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色々買取査定に出してみた。

「ユカリさんは既に買取させていただけるものをお持ちとのことでしたね。買取査定テーブルにご案内させていただきます。こちらへどうぞ。」


 先程の受付台より、だいぶ大きく奥行きがある。また、すぐ後ろに大きな扉が見える。買取したものをすぐにしまえるように、保管庫や倉庫につながっているのかもしれない。


「田舎から出てきたもので、どれが価値のあるものかわからないので、一通り少しずつ出してもいいですか?それと...」


 お姉さんにこっそり耳打ちする。


「実は、田舎の実家では物々交換が主流でして、物価や貨幣価値がよくわからなくて。簡単に教えていただけると助かります。」


 先程教会のお布施が高いと教えてくれたし、このお姉さんなら買取価格をふっかけたりすることもなさそうなので、信用して相談してみたところ、指でOKのサインをしてくれた。私みたいな人もそんなに珍しくはないのだろう。


「貨幣は、下から、青銅貨、大青銅貨、銀貨、大銀貨、金貨、白金貨があって...」


 お姉さんの話をまとめるとこうだ。


 物価は国にもよるが、聞いている限り、10ユート=10円くらいの価値と考えて良さそうである。


 青銅貨=10ユート(これ以下はないそうだ)

 大青銅貨=100ユート

 銀貨=1000ユート

 大銀貨=10000ユート

 金貨=100000(10万)ユート

 白金貨=1000000(100万)ユート


 つまり前の単位の貨幣10枚=次の単位の貨幣1枚になるということだ。わかりやすい。


 市民はほとんど銀貨までしか持たないらしい。だから商人さんは大銀貨3枚ではなく、銀貨30枚をくれたのか...。


 ギルドカードには貨幣を取り出したり預けたりする魔法が組み込まれていて、本人にしか扱えないという。それはどこのギルドも同じらしい。超便利。 


 ギルドカードには破壊紛失対策の超高度な魔法が組まれていて、貨幣版マジックバックということだった。ギルドカードしゅごい。

 

「ありがとうございます、とってもよくわかりました。」


 お礼を耳打ちすると、お姉さんはパチンとウインクで返してくれた。


「それで、査定希望のものを出していただけますか?薬草などは常時受け付けておりますよ。いくらあっても足りませんから。」


 鞄の大きさから薬草だと判断したのだろう。残念、マジックバックに見せかけた収納魔法である。


 ...取り出すところをみんなに見られても、大丈夫なんだろうか。


 またもやお姉さんに、これが容量のとても大きなマジックバックなんだけど出しても大丈夫かと耳打ちすると、お姉さんはさりげなく奥へ案内してくれた。


「貴重な物ですので、奥でお預かりしますね、こちらへどうぞ。」


 譲渡不可のマジックバックと言えども、ギルド員の間で妬み嫉み...要らぬ軋轢を生む可能性もあるのだろう。私は素直に受付台の奥の部屋へと入っていった。


「ユカリさん、そういったご事情があることは、私からギルドマスターに話を通しておきますね。以後冒険者ギルドでの買取をご希望の場合は、必ず私にお声がけください。私はフェミルと言います。こう見えても結構ギルド内での評判はいいので安心してくださいね。」

「ありがとうございます、フェミルさん。」

「ふふ、お気になさらず。」


 奥の部屋を少し進むと、更に扉が2つあった。左が豪奢な飾り扉で、逆に右はすごく大きな両開きの扉である。


「左が希少価値の高いものを持ち込む場合に使われる部屋になります。右は量が多いものの持ち込み、また大型の魔物の持ち込み兼解体場にもなっています。今回は右の部屋に入りますね。」

「はい、よろしくお願いしますフェミルさん。」

「ふふ。いえいえ。」

「何か私おかしいところでも?」

「いえ、冒険者の方は敬語など使わないもので。使っても問題はないのですが、なんというか、耳がくすぐったいような感じです。」

「えっと、よろしくな、フェミル。」

「あはは、無理がありますよ。好きなようになさってください。」 


 少し気恥ずかしい思いをしていると、右の部屋の扉が開いた。


「奥はただいま解体を行ってますので、こちらの査定テーブルを使いましょう。」


 先程の受付台の倍はあるテーブルに、椅子が2つ。


「さあお掛けになって。じゃんじゃん出しちゃってください!」






「ふう、これで一種類ずつかな?必要でしたらもっと出せますので言ってください。」

「な、な、なんですかこれは!?」

「精霊の森で採れたものです。」

「精霊の森!?危険度Bランクの!?」


 そうだったの!?ポルカ結構な冒険に来てたんだね!?


「あ、えーっと、それほど危険じゃなかったかなーなんて。」

「危険ですよ!!今は精霊様の怒りに触れたと村の人からの報告があって、立入禁止になってます!よく無事に帰ってこれましたね!」

「...いやー、結構大変でした。知らなかったもので。」


 フェミルさんは、「もう入っちゃだめですよ、運がよかったです。」と、私の肩をポンポンと叩いた。


 それから私の鍛造した剣に手を伸ばす。


「ん?もしかしてこれ...鉄製じゃないですか!あの隕石がもたらした奇跡の鉱物!?何で剣になってるんですか!!」 


 え。あの鉄鉱山そんな希少なの?アダマンタイト探そうとしてたよ?


「いやアダマンタイトとかミスリルとかオリハルコンとか、もっと希少なのがあるじゃないですか。」 

「それは伝説の鉱物です。王家の宝物庫にあるかどうかもわかりませんよ。御伽話の中に出てくるくらいです。」

「えっと...」

「このエアシープの綿だってどうやって...こんなに高品質な...」

「フェミルさん?」

「こんな大きな魔石...一体どんな魔物を退治すれば...何が一体どうなってるんですか?」


 フェミルさんの魔石を持つ手がぷるぷると震えている。


「あ、もう一個ありますけど。結構価値ありますか?」

 

 スッともう一つフェミルさんの手に、同サイズの魔石を乗せると...


「ヒュッ」


 バタン。


 フェミルさんが、倒れた。

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