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第八話 魔法使いの弟子


もうあれからどれだけの年数が経ったのだろうか。


いつものように朝が来て、いつものように学校へ行き、確か授業中にスマホから緊急速報が流れて東京に巨大生物出現というニュースがテレビやラジオが騒ぎ立てた。


現実に起きている事なのに不思議と映画を観ているような興奮を覚えていた。

自衛隊と米英仏韓軍の合同集中攻撃開始のニュース発表後、巨大生物は全く攻撃が効かなかった。後に東京は日本の心臓部にも関わらず6時間で壊滅してしまった。


政府機関は東京都あきる野市に移行し、緊急巨災対策本部を設置。巨大生物を攻撃を継続をしつつ、政府は日本の在り方を問われることとなった。


巨大生物出現から15時間後東京区内を全て炎の海に包み、巨大生物は役目を終えたのか活動をいきなり休止したのである。


後に明かされた事実だが、米軍から智慧の焔を使用して生物の息の根を止めるべきと話があった。

日本はそれを頑なに拒んだ。

再びこの国を核の炎を上げる事は出来ない!


しかし事態は深刻なものとなった。


巨大生物出現20時間後、空が黄金の様に輝いた。

三体の同じ姿の巨大生物が降りて来たのである。


米軍の無人偵察機の映像だとまさに後光の差した天使の様な姿で地上に降り立ったのだ。


活動を停止した一体目も瞳の中に光が戻り、再び動き出した。

四体の巨大生物が並んだ際、雲ひとつない青空から大きな大きな鐘の音が響き渡った。


終わりの始まり。始まりの終わり。


四体の巨大生物は長々と延命続ける人間から地球を守る為にやって来た使者だった。


時同じくして、宇都宮松が峰教会では信者達が集まり静かに祈りを捧げていた。途中、泣き出すものもいたが、信者達をロウソクの明かりが静かに見つめていた。既に停電して宇都宮の街中は息をしていない様に静かだった。


遠くの方でノイズ混じりの国民保護サイレンが聞こえていた。


文化的な活動を休止した宇都宮の街には皮肉にも満天の星空が広がっていた。天の川も目視でしっかりと見えるくらいだった。



TKMは大あくびをした。

宇都宮の県立図書館でクーラー効いた自習室に篭って課題を消化し、一区切りついたのでKAZから送られてきた新連載の小説を眠い目で読んでいた。


NWM当日の今日、泣く泣く参加を見送ったTKMは前日にMidoriからのアドバイスでかなりのペースで勉強を進めていた。


一方で現場となる鬼怒川のオリーブの家では大混乱とまではいかないが、教区の青年達心一つに一丸となって励んでいた。

KAZは遅れて来た人の為の送迎班として、トランは食事班として、Midoriは参加者と一緒に手作りのロウソクを作り、製作後ミサに献上する流れで熱心に取り組んだ。


その他青年達も割り振られた役割をしっかりとこなしていた。

時間はあっという間に過ぎ、NWMは無事終了した。


青年達はお互いを称えあった。

そしてこれからに繋がると思っていたが、現実は全く違う形になった。分裂に続く分裂。


埼玉県の青年から栃木県の青年が離れ、そして栃木県の青年も分裂していくのだった。

燃え尽きてしまったという方が正しいのかもしれない。


松が峰教会に戻り、日常の生活を始めたMidoriはいよいよ年越しディズニーに向け、進めていく事に決意したのだった。

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