宅に向かう事にした。


駄目なら駄目で、その時また考えよう。





自宅マンションに到着

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「はぁはぁはぁ…」


久しぶりにめっちゃ歩いたわ…


とりあえず鍵穴に鍵を入れてみようとしてみたが、案の定 鍵は鏡合わせの真逆で鍵穴に刺さりすらしない…。


俺の部屋は一階なので裏に回りベランダから入れないか試みる事にした。


俺はマンションの塀をよじ登った。


物体を動かしたりする事は出来ないが登ったりは出来るようだ。

そうでなければ、今ごろ俺は地球を貫通し宇宙に放り出されているだろう。


俺は自分の部屋のベランダが見える位置まで移動した。


窓は割れてないな…


近くに落ちている石か何かで割るか…


俺は近くにあった大きめの石を拾おうとしたが、拾う事は出来なかった…。


しょうがないので、俺はゆっくりと自分の部屋の窓ガラスに近づいた。


窓ガラスを見ると、あっちの世界の俺がこちらを見て立っていた。


あっちの世界の俺は窓ガラスに片手を付け、もう片方の手で手招きしている。


俺は窓ガラスに映るあっちの世界の俺と片手を合わせた。


次の瞬間


再度、身体が入れ替わる感覚を感じた。


たぶん、元の世界に戻ってこれたのだろう。


あっちの世界の俺は「またな」というようなジェスチャーをして、そそくさと去っていった。


いったい、なんだったんだろう…


店には黙って出てきちゃったし、とりあえず急いで店に戻らないと…


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