5/独立型人工知(以下略)
コレがないと頭が動かないその2。
間食、軽食、とかく摘まめるモノ。
手が汚れにくいグミやラムネ食べてます。
がっつりご飯だと、眠くなるしカロリー高いので……
と思ってると、グミって結構カロリーすごいんですよね……
まぁクッキーやポテチ食うよりマシかなって感じです(笑)
●握手会の会場/控室
「嘘でしょ……」
嫌な予感は大抵、的中する。
飯嶋ソエギの手元には白地のメッセージカード。
『最近、元気ないよね? だから今日はサプライズ! ボクも握手会に参加するからきっとソエギちゃんも元気が出るよ!?』
「最悪。最悪。ほんっと最悪!」
と、怒りに任せてカードを破り、紙吹雪を散らす。
丁寧に梱包されたプレゼントの箱を持ち上げ、壁に投げ飛ばす。
食べ物だったのだろうか。
ひしゃげた箱の隙間からクリームが漏れている。
「大丈夫よ。落ち着きなさい、ソエギ。今日の握手会は延期にしましょう」
と、手早く上着のポケットから携帯を取り出す。
連絡をとりながら、消沈するソエギに寄り添う。
「今、スタッフに伝えたから安心して。今日はもう帰って休みましょう。あんな悪ふざけに付き合う暇はないわ」
と、携帯を胸ポケットにしまう。
形状が大きいのか、少し携帯の上部が顔を出している。
「うん……そうだね。ありがと」
ソエギの両手が震えている。
震えを止めようと力を入れるが、さらに震えが大きくなる。
笑おうとするが、空笑い。
どうやって笑えばいいのか、よく忘れてしまった。
「んじゃ、着替えて帰りましょう。私はドアの向こうで電話してるから何かあったら呼んでちょうだい?」
「うん……わかった……」
×××× ×××× ××××
あれから5分くらい経ったろうか。
ライブで軽やかに動かせる腕や足が、鉛のように重たい。
まるで自分の身体ではないような感覚。
そのせいか、着替えるのもひどく億劫だ。
「だるい……だるい……だるくて死にそう……」
『安心してください。現状の肉体疲労では死に至りません。むしろ肉体よりも精神的なダメージが大きいと推測します』
はっきりとしない、声。
聞き取りづらい、不明瞭なそれ。
「――誰ッ!?」
と、先ほどと打って変わって俊敏に動く身体。
だが、狭い控え室には誰もいない。
当然ながら、ソエギだけだ。
『こちらです。貴方の携帯の中にいます』
ソエギ、恐る恐るバッグを開く。
画面の照明がついた携帯を取り出す。
『初めまして、飯嶋ソエギさん。私の名称は独立型人工知能試作103号』
「……え、あ、どうも……初めまして……」
と、瞬き数回。
呆気にとられて、思考が停止する。
画面の中に映る女性。
ポリゴンではない、3Dでもない。
生身の人間とテレビ通話しているかのような肌の滑らかさ。
「……あの、貴方はどなた、ですか?」
『質問の意図がくみ取れません。私の名称はすでに伝えたはずですが?』
読了、ありがとうございます。
頭の先から、つま先までコメディタッチを心がけましたが……
脱線多く卑猥あり、シリアスありでお届けしていきます。
生暖かく見守っていてください。