第25話 部屋から聞こえる……
シバとナビーと一緒に晩ご飯を食べ終え、リビングでくつろいでいた。
ナビーはソファーに寝転がり、ダラダラとスマートフォンでアニメを視聴している。
食器を片付けたシバがナビーのその姿を見ると、あきれながら注意した。
「おい! 最近、時間があればずっとスマホでアニメ見てるだろ。俺が言うのもなんだけど、少しは加減しろよな」
「まって! 今、いいところだから後にしてちょうだい!」
ため息をついて、今度は洗濯に行ったシバを見て、なんだかお母さんのように見えた。
……ナビーと私より年下なんだよな。
ひと区切りついたのか、ナビーは立ち上がって体を伸ばしている。
「あー、でーじいい回だったさー! 腕がうずいて龍がグイーンって」
「なにそれ? それって面白いの? 私、アニメとか漫画って興味なかったから、よくわからないんだよね」
「まあ、好みはあるからね。これが面白いと思うかはわからんけど、見てみたらいいさー」
「そっ、そうだね……気が向いたら何か見てみようかな」
自分が興味ないものをすすめられても正直困る。でも、2人の会話に入れないのも嫌なので、何か面白いのを探してもいいのかもしれないと少し思った。
洗濯を終えたシバが戻ってきた。
ナビーは次のアニメを視聴しようと、また寝転がり始めた。
シバは急に何かを気になりだして、慌ててナビーに尋ねた。
「そういえば、通信料ってどうなってるんだ? ナビーの使い方だと、相当なギガ数になってるはずじゃ?」
「ギガ数? なんねーそれ?」
「‼ 携帯代金って、花香ねーねーが払ってるんでしょ? ねえ、シバ。これってヤバいんじゃない?」
シバがナビーからスマートフォンを取り上げ、データ使用量を確認した。
「……」
画面を見たまま固まるシバに、恐る恐る声をかけてみる。
「なんギガだったの?」
「658……メガーーーー! メガーーーー! ……なんちゃって」
通信量は問題なかったようだ。
しかし、なぜかわからないがナビーとシバは2人で顔を合わせニヤニヤしている。少しナビーがうれしそうに見えた。
「私もすごい通信量になると思っていたのに、何でこれだけで抑えられてるの?」
ナビーはズボンのポケットからスマホのようなものを取り出した。
「よくわからんけど、花香ねーねーに持てって言われたこれのおかげかねー?」
シバが大げさ気味に声をあらげた。
「Wi-Fi使ってたんかい!」
「だからか……」
シバは1人で落ち込み始めた。
ここでの生活になって、花香ねーねーが携帯代金を払ってくれているので、迷惑が掛からないようにと、見たいアニメをだいぶ我慢していたそうだ。
Wi-Fiがあると知っていたら無駄な我慢をせずに済んだはずなので、少し気の毒だ。
シバは気持ちを切り替えて、Wi-Fiをつなぎ部屋にこもりに行った。
私もWi-Fiをつなげるようにし、自分の部屋で適当にくつろいでいた。
トイレに行きたくなって部屋を出ると、シバの部屋から話し声が聞こえたので、悪いとは思いつつも聞き耳を立ててみる。
「……やりたい……太くて……出したい……」
「わかった。俺の特別を……」
……え? この2人って、こういう感じなの? ダメ! 絶対ダメ!
その先をやらせると、私は一緒にいられなくなると思い、無意識のままに部屋のドアを開けていた。
「それ以上はダメーーーー!」
2人は急に入ってきた私に驚いている。
シバが、龍の巻き付いた剣のキーホルダーをナビーに渡しているところだった。
「ぬーがぬーんち!?」
「すみません、間違えました……」
勘違いだったようです。




