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決意

「王様と王妃様に会いに行く。2人とも付いて来てくれる?」

「ああ、それはもちろんだが。何をするつもりだ?ユカリ。」

「僕も知りたいな。」

「王城で話すよ。」


 決意のこもった私の目を見て、2人は「そうか」「オッケー」と、返答をしてくれて、それ以上追求しなかった。


 私はアトリエに籠ると、あるものを作っていた。


 これなら王様たちを説得できるだろう。


 次の日、オリヴァーさんに会いに行くと、あまりにも早い帰還に驚いていたが、ランドさんを通じて、王様たちに謁見したいと言うと、すぐに動いてくれた。


 危急の用だと伝えると、ランドさんがその日の謁見の最後に、私たちの謁見を捩じ込んでくれた。


 日が沈む少し前に、王城へと向かう。


 ランドさんが門のところに居てくれて、そのまま謁見室に案内してくれた。


「陛下、王妃様、ユカリ殿がお見えになりました。危急の案件とのことでございます。さあ、ユカリ殿、リュウ殿、レン殿、どうぞ。」


 私たちは、王様と王妃様に礼を取って跪く。


「よいよい、私たちの仲ではないか。面をあげ楽にせよ。」

「ありがとうございます。」

「それにしても、旅に出ると言っていた割には、随分と早い帰還ではないか。旅をやめたのか?それなら大歓迎だが。」


 王様が楽しそうに笑う。王妃様の表情は、大きな扇に隠れていて見えない。


「実は私たちは、ドラゴニア国に行き、昨日のうちに戻って参りました。」

「...面白い冗談だな。往復に2ヶ月で早い方だ。だいたい3ヶ月かかる道のりだろう。」

「それは秘密で、という訳には参りませんか?」

「ならん。」

「では、この力を軍事利用しないことを、約束していただけますか?」

「......よかろう、ユカリ殿は我が国に属している訳ではない。ユカリ殿との繋がりが無くなる方が困る。...惜しいがな。」


 私は2人に目で合図を送る。


「「飛翔フライ!」」

「超竜化!」


 謁見室の天井は物凄く高いが、私たちは悠々と、天井まで飛び上がってみせた。


 王様たちは、あんぐりと口を開けている。王妃様も、驚いて扇子を落としていた。


「私たちは、飛んで行けるのです。しかも高速で。」

「それぞれ飛び方は違うけどね」


 レンがそう言って、空歩をして見せた。


 転移ができることまでは、言わなくていいだろう。


 私たちは元の位置に降り立った。


「王様、王妃様。」

「あ、ああ。」

「私たちは、こうやってドラゴニア国に商品を買いに行きましたが、そこでドラゴニア国の王に会ったのです。」


 王様の目が鋭くなる。


「ほう。」

「ドラゴニア国に、人間は入国できません。私は獣人のフリをして入りましたが、それも魔道具があるそうで感知されました。」

「ふむ。ドラゴニア国王が、人間を国外追放したという話、誠であったか。」

「はい。しかも、亜人を優遇しない人間に向かって、戦争を起こす準備をしているようでした。また、異世界から力のある人間を複数召喚したようです。」

「戦争...更にドラゴニア国の古の秘法、異世界召喚か。」

「はい。」


 王様は、深く考え込んでいたようだった。


 数分の沈黙が場を支配する。


「わかった。貴重な情報提供、感謝する。我が国でも戦争の準備をしよう。」

「いいえ、王様。私に策があります。まずは、これを見てくれませんか?」


 私は、マジカルバックから取ったようにみせかけて、昨晩作った厚い一枚の板を取り出した。


「それはなんだ?」

「王様、この国で、強いと言われる武器をご用意ください。」

「あ、ああ。ランド、騎士団長を呼べ!」

「はっ!」


 暫くすると、筋骨隆々の、大きな剣を携えた騎士団長らしき男の人が現れた。


「お呼びですか。」

「うむ。この者が、強い武器を用意せよというものだからな。この国で1番の武器といえば、それだろう。」

「国1番の鍛治師に作っていただき陛下より拝領した剣でありますから、そうでしょうな。」

「では騎士団長さん、その剣で、この板を思いっきり切ってください。」

「なっ!!かよわき女性にそのようなことはできぬ!」

「大丈夫です!さあ!」


 リュウに後ろから、サッと板を奪い取られる。


「ユカリ、さすがにそれは私がやる。これは例の板だろう?」

「うん、思いっきり力込めたやつ!」

「なら心配ないな。騎士団長殿、私も多少の武術の心得はある者だ。こられよ。」

「...わかった。ゆくぞ。」


 レンは、「ちぇ、いいとことられたー。」と呟いていた。


 場に緊張が走る。


 騎士団長が「ぬん!!」という音とともに、板に思いっきり剣を振り下ろした。


 カキーン!


 小気味いい音を立てて、騎士団長の剣が、真っ二つに折れた。


「なっ!なっ!わ、私の剛剣が...折れただと!?なんなのだ、その板は!!」


 騎士団長も王様も王妃様も、食い入るように板を見ている。


 この厚い板には、傷一つ付いていない。


 そう、これは、鉄の板だ。それも強くなれーと思いっきり力を込めたもの。


 私は、前に一歩踏み出した。


「この板は、私が作りました。私はこれを使って、戦争を止めたいと思っています!誰も死ぬことのないように!!」

次回更新は、6月16日朝8時の予定です。

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