第一話 星に願いを
お前らは青年会を何だと思ってるんだぁ!!
怒号響き渡るのは峰教会の信徒会館。
先の青年会での草津旅行は格好の標的となった。飛ばずに終わったドローン、マイクロバスのメンテナンス代、旅館の風呂場で暴れた際に洗面用具などを破損させてしまい多額の費用を請求されたのだった。
スーツにに身を包み猛省に猛省のMidoriとTKM、KAZにNorihiko.A。
本当にすみませんでしたぁ。
軽く涙を滲ませた4人は用意されたお茶にも手を付けられず、峰教会を後にするのだった。
松が峰青年会の旅行は県内外でも問題視され、松が峰青年会は解散を余儀なくなれたのである。
しかしである、青年会は解散迄進んでしまい青年自身は教会に行くものの集まる場所は無く、人目を忍んではオリオン通りの一軒め酒場で集まり迫る年越しディズニーに向け準備を進めていくのだった。
周りの酔っ払いの賑やかさに掻き消されるように静かにMidoriは話し出した。
俺達は必ず2020年の新年にディズニーに足を付けて年を越す。恐れる事は何もない無い俺達は松が峰青年会だ。そして俺達は兄弟姉妹であると同時に家族なんだ。
真っ直ぐ前を見据えたMidoriに周りの青年達は息を呑んだ。
そして水滴でびしゃびしゃになった焼酎のロックを一気に飲み干し、勢い良く置いた。
周りの青年達もそれに続き自分の前に置かれた酒を一気に飲むのだった。
しかし、こんなに酔わない酒を呑むのは初めてだった。
月日は流れ青年自身にも各々の時間が存在するのも事実だ。勉学に励む者、仕事に打ち込む者、家庭を築く者、趣味に費やす者、熱心に祈る者。
熱心に行われていた会合も徐々に回数が減り、そして参加する青年達も減っていたのだった。
教会に行っても過去の栄光のみが輝き、青年の横の繋がりが薄れ青年が笑顔になっているのは過去の行楽の色褪せた写真だけとなったのだった。