逃がすなああああ!!
「さあて、じゃあ私も仕事をしますか。」
まずは養殖池に、浄化したセイントサーモンを入れて、またリポップしてもらうようにしなきゃね。この間溢れんばかりだったから、かなり拡大しておくか。
養殖池に転移して、錬金で池の幅をかなり大きく広げると、今まで敷き詰められていた浄化が彫金された魔石はそのままに、魔石(大)を4個、浄化に彫金して、養殖池の四隅に置いた。
うん、月の華に変化はないし、鑑定したら"聖なる清らかな泉"になっていた。これなら問題なく養殖できるだろう。ていうか聖なる清らかなってなんだよ。意味が重複してるし。まあいっか。私はこれからも養殖池と呼び続けよう。
常時展開している感知の範囲を広げ、セイントサーモンを探知する。
だいぶ上流に1匹はっけーん。転移して静電気レベルの電撃で動きを鈍らせ壺で捕獲する。
「ん?」
範囲を広げたままだった感知に大量の魚群が引っかかったので、探知をすると...
「い、い、いたーー!やつだーー!」
レアユ...レア度★★★★★★★★、人や動物の気配にものすごく敏感で、察知すると透明化のスキルを発動し、ものすごいスピードで逃げる。大変稀少な魚で、高値で取引されている。食べると魔力系のスキルレベルが上がる効果をもたらす。大変に美味。
私はすぐさま、生きたままのセイントサーモンをマイホームにしまう。
ヤツの、そのなんとかの効果は私的にはどうでもいい、高値とかもどーーでもいい。ただ、こいつはそう、美味いのだ!言い表せない美味さなのだ!鮎の風味なのだが、鮎の一万倍美味いのだ!
レア度だって、リュウを救った、あの月の華のレア度を超えてるんだぞ!?どんだけだよ!
偶然ライトニングに引っかかって食べてその味に感動し、その後何度かエンカウントしたが、捕まえられたのは一回だけだった。やつらはライトニングの、雷の速度より早く消えてしまうのだ。
その一度では養殖を試した。だがやつは、どんな環境でも増殖せず、最後はマイホームの川で養殖できないか試したが、放した途端に死んでしまった。私は悟った。やつらは、養殖など受け付けないのだ!
そのレアユの、魚群だ!私にとってはメタ○スライ○の大群と同義である!
私は、ふうと息をついて、ニヤリと笑った。
レアユ、お前と出会う日のために、私が何の準備もしてこなかったと思うか?
「飛翔」
私は、空高く飛び上がる。
精霊の森全体に感知と探知の範囲を広げ、レアユの位置をマップに表示する。
すると、いるではないかいるではないか、レアユの大群、レアユ祭りである。
「ものども!1匹たりとも逃がすなあああああああ!ギガ...」
一瞬にして、精霊の森の上空に大きな雷雲がうずまく。
「ギガ、ライトニング!!!!!」
ものすごい轟音が森に響き渡る。レアユは全て感電死した。
「収納」
レアユは、1000匹を超えていた...!副産物でセイントサーモンやら他のいろんな魚も大量に収納できたが、今はそれどころではない。
私は、やつに、勝利したのだ...!
私はヤツと出会ってからこの日のために、ずっと訓練してきた。飛翔が出来るようになるために、魔力制御と、雷魔法のレベルアップのための水魔法と風魔法の訓練を怠らなかった。
氷の彫刻を作ることはもちろんだが、
3ヶ月の引きこもり時期も、
ポルカに出会った時も、
ポルカの村に行った時も、
井戸を掘ったり栽培をしたりした時も、
商人さんを助けた時も、
リュウに出会った時も、
呪いを解いて街にお買い物に行った時も、
日本語を話す不思議な青年に出会った時も、
マイホームに戻ってからも
ずっと、ずっとずっとずっと、ずっとずっと!
1センチ、浮いていた。
風魔法の緻密な魔力制御をした、ホバリングである。
水魔法のスキルレベルは5、風魔法のスキルレベルは6、魔力制御のスキルレベルは、驚異の8である!
飛翔で気配を悟らさず、ギガライトニングで一網打尽にした。雷より早ければ、その雷の範囲を広げるしかないではないか。
そして、私は、勝利したのである......!
「今日は、レアユの、塩焼きだね...!」
私は、最高の笑顔で笑った。
あ、ついでに。
マイホームに置いてきたセイントサーモンを浄化して養殖池に放してっと。うん、元気に泳いでるね。たくさん増えろよー。
それから魔石(大)同士を錬金して極大に。
そこに彫金と創造知識のコンボで空間を精霊の森全体に指定した空間魔法と、私が許可した人以外なんとなく森に入りたくなくなる、聖域にするための浄化のスキルを、彫金して、上空から見て真ん中あたりに埋めた。
一人占めするようで申し訳ないけど、私が転生したせいで、魔物がいなくても魔石が出る森になってしまったのだ。精霊様の怒りだけでは人が来る可能性がないとは言えない。仕方のない措置であった。
待ち合わせ場所に向かうと、オークを大量に狩っていたリュウが苦笑いで迎えてくれた。
「随分派手にやったようだな?」
「まあね!今日はごちそうだよ!」
オークを収納し自動的に血抜き、分類してもらったのを確認すると、私たちはマイホームへと帰っていった。
前回がものすごく真面目だったんで、密かにあっためていた伏線でめっちゃはっちゃけました。




