お待ちかねの査定結果
「はっ!!今ありえないものを見たような!!」
フェミルさんは私が調合した気つけ薬を飲んで、数分もしないうちに目を覚ました。
「まあまあまあ、いいじゃないですか。果実のジュースでもどうぞどうぞ。私のお手製なんですよ。」
精神を安定させる薬草入りですけどね。
「はあ...い、いただきます。」
「あ、ぬるいですよね、失礼しました。アイス。」
「氷魔法!?珍しいダブル(2属性持ち)の中でも、ごく僅かしか使える人はいないというあの!?う、生まれて初めて見ました!」
そんなにすごい魔法だったの!?
「...マジックバックから氷を取り出したんですよ。」
「溶けるに決まってるじゃないですか!騙されませんよ!」
あ、マジックバックに時間停止機能はないんだ。
「実は...そうなんです。氷魔法で魔物を仕留めまして。運が良かったです。」
「氷魔法使いならあり得ますね...。でもすごいですよ、この魔石の大きさは。」
「ありがとうございます。」
「あれ?でも確か2つ...。」
「そんな訳ないじゃないですか。気のせい気のせい。」
フェミルさんの反応を見るに、分かったことがいくつかある。
まず、精霊の森の魔石についてだ。
ゴロゴロ転がってたから気にしてなかったけど、フェミルさんによると、そうそう落ちてるものでもなさそうだ。魔物が落とすもの。もしくは内包しているものなのだろう。
ではなぜ精霊の森に落ちていたか。
この世界の生物は、ある一定環境下で、リポップする。魔物もだ。
だが精霊の森は、神様が"魔物を出ないようにした"と言っていた。
この世界のルール的なものと、神様の設定が噛み合わなくなって、魔石だけリポップ、もしくは魔物が現れた瞬間に魔石を残して召されるようになったのだろう。
どちらにせよ、魔物の皆様、ご愁傷様でございます。
...でも知られたらまずいよね、そんな森がある訳ないもんね。第二の故郷くらいに思ってるから、研究とかされたりするのも、嫌だし...。
精霊の森には、定期的に精霊様の怒りを落としに行くことにしよう。
次に魔石の錬金だ。たぶん合成できないんだ普通の人には。
氷魔法も雷魔法もそうだけど、私の魔法って、私のイメージにしっくりくるように形を変えてる気がする。魔力制御スキルの影響もあるかもしれないけど、それだけじゃ説明できないと思う。
もしかして私の選んだスキルは、この世界の人の使い方と微妙にずれているというか、全く違うというか、たぶん神様もよくわからなくて、私のイメージにお任せします〜ってされた気がする。使う時は気をつけて使わなきゃいけないな。色々。私大丈夫かなー。
「ユカリさん?大丈夫ですか?」
「あ、はい、大丈夫です。それで...。」
私は、そっと2個目の大きな魔石を収納する。
「買取できますかね?これ全部。必要ならもっと数も出せますが。」
「査定はお任せください。別のギルドへ持ち込みが必要なものも、紙に品目を書いておきますね。」
「お願いします。」
結果的に、エアシープの綿は商人ギルド、鉄の剣と例の大きな魔石だけ生産ギルドへ買取をお願いしなければならなかったが、他は全て買い取ってもらえた。
また、スズナ草など需要の高い薬草や、道中倒したウェアウルフの毛皮や爪はすごく状態がいいとかで、ある限り欲しいとのことだったので、収納してた分は全部買取に出した。
ウェアウルフの毛皮に関しては私もびびったけどね。出してみたら、斬った箇所がバラバラだったはずなのに、くっついてるし、血もついてないし。
収納魔法と採取剥ぎ取りスキルMAXのコンボ万能すぎでしょ。
「買取額は、全部で54万ユートです。ギルドカードに登録しておけば、使う時は金貨でも銀貨でも取り出せますからね。色々びっくりしましたけど、いい素材ばかりで、助かりました。」
ギルドカードに、入金額が表示される。手持ちのお金も入れられるとのことだったので、2000ユートも入れて、54万2000ユートだ。ほくほくした気分だったのだが...
その後商人ギルドと生産ギルドに登録して(ギルドカードは1枚で複数のギルドを登録できた、ギルドカードしゅごい)エアシープの綿と魔石(大)を売ったところ、エアシープの綿が山ほどあったので、これからもいい取引をと色をつけてもらって300万ユート。
魔石(大)は魔力の純度が高すぎるとのことで500万ユートの値がついてしまった。
小心者の私は、壊れたり紛失したりしない、盗られる心配もないとわかってても、ギルドカードをすぐ収納した。
エアシープの綿が山ほどあったのは、マイホームの牧場の羊ちゃんたちが、うちの草を食べると、刈っても刈っても1日で毛が復活するからである。
一度復活する瞬間を見かけたのだが、思わず、「マイク○か」と突っ込んでしまったよ。
鉄の剣?暫く死蔵ですよ!買取になんて出せるかい!




