すろーらいふ
-3ヶ月後
「ライトニング!」
川の上流に来ていた私は、水魔法と風魔法の融合魔法である雷魔法を唱える。
ぷかぷかと新鮮なお魚さんたちが感電して浮かんできたところを空間魔術で収納。
雷魔法を知っていたわけじゃない。
そういや雷って雲の中で氷同士が風でぶつかって静電気が発生するところからできるんだよなーって考えてたら、できるようになってた。この世界の魔法ってイメージが大事なのかな?
氷はまだ小さいものしか出来ないが、魔力制御の訓練にすごく役に立つ。
魔力制御スキルレベルをあげるために、氷魔法で氷の彫刻を作っているのだ。
その造形の精度は日に日に上がっていっている。
「マイホーム」
空間魔術で亜空間を呼び出して、中に入る。
空間魔術の上位魔法で、スキルレベルが高いほど広い空間を作ることができる。
ちゃんと空気もあるし土も草も花だって咲いてる。なんなら畑を作っているくらいだ。
私はこの亜空間の中に、拠点を築いていた。
空間魔法、超便利。ちなみにアイテムボックスとは空間が違うから、収納したものがその辺に散らかっていたりしないよ?
「ただいまー」
ガチャリとドアのノブをあけ、木のいい匂いのする我が家に入る。
鉄と氷で作った冷蔵庫から果実のジュースを出して、魔法で氷を入れると、ふかふかのソファーに座って「ふう」と息をつく。
「午後は森の北の採掘場に行こうかな?今日こそアダマンタイトがみつかるかもー」
マップを開く。北の方に大きな山があり、そこには山肌が見える崖があった。
山肌に鉱石が多く含まれていると鑑定でわかった日には、大喜びしたものだ。
さらにそこら辺に鉄が含まれた岩石を大量に見つけた時は歓喜した。
その大量の岩石を錬金して鉄を取り、それでピッケルを作った。あとは鑑定様頼りで鉱石を掘る。鉱石があれば鍛治でものをつくることができて、スキルレベルがあがる。
精霊の森さまさまである。
そう、私は、転生して3ヶ月。
まだ精霊の森を出ていなかった。
はじめはね?めっちゃ警戒してたよ?魔物がいないけど猛獣がいるんじゃないかとか、猛獣はいないけど、毒のある植物食べて死んじゃうんじゃないかって。そりゃあ色々考えた。
で、精霊の森を隈なく歩いたわけだ。めっちゃ警戒しながらね。おかげで精霊の森のマップは全部埋まった。
この森には、動物はいた。鳥に鹿やウサギや猪や。でもそれ以上の危険なものはいなかった。
澄んだ清流が流れ、魚もたくさん。浄化をかければ、川の水を飲んで病気にかかる心配もない。
更に言えば、毒の食べ物は鑑定でわかるし、それどころか健康スキルMAXのおかげか食べてみても何ともなかった(といっても一回しか食べなかったけど)。
羊や乳牛など畜産に適した動物もいて、それはマイホームにお連れして快適な環境で過ごしていただいている。
そこに鉱山を見つけた日にゃ思ったね。
もうここから出ていかなくてよくね?
ってさ。
そんなわけでめっちゃ快適なスローライフを送ってます。
旅に出たいとも思うけど、鉱山にはまだ希少金属があるって鑑定で出てるし、マイホームもまだ改良の余地ありだし、まだスキルレベルも低いし、神様が安全にしてくれた精霊の森というセーフティゾーンを出る気にはならんのだよ。
石橋は壊れるほど叩いて安全を確かめろってね。
ゲームでもその街の最強装備が揃うまで次の目的地に向かわないタイプですよ。
「ステータス」
《名前》ユカリ《年齢》16歳《性別》女
《職業》なし
《称号》異界神の導き子(不可視)
創造神の加護
《総資産》
《説明書》紐づける
《マップ》オート
《保有スキル》
ステータス(不可視) 鑑定(1→2)
浄化(MAX) 探知(MAX)
感知(MAX) 採取剥取(MAX)
料理(MAX) 健康(MAX) 火魔法(1→2)
水魔法(1→3) 風魔法(1→3)
空間魔法(MAX) 魔力制御(1→4)
身体強化(MAX) 命中強化(MAX)
錬金(1→2) 調合(1→2) 彫金(1)
鍛治(1→2) 木工(1→2) 裁縫(1)
栽培(1)
《潜在系スキル》
運アップ 創造知識 スキル経験値アップ
うーむ、やっぱり彫金スキルは宝石類がまだ見つかってないし、裁縫スキルと栽培スキルも、布がないし、薬草しか植えてないから全然育ってないなー。
アダマンタイト見つけるついでに、宝石類もやっぱりゲットしておかねば。布はどうしよっかなー。
スキルレベルって、目に見えて成果がわかるから、上げるのすっごい楽しい、極めたくなっちゃうよね。
ブクマや閲覧数が増えてて、本当に嬉しいです!ありがとうございます!がんばります!