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暗殺者の苦悩

大変お待たせしました!

「...健康のスキルを...」


 王妃様にお買い上げ頂いたのは、健康付与アクセサリーだ。


 その他のスキルは、私が感謝の意を込めて、付与しただけで、何も伝えていない。


「そうか...ところでな、知っているか?彫金スキルというのは、主に宝石の加工に使われ、魔石と共に彫金をするのはスキルレベルに関係なく、個人の資質によるものが大きい。スキル付与できる者は稀有だ。ましてや、付与できるスキルは自分の持つものだけで、使用者が数回使えば効果がなくなってしまうばかりか、そのスキルの強さも半分以下になる。」


 マジで!?うちのアクセサリー、神様スキル付与な上、シールド以外回数制限なし、効果100%なんだけど!?


 王様が、長い髭をゆっくりとなでる。


「だからな?王妃も健康スキルの効果にはそれほど期待せず、意匠の凝ったアクセサリーとして購入した。我々も、後ほど届いたアクセサリーが非常に素晴らしい出来だったので身につけていた。だがおかしな効果が出ていたことが後ほど判明する事件が起こってな?」

「それは一体なんでしょう......?」

「ここまで言ってもまだ言う気にはならぬか?」

「商人の、企業秘密というやつです。」


 王様が、サッと手を払うと、ランドさんと王妃様を除いた全員が謁見の間からいなくなった。


「これより先は、人払いが必要な情報ゆえな。」

「は、はあ...」


 王様は、玉座で、ふうとため息をついた。



「我々は、知らぬ間に殺されかけたのだ。しかも、何度も。」

「ええええええ!?だ、誰に!?」

「まだどこに雇われた暗殺者かはわかっておらぬが、大体の検討はついておる。人間の国への侵攻の噂のある、ドラゴニア国の可能性が非常に高い。だが、それは戦争の火種になりかねんから、内密にな。被害にあったのは、まだ我々王族だけなのだから。それだけの理由で民の血を流させる訳にはいかん。」 


 リュウとレンの顔が少々強張っている。無理もないか。


「はい...わかりました。それで、私の作ったアクセサリーと暗殺者と一体何の関係があるのでしょうか。」

「ふむ、これを見てほしい。」

「水晶玉、ですか?」

「これは見た景色を記録する魔道具だ。拷問の際の記録映像として使われる。自白剤を投与しようとしたのだがな。するまでもなかった。そんな映像だ。」

「はあ...。」

「まあ見てみろ。」


 私とリュウとレンは3人で水晶を覗き込む。


 水晶玉には、忍者のような黒装束の人が映っている。


「お前は何者だ、何故謁見の間で突然陛下を攻撃した、どこの間者だ。」


 黒装束の人は、ワナワナと震えているようだ。


「何者、だ?それはな、ここの王族にふさわしい言葉なんだよお!お前ら一体なんなんだよ!化け物か!化け物の国なのかここは!」

「陛下への侮辱発言は控えよ!!」

「うるせえうるせえ!!俺だってなあ!俺だってはじめはちゃんと暗殺者の仕事をしてたんだよ!」


 黒装束の人が椅子に厳重に縛られながら、子どものように地団駄を踏んでいる。


「まずは毒だ!毒見役が暗殺者だなんて気づかなかっただろう!?じわじわと1週間ほどかけて体を蝕んでいき、病気にみせかけて殺す毒!だがあいつらは2週間してもピンピンしてやがった!」

「...」


 拷問官の人も拷問しなくてもペラペラ喋ってくれるもんだから黙っちゃってるよ。


「じゃあ即効性の猛毒しかねえ!多少の危険も、病気に見せかけられねえリスクもあったが、同じく毒見役にこっそり混ぜさせた!!なのにおいしくいただいてやがる!スパイスが効いていて美味しいのお、じゃねえよ!」


 黒装束の人が項垂れちゃった。


「それで俺らは、呪いに頼った。眉唾もんじゃねえ、呪いスキル持ちに頼った。確実な死をもたらす呪いだ!なのにあいつら、平気な顔で社交場で笑ってやがった!」

「う、うむ...」


 拷問官の人困っちゃってるよ。


「毒も効かねえ!猛毒も効かねえ!呪いも効かねえ!じゃあ攻撃するしかねえ!王の首だけでもと謁見のフリをして、俺は素早く、忍ばせていた武器で攻撃した!確実に殺す一撃のはずだった、命をかけた一撃だった!なのに、王の腕輪が光ったと思ったら、身体ごと弾かれて、何の一撃も与えられなかった!!あいつらは不死身だ!化け物なんだ!ははは!あーはっはっはっはっはっ!」


 ープツッ


「映像はこれで終わりだ。さて、なんぞ心当たりがあるんじゃないかの?ユカリ殿?」


 スキル付与アクセサリーが完璧に仕事こなしてやがった。


 そこまで効果あると思わなかったんだよ!


 元気になあれ、綺麗になあれ、くらいのつもりだったんだよ!


 浄化って呪いも跳ね返すの!?


「あーはい、私の作ったアクセサリーに、王様達の健康を祈って、ちょこちょこっとスキルをいくつか付与しました。黙っていて申し訳ありません。」

「詳しく聞かせなさい。」

「はい...。実は...」


 私の彫金スキルは100%の効果がでること、健康スキルはいかなる状態異常も跳ね返すみたいだということ、浄化スキルに呪いを跳ね除ける効果があることは知らなかったこと、宝石と魔石に、全方位の攻撃を完全ではないが跳ね返すスキルを一回分だけ付与できたこと、その効果が無くなったから、宝石と魔石が割れてしまったのだろう、ということを観念して話した。



次の更新は、5月7日朝8時予定です。

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